練馬区議会・補正予算を解説!2023年第4回定例会
※2023年12月11日の練馬区議会・補正予算質疑のレポートです。
以下の5点についてお伝えします!
- 性暴力等防止事業→特別対策委員会と第三者相談窓口を設置
- 練馬区の追徴課税→不納付加算税・延滞税納付金
- 国の7万円給付「電力・ガス・食料品等価格高騰支援給付金」
- 国民健康保険(国保)、産前産後保険料の減額
- 技術者不足で、入札が決まらない!
性暴力等防止事業経費→特別対策委員会と第三者相談窓口を設置
↓別ページで詳しく解説していますので、そちらをご覧ください。
不納付加算税および延滞税納付金
練馬区のミスにより、追徴課税された問題。
詳細練馬区HP:職員の期末・勤勉手当に係る源泉所得税の納付遅延による支払いの発生について
ざっくり解説すると……
- みずほ銀行からの提案で、給与の支払いを1ヶ月遅らせることに了解
- それにより、源泉所得税の納付期限が遅れることになったが
- それに気づかず、3年経過
- 3年分の不納付加算税・延滞税を払うことに
- 約3700万円
- 職員課長(新旧2名)が加入している損害賠償保険の保険金で支払う
- 保険金はおりる見込み
- まだおりないので、区が一時立て替えるための補正予算←今回
区長、副区長も給与を削減
- 2024年1~3月の3か月間
- 30%減額
- 3名合計で、2981000円=約300万円
その他の懲戒処分
- 練馬区HP:職員の懲戒処分について
論点は?
- 個人の保険金で払わせてよいのか?
- 今回は課長が保険に加入していたからよいようなものの、加入しているのは全職員の7割程度
- 年額は1万円程度
- 今回は、請求する前に対象となる職員が保険に入っていることを確認
- 保険を使わなければ、区民の税金で支払うことになる→それでよいのか?
- 練馬区としては、それは区民の理解が得られないだろう、という考え
- そんな大事な保険なら、区が保険料を肩代わりすべきでは?
- 全員が入るために、区がその分のお金を出すことは、職員の過失に対して練馬区が請求するという制度上、難しい
- 管理職になりたくない職員が増えるのではないか?
- 管理職に対する責任のあり方は、今後考えていくべきだと思います。
私たちの会派の考え
まず、今回のミスが二度と起きないよう、徹底した対策が必要です。
とはいえ、人為的なミスは起き得るもの…(これまでもありましたし、これからも絶対に起きないとは言えません)。
そのうえで、今回については、保険の仕組みについて疑問が残ります。
業務での失敗について、練馬区が個人の管理職に請求するという制度は、理解しがたいものがあります。
しかし現状、保険の制度がそうなっている以上、今回はベストな対応とは言えなくても、他に選択肢はなかったのではないか、と考えます。
練馬区は、保険金で払える見込みがあったから保険を使うことにした……のだと推測できます(表ではそうとは言えませんが)。もし、保険金がおりないのであれば、さすがの練馬区も、個人に3700万円を請求することはしないでしょう。
そのための保険に加入していて、保険がおりることにより、税金を使わずに済むのであれば、ベストではないけれど、今回は他に選択肢がなかったのではないか、と考えています。
電力・ガス・食料品等価格高騰支援給付金(7万円給付)
- 令和5年度の非課税世帯が対象
- 70000円を給付
- 81000世帯が対象の見込み
- 対象世帯→1月にお知らせ等を発送
- 申請不要、プッシュ型
- 1月下旬~給付開始
- 申請が必要な世帯→返送から3週間程度で給付
Q:ファストパス
- オンライン申請により速やかに給付することを指す行政用語?
- 練馬区では2022年度から導入
- これまで2千件以上の申請あり
※練馬区HP:国が検討を進める「住民税非課税世帯に対する7万円の給付金」について
国民健康保険(国保)、産前産後保険料の減額
練馬区HP:産前産後期間にかかる保険料の減額について
社保、社会保険(健康保険)では2014年に導入済みの制度。
国保の加入者にも、ようやく適用されることになりました。
- 単胎妊娠:4か月間
- 多胎妊娠:6か月間
- 保険料→全額免除
- ただし、子どもの保険料は免除されず
- 施行日:2024年1月1日
- 2023年11月の出産から対象になるが、減額月は一部
- 11-12月分は減額されないので注意
- 全額減額されるのは、2024年2月出産予定者から(単胎の場合)
- 申請期限は2年←遡っての申請は可能
- 電子申請も受け付け
- 対象者:約400人程度の見込み
※「出産」とは…妊娠85日(4か月)以上の分娩をさす。
「死産」「流産(人工妊娠中絶を含む)」「早産」も対象
技術者不足で、入札が決まらない!
学校の改築工事→早期発注に変更→工事費増加
激震が走ったのは、向山小学校で、入札が不調になったこと……。
新校舎の完成が1年遅れ、令和9年度(2027年度)と、1年繰り延べになってしまいました。
そこで今回の補正予算では、3つの学校
- 練馬東小学校
- 豊渓小学校
- 石神井南中学校
の「仮設校舎」の工事を、「早期発注」することに。
(その分を、「債務負担行為」という予算で今回計上しています)
早期に発注し、履行期間を長くとることで、入札に参加しやすくなります。
ただし工期が伸びる分+物価上昇分で、費用が増額に。
今後も続く学校の工事で、同じ状況が続くことが見込まれます。
石神井松の風文化公園も入札不調に
スケートボード場の完成が期待される松の風文化公園の拡張工事ですが……
入札が不調となり、今年度末の履行が不可能に
→来年度にまたがる再入札を行うため、補正予算に「繰越明許費」というかたちで計上されました
完成時期に影響はない見込みとのことです。
なぜ入札不調が続くのか?
全国的な技術者不足、案件増加が大きな理由。
すでに、昨年の倍近い不調が起きています。
契約できていないものも、4件あるとのこと。
この状況下で、練馬区立美術館という大工事は、予定の81億円のままで、入札は可能なのでしょうか???
補正予算の賛否
賛否の結果が分かれました