練馬区改訂アクションプラン→パブコメによる修正はたった7件…1%!!!

※2022/3/10、練馬区議会・「都市整備委員会」のレポートです。


改訂アクションプランが(素案)から(案)に

正式名称「第2次みどりの風吹くまちビジョン 改訂アクションプラン」…長いっ!

通称「改訂アクションプラン」。12月に(素案)が発表され、1月中旬までパブリックコメント(パブコメ)を受け付けていました。

そのパブコメをとりまとめ、素案を(案)にしたものが、委員会に出てきました。

※委員会資料はコチラ↓

【問題1】せっかくのパブコメ…全然反映されていない!!!

集まった意見は「408件」。

うち、意見を反映したのはたったの7件!
わずか1.7%…………

高口が所属する都市整備委員会が担当するのは、

石神井公園駅前再開発、大泉第二中学校を分断する補助135・232号線の道路、稲荷山公園などなど…

地域からの反対も多い分野。

ということで、意見は、最多の106件でしたが、

反映したのは1件。
0.9%。1%未満です……

★反映したのも、ごく小さなこと

しかも反映したのは、

意見「都市計画道路の整備実施路線の図がわかりづらいので目印を入れてほしい」
→変更「道路の通称名を追加」

という点のみ。

「パブコメの意見から、計画を作ろう」「見直そう」という姿勢は、皆無です。

【問題2】反対意見多数…なのに、見直しゼロ!?

★反対意見の数も把握せず

高口が、たとえば石神井公園駅前再開発や大二中等で、賛成意見・反対意見は何件か?と聞いたところ…

  • 練馬区「詳細の件数は承知していない」

いやいや……反対意見がどれだけ来たかくらい、把握頂きたいものですが……汗。

高口が数えたところ

  • 石神井公園再開発:賛成ゼロ、反対7
  • 大二中道路(135、232):賛成ゼロ、反対5

つまり反対意見しかありません。

その中の一部をご紹介すると…
  • 新たな大型道路の必要性はなく、一から検討し直してほしい
  • 性急な方針作成は練馬区の教育行政と道路行政に大きな汚点を残すだけ
  • 住民とともに対話を重ね、新たな合意形成活動を進めるよう変更してほしい
  • 今すぐに中断・計画廃止とすべき
  • 道路だらけのまちになってしまいかねない

★「やめる意見は反映できない」と断言!

反対意見しか出ていないのは、そもそも計画自体に理解・合意がとれていない証拠です。

にも関わらず、たとえば

  • 大二中の道路は「令和4年度重点地区まちづくり計画の検討区域の指定」
  • 稲荷山公園は「令和5年度末に実施計画を策定」

など、進める方針を示しています。

このまま進めても、順調にいくとは思えません……パブコメを尊重すべきです。

練馬区は「意見として受け止める」と言っていますが、本当に受け止めたら、きちんと修正されるはずです!

その点を質疑すると、なんと練馬区は

  • パブコメは一般的に、「ちがうよ」という反対意見が多くなる傾向
  • 「大筋」の方向性は決まっている
  • 練馬区「やめるという意見は反映できない」

……それなら一体、何のためのパブコメなのでしょうか……

★パブコメのあり方から見直すべき!

「パブコメの意見が反映されない」という状況は、これまでもずっと続いています。

「パブコメを出しても、どうせ変わらない」という状況なら、パブコメを出す人は減ってしまいます。それは、区民から、区政への参画を奪う結果になります。

「●●の意見は聞かない」というような、最初から一定の意見を弾いてしまうあり方は、見直すべきです!

★練馬区の中にある”バイアス”

たとえば、練馬区は「区民意識意向調査」のアンケートをもとに、満足度の%等を、施策の評価項目にしています。

アンケートでは逆に、賛成意見が出やすい傾向があります。
ひとの心理として、×よりも〇をつけたい、という気持ちがあるためです。

しかし練馬区は、そういうことには触れずに、「こんなに満足度が高いよ!」といったアピールをします。

一方で、パブコメには対しては「反対意見が来やすいから」と言ってしまう……。

実際はそうだとしても、それを、実施する主催側が主張することに問題があります。

「パブコメでは反対意見が来やすいから」という認識だと、その意見をまっすぐに受け止めることができないのではないでしょうか?

【問題3】コロナ禍はまだまだ続くのに…

★コロナは丁寧な対応を難しくしている

改訂アクションプランの(素案)が出たのは2021年12月上旬で、コロナが落ち着いていた頃でした。

その後のオミクロン株急拡大、第6波で、まだまだ終わらないコロナに、区民の不安は増すなかで出た(案)。冒頭には、第6波や、ウクライナ・ロシアの国際情勢の記載も加わりました。

都市整備の事業では、コロナを理由に

  • 説明会を開かない
  • 時間短縮
  • 質問時間も十分にとれない
  • 少しでも体調が悪ければ参加できない

といった対応が、常態化しています。

この状況で、丁寧なまちづくりは不可能です。

★立ち退き、移転…区民の生活はさらに不安に

しかも、先が見えないなかで、住み慣れた土地を追い出されたり、家の一部を失ったり……。それは本当に、不安なことだと、容易に想像できます。

このコロナ禍で進めることを、どう考えるのか?と聞いたところ

  • 練馬区「状況を見ながら、WEB等できることを工夫している」
  • 「都市インフラは将来を見据え、着実に歩みを進める必要がある」

と答弁。

しかし、このコロナをきっかけに、社会は大きく大きく変わりましたし、変わります。
それは誰もが感じていることです。

本当に、何十年前に決められた大型道路や、再開発が、必要なのか?
その疑問は、コロナでますます大きくなっています。

それなのに、これまでと同じ方向にしか進めない。同じモノしか見えていない練馬区は、本当に残念です。
練馬区が見据える将来では、不安しかありません。

私たちは、もっと違う方向、もっといい方向に進むことができるはずです。

みなさんにもぜひ、よりよい将来にむかって、いっしょに声をあげて頂けたらと思います!