【高口ようこ一般質問2023-8】生物多様性と道路問題、コモンズと稲荷山公園問題
2023年度(2024年2月14日)、練馬区議会、高口ようこの一般質問。
8つ目、最後のテーマは……
★生物多様性
★道路は生物多様性の脅威
★「コモンズ」から見る、稲荷山公園計画の問題
★私設公民館、グランドレベルという考え方
練馬区が生み出している問題を、
「生物多様性」「コモンズ」
という、今注目される、そしてこれから必須の考え方から紐解きました。
練馬区がこれから向かうべき方向、
明るい未来の方向はこっちだよ!
の思いをこめて……。
★録画放映はこちら
※後日字幕をつけてyoutubeにもUP予定です
↓以下、質疑です。
【テーマ8】生物多様性と道路問題、コモンズと稲荷山公園問題
① 生物多様性が重要!
他方で、若い世代ほど影響を受けるのが、気候危機です。
そこで重視すべきが、「生物多様性」です。
生物多様性は、種類の多さだけでなく、環境、遺伝子、食物連鎖や
生態系・伝統文化等の地域のつながりといった、様々な「多様性」を含みます。
私たちの暮らしはこの生物多様性に支えられていますが
生物多様性が急速に失われるなか、私たちの生活も危うくなっています。
そのうえで都は、2022年度に『東京都生物多様性地域戦略』を策定。
そのなかで
「みどりの量の確保だけでなく、生物多様性に配慮した
みどりの質の向上を図ることが必要」
「行政が実施する公共工事や施設改修等においては
法令の対象とならないものについても、
生物多様性への影響の回避・低減に努める」等、
区市町村と連携した施策を、明記しています。
Q1-1
練馬区として都の『地域戦略』とどう足並みをそろえるのか?
Q1-2
また、環境省は自治体にも『生物多様性地域戦略』の策定を推奨しており、区の策定を求めます。
お答えください。
② 道路に生物多様性はない
練馬区は、「道路はみどりのネットワーク」と無理な主張を繰り返していますが、
近年5年間で新設された唯一の補助線街路132号線Ⅲ期でも、
低木のツツジと、6-12m間隔で高木のカワヅザクラ34本が植えられたのみ。
生態系への意識が全くなく、
生物多様性から程遠い状況です。
生物多様性ネイチャーガイドで、
生物多様性条約締約国会議に毎回参加する坂田昌子氏によれば、
「みどり色ならいいというのは勘違い。
生態系が豊かになるとは、そこにいる生き物同士の関係が多様であること、
食う・食われるの関係も含めた、命のやりとりがつながっていくこと」
「植物は哺乳類に種をつけ運ばせたり、虫や鳥を戦略的に使って受粉したり種を運ぶよう進化」
だから
「道路は生き物の脅威」であり、
「大きな道路は、生態系ネットワークを分断する可能性がずっと強い」
と指摘します。
Q2
都市計画道路に、限られた街路樹を植えても、ネットワークと
なり得ませんが、生物多様性の観点から、区の考えを伺います。
③ 稲荷山公園とコモンズ
坂田昌子氏に、稲荷山公園計画についても伺いました。
「公園は、本来コモン、社会的共通資本。
公園は私たちのもの、みんなのもので、共有財産」
「行政は所有しているのではなく、管理しているだけなのに、
住民を追い出すのは、完全に逆転」
「住民が生態系が豊かになるように使い、住民自身が管理する」
ことが重要であり、
「行政は住民に答えて動くべき立場」
Q3
この指摘と、「公園はコモンズ」という考えに対する
区の見解を聞きます。
④ 私設公民館
新しいコモンズ、新しい公共として注目しているのが、
墨田区にある「喫茶ランドリー」です。
ランドリーでもあり喫茶店でもあり、
世代を問わず誰でもふらりと立ち寄れる、不思議で居心地のいい空間です。
開設した田中元子(もとこ)さんは、「私設公民館」だと提唱しています。
田中さんはさらに、
「高い建物を建てても街は変わらないけど、1階部分次第で街は生き返る」
と、1階部分の重要性、
「グランドレベルのまちづくり」を提案しています。
石神井庁舎を3-5階に移し、顏である1階部分を捨て去ろうとしている練馬区とは、対照的です。
Q4-1
グランドレベル、1階部分がまちに与える影響、役割、重要性と
Q4-2
「私設公民館」に対する区の考えを伺います。
Q4-3
また、私設公民館のようなコミュニティの場づくり、
居場所への補助金が必要と考えますが、伺います。
まさに「民だからできること」として、
区民の創意で、おもしろいことをどんどんやってもらう!
そのための予算充実を求めます。
だれもが自分らしく、尊重され、尊厳の守られる
インクルーシブな社会をめざし、
ここ、練馬区からも取り組むことを求め、
一般質問を終わります。
練馬区答弁
<A:環境部長>
A1-1+1-2(生物多様性について)
区では、生物多様性地域戦略は策定していませんが、東京都生物多様性地域戦略の行動方針を踏まえた具体的な取り組みとして、公園や街路樹の整備、農地や樹木地の保全、憩いの森の区民管理などを、みどりの総合計画等に定め、推進しています。
A2(道路問題について)
街路樹は、緑陰や四季折々の景観の演出など、区民生活に潤いを与える大きな役割を果たしています。また、みどりの拠点となる大規模な公園を結ぶ役割を持ち、農地や樹木林などとともに、生物多様性の保全に効果があるものです。
引き続き、都市計画道路などの整備を新たなみどりの創出の機会として、みどりのネットワークの形成に取り組んでいきます。
※高口解説:びっくりするくらい答えになっていません(;^ω^)
<A:企画部長>
私から公園や交流の場などについてお答えします。
A3(稲荷山公園とコモンズについて)
公園は、高齢者から子どもたちまで、障害のある方もない方も、誰もが憩い、遊び、運動するなど、快適な都市生活を支える大切な都市基盤です。
公園の整備に際しては、地権者をはじめとした地域の皆様のご理解が不可欠であり、ご意見を伺いながのら丁寧に進めていきます。
管理についても地域に根差した利用ができるよう、区民による管理を推進しています。みどりを守り育てる「みどりムーブメント」の輪を広げてまいります。
※高口解説:近隣住民を追い出しての「ムーブメント」ってなんなのでしょうか…?
A4-1~3
次に、建物の1階部分をどう活用するかは、地域の賑わいにとって重要な要素と考えています。
石神井公園駅前の再開発事業においても、1階2階を商業施設とし、特に1階は、誰もが立ち寄れる利便性の良い店舗を立地させる計画となっています。
区では、練馬こどもカフェや街かどケアカフェ、相談情報ひろばなど、民間事業者や町会・自治会、NPO法人などと協働して、身近な地域に居場所や交流の場を設置しています。周知の協力や補助金の交付など、各団体の目的や活動に合わせて支援をしています。
※高口解説:相談情報ひろばは、区民発意の居場所事業に近い形ではあるのですが、新規受付していません……