(仮称)東京都練馬児童相談所のフロア配置まとまる~何が変わる?変わらない?

※2022/7/26、練馬区議会、文教児童青少年委員会のレポートです。

(仮称)都立練馬児童相談所のフロア配置

区立の児童相談所は作らない練馬区。
都立の児童相談所が練馬区にやってくる予定です。

施設のフロア配置について、東京都と協議がまとまった

という報告がありました。

フロア配置

★1F=区、2F=都、3F=共用

  • 1階=練馬区の子ども家庭支援センター(子セン)←変更なし
  • 2階=都児相
  • 3階→都区共用の会議室など

★案内の流れ

  1. 総合窓口へ
  2. 相談にあわせて、区や都などへ案内

…という流れ。

★電話相談は一元化されず

電話での相談は一元化されず、これまで通り、

  1. 都の児童相談所
  2. 区の子セン

と、どちらかにかけることになります。

都児相がくると、何がかわる?

★新宿に行かずとも対応できる業務が増える

  • 児童相談所の主な業務
    • 助言指導、継続的な援助
    • 一時保護
    • 里親制度
    • 施設入所
    • メンタルフレンド事業(対人関係がうまくいかない、ひきこもり等をお兄さんお姉さん世代のボランティアが支援)
    • 愛の手帳の交付

→これまで新宿まで行く必要があったものが、練馬区で対応できることとなります。

愛の手帳の交付などは、利用者にとって便利になりますね。

★一時保護所はできない

一時保護の「業務」は行いますが、一時保護所を、練馬区内に新しくつくるわけではありません。

様々問題にもなっている、一時保護所ですが……。

練馬区は、常に「児相は広域業務」と主張しますが、

必ずしも、親元から引き離し、居場所を隠さなくてはいけないケースばかりではありません。

むしろ、一時保護中の子どもが、学校や友達などから離れずに過ごせる=なるべく環境を変えない配慮は、子どもの安心、安定のうえでも、とても重要。

しかし、練馬区に一時保護所をつくる、という話はまったく出ていません

★人員体制は?

「60-70名程度」の見込み。

ちなみに江戸川区の区立児童相談所は、188人。一時保護課を除いても、120人体制とのこと。

江戸川区立の児童相談所、とても多いですね!!!

区児相は人材不足は本当か?

区立の児童相談所は人材不足、ひとを集めるのが難しい、だから都立でいいんだ、という議論があるのですが……

実は、「児童福祉士」「児童心理士」という資格は、「児童相談所に勤務することで、その資格になれる」

……つまり、資格というより「任命職(任用資格)」

実際に練馬区にも、児童福祉士等と基礎要件は同じスタッフがいます。

「児童福祉士/児童心理士がいない」というよりも、「区立児童相談所ではないから、児童福祉士/児童心理士になれない」というほうが、正しいのです。

★子どもアドボカシーの視点は、前進せず

都児相がくることで、練馬区の子どもの声をきくアドボケイトは前進するのか?と聞いたところ…

  • 練馬区「これまでどおりの対応をはかる」

との答弁。

つまり、これまでどおり……特に前進なし、ということです。

子どもの権利擁護を強化するチャンスなのに……

「区立」であれば区が主体的になれますが、「都立」である限界でしょうか。

この機会に、子どもの権利を守る体制を、しっかりと見直し、構築していくことが、とても重要です!!!

今後の予定

★2024年度設置

  • 2022年度(令和4年度):工事実施設計
  • 2023年度(令和5年度):施設内改修工事
  • 2024年度(令和6年度):都児相設置

★オープンハウス(説明)の開催

  • 8/26(金)18-20時@練馬区職員研修所
  • 8/28(日)14-16時@子セン2階

住所:練馬区豊玉北5-28-3