【練馬区立美術館問題】工事費81→93億円に膨れ上がる!バリアフリーと富士塚問題、美術の森緑地も美術館の犠牲に……まちなみ整備でいくらかかるか想像もつかない…って論点ありすぎ~~【2024/2/19練馬区議会・区民生活委員会】
2024年2月19日、練馬区議会・区民生活委員会で、基本設計が出ました。
そこで発覚した事実が多々……!!!
その前後、2-3月の予算特別委員会の質疑で出てきた問題もまとめて、レポートします。
基本設計は、こちらから見られます
【練馬区HP】練馬区立美術館・貫井図書館改築等基本設計が完了しました
【2/19 区民生活委員会他】驚愕の事実が多々…!
【大問題1】工事費、93億円に膨れ上がる!
①81億円上限のはずが、93億円+αに
『美術館再整備基本構想』の段階では予算も示していませんでしたが、のちに「81億円」と説明してきた練馬区。
それが、2月上旬に「89.8億円」、プラス8.8億円になることを表明。
さらに、2月19日の委員会では、
+美術の森緑地の改修工事費1.5億円
+工事監理費1.5億円
→92.8億円!!!!!
約93億円
……たたた、高い………
少し前に、89.8億と言っていたそばから、プラス3.2億円。
当初の81億円から、プラス12億円。
どんどんどんどん上がる……
しかも、工事監理費については、質問が出るまで答えず。
(秘密にしたまま進めるつもりだったのか!?)
②まだまだかかる(93億に含まれていない費用アリ)
しかもしかも、これとはさらに”別”に、備品購入費がかかります。
額は未定ですが、当初の想定(81億円と言っていた時の算定)では、「2.6-2.7億円」と見込んでいました。
そのまま当てはめると、
95.4-95.5億円に…
建設資材の高騰や、労務単価も上がる一方なので、
100億円超える可能性も十分にあります。
ひえええ……
【大問題2】バリアフリーにも問題ありすぎ!
バリアフル問題①下りエスカレーターがない!
そんなに費用をかけながら、
なんとエスカレーターは上りのみ、下りなし!!!
93億円もかけて
下りエスカレーターなし………
理由は「動線を考慮(=展示優先)」に加えて、
「コスト」等。
→だったら改築をやめたらいいと思うのは私だけ…!?
しかも最初は、エスカレーター自体つけるつもりがなかったという……
高さ=20メートル、6階だて相当の建物で、エスカレーターなしで作ろうとしていたんなんて、どこがバリアフリー???
また、上りエスカレーターも、一番小さいタイプ。
なお「ゆるい、おりやすい階段を設置」するそうです。
おりやすい階段って何……下りエスカレーターつけてくださいよ……(涙)
バリアフル問題②カフェが「1.5階」!
カフェは、わざわざ地上から3m上がった「1.5階」につくるため、ベビーカー利用者等は、エレベーターまで遠回りすることに。
1階にあれば、たとえばベビーカーで楽々入って、テラス席から、子どもが緑地で遊ぶのを眺めつつ、コーヒーを楽しむこともできるのに……。
なぜ、1.5階…!?
バリアフル問題③階段でしか登れない「富士塚」
「富士塚」に見立て、階段だらけの屋根をのぼるという設計は、そのまま採用に。
1階から「富士塚」の頂上までは、階段しかありません。
車いすの方は、エレベーターであがる前提です。
そもそも、そもそもです。
美術館を建て替える理由に、「バリアフリー」を挙げていたんです。
バリアフリーに課題があるから、建替えしかない、改修(修繕)ではダメなんだと、説明していたんです。
そして……
中村橋には、富士塚はありませんが、心身障害者福祉センターがあります(中村橋区民センター内=美術館の隣)。
1979年開設という歴史があり、
重症心身障害者の通所施設、障害児保育園ヘレン等があります。
これこそが、中村橋の特色なんです。
それなのに、最初から障害のある方が楽しめない前提のコンセプト(=階段でしか登れない富士塚)。
誰のため、何のための、バリアフリー?
「バリアフリーが理由の建替え」って、何だったのでしょうか……?
