練馬区議会・議案解説!~まちづくり関連
練馬区議会、2022年第1回定例会の「議案」…まちづくり関連の条例改正などを解説します!
固定資産税の値上げ→道路や公園の占用料が約1.2倍に
第10号 練馬区「特別区道」道路占用料等徴収条例の一部を改正する条例 第11号 練馬区公共溝渠管理条例の一部を改正する条例 第12号 練馬区立都市公園条例の一部を改正する条例 第13号 練馬区立児童遊園条例の一部を改正する条例 第14号 練馬区立光が丘健康運動公園施設条例の一部を改正する条例
↑細かいので読まなくてよいです(;^ω^)
第10-14号までの5議案は、すべて「固定資産税の値上げ」という、同じ理由での改正です。
★固定資産税の変動
固定資産税は、3年に1度「評価替え」を行っています。
道路や公園には、電柱、埋設管などがあり、占用料をとっています。
公園では、撮影等での使用料もとっています。
固定資産税が変わると、「23区の平均値」を出し、単価を変更します。
★「23区平均」の理由
ちなみに、千代田区や中央区などは、「自区の平均」で計算(地価が高いため)。
練馬区は、「自区の平均」にすると安くなるのですが、使っているのが電気やガスなど、他区にもまたがる事業者が多いため、「23区平均」を採用しています。
★「1.2倍」の激変緩和
急激な値上げにならないように「1.2倍」に抑える「激変緩和」の措置がとられています。
1.2倍以上の値上げになる場合に適用されます。
たとえば、第11号議案の場合、激変緩和措置がないと「3300円」のところ、「604円」と抑えられています。
ちなみにこれは、「平成8年建設長道路局長の通達」によるものだそうです。
★「公共溝渠」って?
第11号議案の「公共溝渠」の条例は、千川上水にかかっている方に対する使用料。
令和2年度実績で、
- 29件が対象
- うち19件が支払い
- 他は免除
★練馬区の収入が、約3億円、増える!
単価があがる…ということは、練馬区の収入も増えます。
- 特別区道:約3億5千万円
- R3:20億4千万→R4:23億9千万
- 公共溝渠:約100万円
- R3:600万→R4:700万
- 公園:約580万円
- 児童遊園:約40万円
約3億6千万ほどのUP! 大きい額ですね。
開発で、また生産緑地が減少…
※第18~20号 特別区道路線の認定について(3件) ※第21号 特別区道路線の廃止および認定について
★「特別区道路線の認定」ってなんのこと?
↑議会ごとに、ほぼ毎回出てくる案件がこちら、「特別区道路線の認定」。
ほとんどが、大きな土地が開発され、複数の戸建てがたち、家の前の道路ができるので、それを区道に認定する、というもの。
そして、元の土地が生産緑地(農地)、ということが、毎回1件はあるのです。
★今回も、4件中3件が、元は農地
- 第18号(谷原5丁目)→6467.26㎡(うち畑は6401㎡)
- 第20号(北町7丁目)→1304.22㎡(※一部)
- 第21号(東大泉7丁目)→1363.81㎡
が、元は生産緑地でした(数字は都計法面積)。
今回の開発で「9135.29㎡=約1ha」の生産緑地がなくなっています。
★生産緑地(畑)が残らない理由
生産緑地は、まず区へ買取申し出があるのですが、区曰く「総合的」に勘案して、買い取らないことがほとんど。
「上位計画」「交付金」「敷地の規模・形状」「周辺状況」などいろいろありますが……
農地なら、農地の所管課に「農地として必要か?」を確認したうえで、判断をしているとのことでした。
しかしやはり、大きいのは、「予算」の問題でしょう。
★毎年2-4haの農地が失われている
練馬区には現在、「170ha」を超える農地がありますが、毎年「2-4ha」もの買い取り申し出があり、ほとんどは買い取られずになくなっています。
財源が限られている問題もあり……
どうしたら農地を残していけるのか? という、大きな課題です。
補助230号線&早宮の地区計画を、条例に位置付け
※第9号「練馬区地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例」
- 補助230号線大泉学園町地区地区計画
- 早宮二丁目南地区地区計画
様々な手続きを経て、すでに「決定」している2つの地区計画。
それを、「建築物の制限に関する条例」の中に位置付ける……という内容。
これに位置付けられると、建築確認時のチェックなどができるようになります。
今回影響が出るのは、
- 補助230号線:約1800世帯
- 早宮二丁目:約800世帯
→それぞれお知らせ等配布するとのことでした。
ちなみに、「補助230号線~」のほうは、大江戸線延伸に関わる計画。
実際に大江戸線開業などが具体化した時点で、まちづくり計画などは別途定めるそうです。