世界一しあわせな国の理由…フィンランド大使館にて、ネウボラ等子育て支援の最先端を学んできました
フィンランド大使館にて、ネウボラをはじめとしたフィンランドの子育て支援、福祉制度の様々なお話を伺ってきました。市民の声ねりま同僚、岩瀬たけしさんと。さすが世界一幸福な国…ですが、練馬区でもできること、変えていけることは沢山ある!と確信。当選して、実現していきたいです…!!
練馬区も「切れ目のない支援」を謳っていますが、重要なのは「ネットワークの切れ目のなさ」。フィンランドのネットワークの重厚さ、多層さ!日本はママ達を取り巻くネットワークが少なさが、育児不安や虐待の原因の一つだと痛感。勿論児童相談所もネットワークの一つ。勿論、基礎自治体の機関です。
健診は、たっぷり1時間。メディカルチェックは15分で終わり、残りは対話の時間です。アドバイスではなく、「傾聴」にシフトしたのは、「2000年代と、遅い」とのこと。
日本の健診も、1時間以上かかるけれど、ほとんどが「待ち時間」ですよね。保健師と話す時間は数分?日本は20年以上遅れていますね…
いまフィンランドは選挙期間!大使館でも投票できるので、お忙しいさなかお時間を頂きました。なんといっても、投票率7割で、女性の国会議員は42%。地方議員でも36%、地方委員会はクオータ制で48%!
だから、保育制度も超充実しています。保育法が1973念にでき、保育施設の用意が自治体の義務に。
ちなみに選挙制度は、エリアごとの比例区だそうです。
保育園はほとんど待機がなく、人気の市でも第3希望まで。急な保育園希望でも、二週間で受け皿を用意する義務が自治体に課せられています。
「誰もが保育園にはいれる主体的権利が、こどもに与えられている」……こどもの主体的権利、というところがポイントですね!!
フィンランドは基本的に共働き。人口550万人なので、女性が働かざるを得ない事情も。人口が少ないから、一人の子どもも取り残してはいけない、すべての親子に予防的支援を行い、未来の納税者を社会が育てる、という「効率的」な考えが浸透しています。
視点は常に、「こどもにとっていいこととは何か?」こどもにとって、保育園で長時間過ごすことはよくない、子どもの時間、家族との時間も大切。だから、長時間保育はなく、保育園は10時間!そのぶん早く帰る働き方が可能。病児保育もなく、休みをとる。職場に理解があります。
練馬区は、延長保育などの多様なニーズをもとに民間委託を進めていますが、社会の働き方の問題も、一緒に解決していかなくてはいけないのだと感じました。
保育は無償ではありませんが、高くても2万円。安価で質の高い保育が受けられます。
87%が公立保育園です。
消費税は24%と高いけれど、食品は11%。教育は博士課程まで無料なので、教育のためにお金をためる心配がありません。ほとんど公立学校で、私立はわずか。授業料をとる文化がない。平等の意識が根強いためだそうです。
1985年には、「在宅保育手当」が成立。3歳まで育休がとれるけれど、給与は1年しか出ず、家庭での子育てに、月5-6万円支給されます。
すぐに復帰しない人も多く、OECDからは批判されていますが、フィンランド人は満足しているそう。
7歳までは教育をすべきではなく、あそびが大事!というところも素敵…
保育法も在宅保育手当もうらやましいけれど、成立当時は「財源はどうするんだ?」「母親が子育てすへきだ」という反対は当然あり、戦って乗り越えてきたのだそうです。天から降ってきたりはしない。私たちが、戦って、勝ち取らなくては!!
保育士さんの給与は、高くはないけれど低くもない。日本のように、平均給与より10万円も低い、などということはありません。
離婚、事実婚、同性婚など、家族のかたちは多様になっていますが、どの親子にも差別なく、同じ支援が保証されています。
医療もほぼ公立。ただし予約が取りづらいので、あまりお医者さんに行く習慣がないそう。その点では、気軽にかかれる日本の保険制度、医療制度はうらやましいところもあるそうです。
話が飛んでいますが、ネウボラについて。ネウボラおばさんはいわゆる保健師さんで、すべての妊婦健診につきそいます。予防医学、予防的支援を重視。日本のように起きてからではなく、どの親子にも問題が起きるリスクがあると考え、リスクを探す考えかたです。
子どもを取り巻くネットワークは、保健師(ネウボラおばさん。若くてもおばさん)、助産師、医師、ファミリーワーカー(ソーシャルワーカー)、言語療法士、理学療法士、心理士、歯科医師、歯科衛生士、栄養士、保育士…その他学校、病院、そして児童相談所と、多様!多層!
子どもの幸せ=親の幸せ、という考えのもと、家族支援にシフトしているそうです。児童相談所も、家族で入所し、家族でリハビリすることも。専門家が勝手に決めるのではなく、当事者を入れて決めていく、というところも先進的…
ネウボラおばさんの受け持ちは76家族。日本の保健師さんと桁違いです。それでも、1時間の健診は大変だそうです。
また、そのネウボラ(主にヘルスケアセンターに隣接)に所属するので、異動がありません。「対話と信頼関係」が、相談しやすさのポイントです。
早期発見、予防的支援により、「死に至る虐待はない」……とのこと。本当にほんとうに、日本もはやく、そうしていくべきです……
2010~始まった総合健診は、保健師、保育士、医師、家族と、総合的にみる健診。二回行います(勿論通常の健診もあり)。健診しながらだから、相談しやすい。
練馬区でいえば、保健相談所と子ども家庭支援センターを連携、一つにすることが、ポイントだと感じました。
ネウボラに来やすくするために、育児パッケージを用意。母親手当(育児パッケージか170ユーロ)をネウボラで健診しないともらえません。これが死亡率低下に大きく貢献。1973年導入。
練馬区でいえば、子育て応援券のすごい版を、子育てひろばでもらえるようにする等でしょうか?
浦安市では、この育児パッケージを導入。2回来たらプレゼント、3回来たらクーポン…で、100%来るようになったそう!「皆悩みを抱えてる、アンハッピーな母親が多い、一見普通の家族でも深刻な悩みがあることがある、と初めて知った」と自治体の感想。相談に来ない=悩みがない、ではないんです。
逆に、私たちに悩みがないと思っていたことのほうが、私からすれば、驚きですが……自治体のそういう認識も、変えていくべきですね。
練馬区でもできることは沢山!
★保健相談所と子ども家庭支援センターをつなぐ
★連携を強める
★子育て応援券(バージョンアップ)は、子育てひろばに来たら支給に変更
★来やすい場所に相談所を設置(図書館など)
★パパ支援、家族支援に注力
★保健師を異動させない
★人を増やす
★メール相談
実現するために、必要なのは、実現しようとする議員が当選すること。平成最後の選挙、必要なのは、みなさんの、あなたの力です!