【高口ようこ一般質問2023-1】防災、備蓄の充実を!

練馬区議会の一般質問とは?

2023年度(2024年2月14日)、練馬区議会、高口ようこの一般質問。

一般質問は、練馬区議会では、質疑25分+区の答弁20分
(議会によってルールが異なります)。

一年に一度、各議員の問題意識から質疑できる、貴重な機会です。
(普段の委員会は、基本的に案件が決まっています)

質疑したいことは山ほど!!!
あるのですが、25分という限られた制限時間の中で、悩みに悩み抜き、練りこんでいきました。

文字数が限られるなかで沢山のテーマを質疑するため、前提条件となる説明は、「練馬区ならこれでわかるだろう」という範囲で、省いています。こちらのブログではその辺りも補足していきます。

魂を込めていますので……
ぜひご覧頂ければ幸いです。

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練馬区議会HPはこちら

★字幕をつけてyoutubeにもUPしたのはコチラ★


【テーマ1】防災、備蓄の充実を!

能登半島地震をはじめ、
世界で災害や紛争に見舞われる皆様に、
心よりお見舞いとお悔みを申し上げます。

能登には恩人友人がおり
自分の無力さを痛感する年明けでしたが、
少しでも自分にできることを…の思いで
伺っていきます。

① 備蓄を増やそう!

能登半島地震で、極寒のなか救助を待ち、
避難生活を強いられる方々の辛さは、はかりしれません。

自助・共助は3日のはずが、3日過ぎても公助が届かない状況を
突き付けられました。

練馬区は「自助・共助」を強調しますが、
区の飲食の備蓄は1日分、2・3日目は東京都、4日目以降は国からの想定で、

この「公助」が不足する・遅れる事態も想定すべきです。

Q1

『練馬区地域防災計画(素案)』で、
備蓄の増加や防災倉庫の整備を掲げたことは評価しますが、
区の公の責任として、都の被害想定以上(※)の備蓄の充実
そのためのさらなる防災倉庫の整備を求めます。

※【参考】首都直下地震等による東京の被害想定(東京都HP)

東京都が2022年(令和4年)5月25日公表した被害想定。
練馬区の備蓄は、この被害想定を基にしています。

② 避難所にテントの配備を

阪神淡路大震災から29年たちますが、
今なお災害のたびに、避難所の体育館等で雑魚寝になる姿が見られます。

大阪府寝屋川市では、2020年にポップアップ式テントを導入し、
プライバシーにも配慮。

大小2種類で計2430張、2348万円。
校庭での使用も想定し、耐水圧です。

また、名古屋工業大学の北川啓介教授が開発した「1棟1万円」の
ダンボール製簡易住宅「インスタントハウス」も話題です。

Q2

練馬区も感染対策のテントを1拠点あたり8張配備していますが、小サイズやインスタントハウスも含めた、テントの備蓄を順次増やすべきです。

寝屋川市の小テント6215円で計算すると、
区の全避難拠点分で4億2千万円、
美術館の改築をやめれば出せる金額です。

まずは、寝屋川市との人口比3倍で、7千張のテントなら、4千万円程度です。
いかがですか。

【資料】寝屋川市のテント配備状況

質疑にあたり、議会事務局経由で調査を依頼、ご回答頂きました。
寝屋川市様、ありがとうございました。

③ 原発事故の対応

能登半島地震では、
珠洲原発が住民の運動によって作られなかったことが称賛される一方、

志賀原発では相次ぐトラブルに加え、
「原発周辺400人が8日間孤立、避難計画機能せぬおそれ」と報じられました。

Q3

練馬区は、原子力発電所の事故時の対応策を『練馬区放射線危機管理ガイドライン』で示していますが、3.11から13年もたち、今回の地震も踏まえ、原発事故時の対応や避難計画を見直しつつ、区民にも周知すべきです。お答えください。

何より、再び原発事故が起こり、日本が住めない国とならぬよう
一刻もはやい原発廃止の声を、練馬区からもあげるよう求めます。


練馬区答弁

<A:区長>

お答えいたします。災害対策についてです。

首都直下地震は、何時発生してもおかしくないと言われて久しくなります。

「首都直下地震等による東京の被害想定」では、マグニチュード7.3、区内の建物の全壊・半壊棟数は約12,500棟、焼失家屋は約11,000棟と想定されています。

区はこれまで、ハードとソフトの両面から「攻めの防災」を進めてきましたが、能登半島地震を受け、予算案での想定を超えて、更に強化、加速しなければならないと考えています。

桜台東部地区や貫井・富士見台地区などは、老朽木造住宅が密集し道路狭隘です。この現状を放置することはできません。震災時の建物倒壊や延焼火災を防ぐため、危険な建物を建て替え、防災道路を通さなければなりません。

反対している方々がいる事は承知していますが、住民の皆様と力を合わせ、根本的な災害対策として効果が高いものを優先し、具体的に目に見える形で、早急に進めていかなければならない、固く決意しています。

災害時に、区民の生命と財産を守るのは基礎的自治体の最も重要で基本的な責務です。私は区長として、攻めの防災の先頭に立ち、万難を排して取り組む決意です。区議会の皆様、区民の皆様のご協力をお願いいたします。

私からは以上です。

その他の質問につきましては、関係部長から答弁いたします。

※高口解説:練馬区長のこの答弁は、議会初日の所信表明と全く同じなのですが、他議員の答弁でも、この同じ答弁を、何度も何度も繰り返していました。

ちなみに、内容の差は議会ごとにあれど、区長が同じ答弁を繰り返すのは、”いつものこと”です。

<A:危機管理室長>

私から、防災対策についてお答えします。

A1(備蓄について)

区は、「震災対策における都・区間の役割分担」に基づき、食料や生活必需品等を備蓄しています。

来年度は、備蓄倉庫を2ヶ所整備し、携帯トイレやアレルギー対応食等を増量するほか、口腔ケア用品やボディーシート等の衛生用品を新たに備蓄します。

より一層、避難所の良好な生活環境を充実・強化するため、さらに備蓄倉庫の増設を検討し、物質の充実に努めていきます。

令和6年能登半島地震では、緊急輸送道路を含む、主要道路が寸断されたため、救命・救助や物資輸送に大きな遅れが生じるなどが課題として浮き彫りとなりました。

避難所機能の充実はもとより、都市計画道路の整備促進や、緊急輸送道路沿道建築物の耐震化などに取り組み、「攻めの防災」を進めてまいります。

A2(テントについて)

各避難拠点では、妊産婦や障害のある方など、特に配慮を要する方のプライベート空間の確保や、感染症対策として、避難者用テントを配備しています。

このほか、複数事業者と災害協定を締結し、災害時には、段ボールベッドや間仕切りの必要数を調達し、区画された室内空間を確保することに努めています。

A3(原発事故について)

区の『放射線危機管理ガイドライン』は、放射性物質による影響が懸念される事態等の対応策について、区や都の計画を踏まえ定めたものです。今回の能登半島地震において避難が遅れた大きな要因は、道路が寸断されたためのものです。これにより、現時点で区のガイドラインを見直す必要はないと考えております。

 

※高口解説:高口の質問を見ると、実は答えていない質問があることがわかると思います(今回でいうと、「区民への周知」についてはスルー)。

『練馬区放射線危機管理ガイドライン』は、練馬区HPの検索でも引っ掛からないので、練馬区の避難計画がどうなっているか、ご存じの区民は少ないと思います。

一般質問は事前に原稿を渡し、再質問(答弁を受けての質問)ができないため、答えているようで実は答えになっていない……ということが、よくあります。


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