【練馬区議会・補正予算】園バス置き去り事故を受けた安全装置、他事故防止対策…でも、保育士増や人件費増はナシ!
※2023/2/13練馬区議会・補正予算、2/14文教児童青少年委員会のレポートです。
送迎バス他事故防止の安全装置の設置補助
★園バス事故を受けた対応
静岡県牧之原市で起きた、園バスの置き去り事故。
それを受け、国が安全対策の予算をつけました。
それが練馬区で実施されるのが、この補正予算の経緯です。
★練馬区の対応
- 昨年10-11月、国の指針に基づき、バス所有の保育園、幼稚園すべてを訪問
→実地調査 - 各園のチェック方法を確認
- 都区→昨年12月の補正予算で安全装置を義務化
- 事故防止策、安全対策→今回の補正予算
スキーム=3点
①送迎バス(園バス)の安全装置
- 購入費、取付費
- 1台100万円(上限)
- 昨年2022年11月の実地調査時点で安全装置設置している園はなし
- 2022/4/1〜の購入→国ガイドライン適合なら遡って対象に(遡及可)
- バス台数:32施設 71台
- 幼稚園:24施設 60台
- 保育園:7施設 8台
- 子発:1施設 3台
2種類の方式
- 降車時確認式
- エンジン停止後車内で警報
- →車内確認後、後部装置を操作
- →警報停止
- 自動検知式
- 一定時間後、車内センサーが起動
どちらも、車外で警報が鳴る仕組み
②その他事故防止機器
- 見失い、置き去り→GPS見守りタグ
- 飛び出し防止→電子錠
- AED、カメラ等も対象
③午睡事故防止
- 購入、改修
- ベビーセンサー
- 以前導入時→需要が少なかった(結局人が見るため)
- ②③で1施設100-200万円(上限)
- 幼稚園と学童は午睡がないので②のみ
★区内対象施設
- 幼稚園:41
- 保育園:305
- 学童:50
- 子ども家庭支援センター:5
- 子ども発達支援センター:1
★マニュアル
- 国がマニュアルの見直しも求めた
- +国もマニュアルを作成
- 区「バス運行園に周知する」
「各園の責任で考えて作成」
「講習等で実効性高める」 - 研修、講習、マニュアル見直しのための外部講師も補助対象
★運転士
- 直接雇用、運転のみ、用務も兼ねる…等、園により様々
★こどもにクラクション操作を教える
- いくつかの園で、クラクションの鳴らし方の体験教室を実施
★スケジュール
- 2月:各施設周知→申請受付開始
- 3月~:交付決定(随時)
- 4月:送迎バス用安全装置の設置義務化(1年の経過措置あり)
高口質疑:人を増やそう!
★点検や修理代→予算ナシ
今回の予算は、「設置」のみが対象。
点検や修理代などは対象外です。
その点をどうするのか質疑すると、
区「練馬区が補助している運営費で」
と答弁したのですが…
今回の安全装置義務化によって、区の補助金を「あげる考えはない」とのこと。
機器は当然壊れるもの。
設置の義務化はするけれど、修理や点検の費用をもたないなら、園の運営を圧迫します。
国、都、区で、しっかりと点検や修理代も補助すべきです!
★交換費用→未定
今回の機器の耐用期間は、メーカーの側で決めると、国は言っています。
取り換えの費用に関して補助が出るのかどうかは、現時点では未定。
練馬区は「国、都が補助を行うか、動きを確認」としています。
しかし、義務付けなのであれば、交換した場合の費用もしっかりもつべきです……。
もし国や都がやらないのであれば、区として補助すべきです。
★やることが増えるのだから…
園バスの事故を受けた安全対策の強化で、機器をつけること自体はまったく否定しません。
ですが、やはり機器だけではなく、ひと。
ひとによる安全確認。
機器を扱うにしても、ひとの意識が行き届いてこそです。
今回も、ひとに対し、安全確認の義務付けが行われるわけですが、
当然、義務が増える。
ただでさえ忙しいうえに人が足りていない保育現場、幼稚園の現場で、
やることを増やす、義務付けなのであれば、
ひとを増やす、人件費を増やすこともセットで行うべきではないでしょうか。
保育士を増員する話は国・都等で出ていないのか、状況を伺います。
練馬区A
- 国→人的配置、増員はない
※詳細は後日掲載
★もともとの保育現場の問題
そもそもなぜ、事故が起きたのかを考えると、やはり保育現場での人手不足、人員配置基準の低さ、現場の忙しさも重なっていると思います。
こどもの命と安全を守るためには、人をふやすこと、そのための待遇をあげることが不可欠と要望します。
ちなみに人的配置について、別の委員に質問されたときの、練馬区の回答
↓
区「すでに確実な人員配置となるよう努めている」
確実って…汗
戦後から変わらない、先進国最低の保育基準なのに汗汗汗
これからも練馬区で、保育の質が向上するよう、頑張ります!!!!!