【大問題3】屋上利用→近隣へのプライバシー侵害や騒音の問題
「シェイド」と呼ばれる屋根が、建物の南東部分をぐるりと囲む設計。
屋上は富士見テラスとして、屋上まで登れるデザインです。
①屋根・屋上利用→近隣から反対の声
屋根や屋上の利用に対し、近隣からは、反対意見も出ています。
すぐそばは住宅街です。
20メートルの高さの屋上から、家の中を覗けるような仕様に対して、
プライバシー侵害や騒音等を心配するのは当然のこと。
心配になるのは当然ですよね。
高口としては、練馬第三小学校の子どもたち、校舎や校庭(プールは角度的にどうか?)も丸見え、というのも、気にかかるのですが……。
②屋上利用→中村橋区民センターではNG
現在、改修目前の中村橋区民センターは、
「近隣の理解」が必要だから、
という理由で、
屋上には登らせない仕様です。
当然ですよね。
あっちの建物は「近隣理解」のためにNGで、
こっちの建物は「近隣理解」がなくてもOK?
ダブルスタンダードは、よくありませんよ、ね?
【大問題4】区民利用のスペースの広さを、さらりと減らす!
①多目的室300㎡→200㎡に後退
基本構想では「300㎡」にする……
と明記していた多目的室。
それが、廃止するサンライフ練馬のかわりになる、と繰り返し説明してきました。
サンライフ存続の声も強いなかで、「多目的室300㎡=今より広くなる」が、区の説明、サンライフ廃止に対抗するアピールポイントだったんです。
それなのに……
フタを開けたら「200㎡」に後退!!!
さらに、地下に移す!
だったらサンライフ練馬を残すべきでは……
しかも、答弁では、
「倉庫を入れたら268㎡」
「機能も向上」
等と、問題ないとする趣旨。
え、倉庫で活動できるんですか?させるんですか???
「大幅に下がっている、というのは感覚なので、私の感覚と違うだけ」
とまで答弁しました……。
厳密には、今のサンライフ練馬の研修室は、「102+102=204㎡」なので、多目的室が200㎡なら、減っているのでは?
300㎡という基本構想の約束は、何だったのでしょうか……?
※地下の問題も……
プロポーザルでは、多目的室は、長めのいい最上階に配置されていました。
多目的室が減った原因は、地下に移したため。
地下は、今の美術館の収蔵庫がある地下をそのまま利用。新たに掘るとコストがかかるため、地下を広げることをしません。
多目的室を地下に移す=面積を確保できなかった、ということです。
②サポーター室、創作室も減少
- サポーター室
- 基本構想 70 ㎡→半分以下の30㎡
- 区民のための創作室
- 150 ㎡→ 110 ㎡
区民が活動する部屋、スペース程重要なものはないのでは……?
【大問題5】駐輪場や脱炭素など
①駐輪場も今と同程度の台数
今でも駐輪スペースが足りないのに…!!!
たくさん人を呼ぶ前提でつくるなら、なぜ駐輪場を増やさないのでしょうか???
93億円もかけて、駐輪場も増えないなんて、驚きです……。
②ZEBと思いきや、実はチガウ
めざしているのは「ZEB Ready」。
補助金をとると言っていますが、上限5億円。
とても93億円以上をまかなえる金額ではありません。
「ZEB(=ゼロエネルギービルディング)」と付いてはいますが、実は、ZEBの中では「下から2番目に低いレベル」でしかありません。
屋上を使う設計なので、たくさん太陽光パネルを置けない=創エネできないからです。
まだまだ使える建物を壊す環境負荷、CO2排出も問題。
吹き抜けも大きくて、冷暖房効率も心配ですし……
最先端の建物と思いきや、重要な目標が低すぎます……
他委員の質疑より、重要情報(2/19委員会より)
Q:89.8億円の内訳
- 建設:40.8億(およそ、以下同)
- 電気:6.6億
- 機械:11.4億
- 昇降機:2.6億
- 展示:3.1億
- 解体:3.7億
- プラス消費税等
Q:増額の主な要因
- 建設費増額、週二日制度への対応:約6億円
- エレベーターを大型のストレッチャー車いす対応可能な24人乗りに(15人乗りから変更)、1-3Fのエスカレーターを設置:約2.3億円
※バリアフリー対応が増額の主な要因のように印象づけたいのか、真っ先にそれを説明するのですが、大きな要因は、建設費の高騰です! なおのこと、今やるべきなの?という疑問が大きくなります!
Q:増額を見越せなかったのか?
- 当初、同規模の類似美術館→エスカレーターなし
- 重身対応エレベーターもなし→通常エレベーター2基を想定していた
※当初はエスカレーターも、大きなエレベーターもつける予定がなくて、よく「バリアフリーのための改築」と言えたものですね
Q:開設後のランニングコストは?
