ネックは道路の拡幅…地域を巻き込んだ話し合いで、防災力向上を!~桜台東部地区重点地区まちづくり計画(案)
※2022/5/27練馬区議会・都市整備委員会のレポートです。
「桜台東部地区重点地区まちづくり計画(案)」
…タイトルだけ見ても、まったく頭に入ってこない計画名ですが……
参考計画概要は、こちらで解説
https://koguchiyoko.net/nerima/20211208sakuradai/
このブログの時は(素案)で、今回はそれが(案)になったものです。
桜台の皆様、やっぱり必見!の内容です。
解説していきます。
どんな計画?
★素案から案の変更点は?
一言でいうと…「変更点は、ほとんどナシ」。
大きな変更は、ありません。
一つ、注目したいのは「防災設備の効果的な活用」という一文が加えられたこと。
「はやく進められるように」という意見が出たことを受け、加わりました。
「はやく」進むために、どうしたらよいのか。
何が「効果的」なのか、がポイントです。
★一番のネックは、3本の道路
この事業を「はやく」進めるのに、最もネックになるのが……3本の道路を広げる、という点。
実際に高口は、住民の方から、道路について反対の声、不安の声を頂いています。
2022年2月に開かれたオープンハウスでも、主な意見として
- 「6m道路の必要性がわからない」
- 「道路を拡幅すると交通量が増えて危険」
といった声が出たそうです。
オープンハウスの意見が、資料になっていない
このオープンハウスで出た意見は、資料にまとめられておらず、HP等で公表もされていません。
その点も問題。
議会で改善を求めました。
計画の図と、実際に予定している道路が違う!
また、今回の計画の中では、↓以下の図のように、3本のあいまいな矢印で、道路を示しているのですが……
これが、実際に区が想定している道路とは異なるのです。
↓南北の道路は、北へ貫くかたちではなく、開三小のほうから東へ折れる形です。
※高口ようこかわら版より
しかも、道路の地権者の方々には、すでに、下の図面をもとに、話をしてまわっているのです。
「なぜ予定している道路と、計画の図が異なっているのか?」と議会で質疑したところ……
- 練馬区「今回示しているのは、あくまでイメージ」
と答弁。
ですが、すでに想定している路線があるなら、そこも含めて説明するのが、誠実ではないでしょうか?
実際の計画と異なることで、不信感が芽生えないか、心配です。
★もっと「効果的」な方法があるのでは?
道路を広げる理由として、倒壊などがあっても、緊急車両が通れるようにするため、としています。
それなら……
- 道に面している構造物、ブロック塀などを倒れにくいものや、生垣に変える
- その費用を区がすべてもつ
など、道路より住民に反対されにくい手法があるのではないでしょうか。
そのほうが、結果的にははやく進むのではないか?と思うのです。
都市計画審議会の答申も、道路の問題を指摘
練馬区都市計画審議会(都計審)の「まちづくり・提案担当部会」では、この計画に対して、練馬区長宛に「答申」を出しています。
そのなかで…
- 「当該地区を重点地区まちづくり計画の対象地域として選定した理由について」
- 「地域の防災力向上と消防活動等の核となる道路整備の必要性について」
等について、「地域住民にわかりやすく説明すること」としています。
- まちづくりは一丸となるべきなのに、桜台1・3・4丁目は一部のみ
→なぜこの区域になっているのか? - 木造密集事業は、道路整備とは異なる
→主要幹線道路を広げる考え方は、違うのではないか? - 道路の形についても、地域の皆さんとよく話して頂きたい
といった説明がありました(5/26開催の都計審)。
(私はこれを聞いて、すごく感激したのですが……)
練馬区はこの答申を、しっかり遵守すべき!と、思います。
★住民を巻き込んでいくために
先日、東京都が首都直下地震の想定を出したことが、大きく報道され、注目を集めています。
参考朝日新聞:東京の弱点は「木密」 首都直下地震、燃えやすく・倒壊しやすく…
記事の中で
>木密地域の住人が『自分ごと』と捉え、街づくりに取り組むことが重要だ
とあります。
「自分ごと」にしていくためにも、地域の皆さんが広く話し合えるような工夫が、重要ではないでしょうか。
都市計画の手続き(意見書など)や、オープンハウスでは、どうしても敷居が高く、参加しない方もいます。
もっと敷居を下げ、子どもたちも含めて参加しやすい、地域を巻き込んでいくような仕掛けが求めらます。
効果的な方法を!
★練馬区がやれること
たとえば阪神淡路大震災では、地震で電気が止まり、その後通電した際に、漏電したことが火災の原因の一つとされています。
たとえば、地域すべてに感震ブレーカーを、練馬区の負担で設置する……
こういった施策なら、反対する方はほとんどいないと思います。
様々な方策で、防災の強いまちにしていただきたいと思います。
★「空地」が重要!
6m程度の道路では、「延焼遮断帯」(燃え広がりを防ぐ)の効果はありません。
燃え広がらないために重要なのが、空地(くうち)……いわゆる公園や緑地です。
しかしこの計画には、その肝心の空地の場所等が示されていません。
その点を指摘したところ
- 練馬区「今後具体的に示していく」
との答弁でした。
今後のスケジュール
- 6月1日~22 日:計画案の公表・縦覧、意見書・公述の申出受付(3週間)
- 6月12日、13日:説明会
- 7月12日:公聴会(公述の申出があった場合)
- 8月:練馬区都市計画審議会の意見聴取
- 9月:計画の決定、公表
★説明会開催
- 1回目:6月12日(日)10時から1時間程度
- 2回目:6月13日(月)19時から1時間程度
★意見書を出そう!
「意見書」というとハードルが高いかもしれませんが、都市計画の手続きにそって意見を出すことは、とっても重要。
ぜひぜひ、意見書を提出いただきたい!
できたら公述の申し出もしていただきたい!と思います。
説明会&意見書&公述の申請はコチラ↓
https://www.city.nerima.tokyo.jp/kusei/machi/kakuchiiki/sakuradai/01.html
私の生まれ育った桜台の防災力向上は、私にとっても重要な課題です。
今後もよりよい提案や質疑を、しっかりしていきたいと思います!