- ※答えず「今後きちんと検討」
Q:なぜ多目的室を地下にしたのか
- ワークショップ内で、「落ち着いた場所」「音に配慮」という声があり、地下にした
Q:スロープの角度は?
- 福祉のまちづくり条例にのっとった角度
- 基本内側1/12、外側1/20
Q:その他変更点
- 主要動線を1.8メートルに拡張
- 車いすがすれ違える「最低限の幅」を適用
- 「みどりが見える休憩室がほしい」の声
- 美術館専用の休憩室を設置
- 美術館を出て外でリラックスできる
Q:延床面積
- 8577㎡
Q:収蔵庫、収蔵スペース
- 収蔵スペース:580㎡見込み
- 地下→水、上→日光が心配
- しっかりしたところ→1Fに
- 現在→収蔵まだ余裕あり
- 収蔵計画きちんと、適切に努める
Q:まちなみ整備
- 区から西武鉄道に話している
- 駅舎で何ができるか、駅周辺で何ができるか
- 具体的には→色合い、オブジェ、西武の判断があると聞いている
- 構想の方向性がまとまり次第、西武と協議→決めていきたい
- 駅ルートの想定は3通り
- 最短ルート:改札を降りてすぐ北側
- 南口広場→高架下を通る
- 中杉通りを少し進んで折れる道
Q:緑地
- 「座れるベンチほしい」WSで意見→計画したい
- 芝生「土埃が多い」「人工芝でいい」
→左・南側:人工芝設置(※1)、右・北側:天然芝 - 工事期間→代替は設けない、周辺公園の利用を促す
- 一部資材置き場に
- 「なるべく利用できない期間短くなるよう検討」(※2)
※1:人工芝には、夏めちゃ熱くなる問題(プラスチックですから)、マイクロプラスチックになる問題があります…
※2:なるべく短くと言っても、限界がありますからね。工事期間が1年のびたので、利用できない期間も伸びると思って間違いないでしょう……できないことを、期待させるような答弁はよくないと思いますが……
今後の問題点まとめ
①予算未定の「まちなみ整備」で、さらに膨れ上がる経費!
今後、練馬区立美術館改築だけでなく、中村橋駅周辺全体で「まちなみ整備」を行おうとしています。
【参考】中村橋駅周辺地区のまちづくり(練馬区HP)
- 「美術のまち部会」(公募委員ゼロ)の意見をもとに
- 2024年度「美術のまち構想」を策定
- 監修は、美術館設計と同じ平田晃久氏
…という内容。
ちなみに、まちなみ部会は「年齢構成高め」と、区も認めています。
公募委員もゼロ。
何より……予算は、未定。おそろしいですね。
ここまで含めたら、練馬区立美術館93億円が、実は93億円ではとても済まない。
もっともっと膨れ上がることが、わかります。
②やはり大きい、バリアフリー問題
練馬区立美術館の改築問題で、私がやっぱり納得できないこと。
①改築でないとバリアフリーにできないから改築にするんだと主張
↓
②そもそも当初から、大型エレベーターもエスカレーターも予定せず
↓
③「富士塚」というコンセプトに決定
↓
④富士塚=地上から頂上まで登るもの
↓
⑤頂上までは階段でしか登れない
↓
⑥車いす等の方は、エレベーターで屋上に行けるから問題なしと説明
……バリアフリーが理由の改築だと言うなら、スロープを使って屋上まで登れるデザインにすべきです。それが”最低限”です。
エレベーターで登れるからよい、ではない。
「富士塚」がコンセプトなんですから。
それができないなら、富士塚というコンセプト自体に無理がある。
エレベーターでいいでしょ、というのは、富士塚というコンセプトを車いすでは楽しめませんよ、という宣言ですから。
エレベーターをつけたらバリアフリー、ではない。
建物もアートだというなら、そこもバリアフリーでなければ。
バリアフリーを”口実”にした改築
私も夫が亡くなる4ヶ月くらい、夫の車いすを押していましたけど。
いずれ私も車いすを使う可能性ありますけど。
93億円以上かける理由を「バリアフリー」だと言われ、その上で階段前提のコンセプトの建物にされたら、涙が出ますよ。
しかも、階段を使って、イベントをする提案も、プロポーザルからある。
車いすの方はどう参加するんだろう?と、見た時から思っていました。
「エレベーターをつけたらバリアフリー」という狭い考えではなく、「誰もが楽しめる」インクルーシブなデザインにすべき。
それができないのだから、
「バリアフリーが理由」という改築の理由には大きな矛盾がある、
バリアフリーを「口実」にした改築だ、と言わざるを得ません。
こういう状況だから、「各階にエレベーターが止まる」という、あたりまえすぎることを、バリアフリーだといって、答弁しなきゃいけなくなるわけですよね。
これで、これで、93億円。
皆さん、93億円、
これにかけるべきだと思いますか?
このまま実施設計に進むそうですが……(苦)
③美術館改築の犠牲になる、美術の森緑地
まず、税金の無駄無駄無駄!
美術の森緑地は、10年前に1.4億円で整備したばかり。
区内には古いままの公園も多々あるなかで、まだまだ新しい公園。
それを、わずか10年で、1.5億円かけて整備し直す。
改修費用も、通常の2倍以上。
これを無駄と言わずして、何でしょうか……?
美術館ありきの改修
何を整備するかというと、練馬区立美術館の改築に合わせるためです。
正直「え、そのためにそんなにお金をかけるんですか?」と思う内容ですが、
「まちと一体に」という美術館のコンセプトを具現化するために、
あえて、中杉通りを通る、遠い道のほうをメインの入り口にしようとしています。
私はこれ自体が、厳しいと見ています。
だって、ひとの心理として、普通は、近道を選びます。
それを迂回させる、遠回りをさせようというのは、とても困難です。
「まちと一体」というコンセプト実現のために、犠牲になったのが美術の森緑地。
メインの入り口を変える=美術館への動線を変えるためだけに、美術の森緑地の小高くなっている部分をならしたり、大木を移設したりする予定です。
ああいう小高い部分が、子どもにとってはとても楽しい遊びなのに……(涙)。
オープンスペースが減ってしまう
さらに、緑地の半分に木を集めて、オープンスペースを減らすのだそう。
メインの入り口にかかる木を、移設するからです。
美術館の屋根のほうも、緑地の延長で使えるからいいと、説明していますが……
保護者や保育士さんにしてみれば、どこまでも園児が登って行けてしまって、目が届かなくなるのは、とてもこわいですよね。
それに、階段でケガをしたら?
芝生や土で転ぶのと、階段で転ぶのとでは、全然違います……。
必要とされているのは、オープンスペースでは……。
(ただでさえ、そんなに広くないのに……)
結局、美術館のために、美術の森緑地が犠牲にされるのです。
保育園のお散歩や、地域のお子様連れで、毎日にぎわう公園。
閉鎖期間なく使い続けることを望む方も多いはず。
美術館改築がなければ、美術の森緑地も、そのまま使い続けられます。
どちらが、区民のためになるでしょうか。
高口質疑(2/19区民生活委員会)
ちょっと長いのですが、委員会での高口の質疑部分を文字起こししました。
「多目的室がなぜ減ったのか?」というなんでもない質問にも、まともに答えて頂けないなかで、質疑をしていることがわかっていただけるかなと思います……
↓以下、質疑です↓
①駐輪場→台数は同程度って……
<Q:高口>
駐輪場が何台増えるのかを教えてください。
<A:美術館再整備課長>
駐輪場につきましては、現在と同程度の台数と考えてございます。
<高口>
来館者数も増える予定でいると思うんですけど、今でもかなり入れなくて、置けないんですよね。駅前で置ききれない。
駐輪場が増えないってことに、ちょっと驚きです。
②多目的室減る問題~なぜ素直に答えてくれないの(涙)
多目的室なんですけど、当初300㎡の予定だったと思います。
構想の中でも300㎡と示していて、これまで私の記憶でも、300㎡という風に説明してきたかと思うんですけど、今回の説明では200㎡に縮小しているんですけど、
その理由を教えてください。
<A:美術館再整備担当課長>
多目的室のお部屋でございます。
こちらはですね、最初の計画のところで、300㎡ということでございます。
現在の計画ですと、倉庫等を含めまして、268㎡、ちょっと超え、
位の所でございます。
<Q:高口>
別に、倉庫を区民の方が利用するわけじゃないので。
300㎡程度と書いてあるんですけど、
それが倉庫を入れて260㎡だったとしても、
少なくとも40㎡位、小さな一部屋分くらいは減っているんですけど。
さっき課長がおっしゃったように、
サンライフ練馬では人気で利用者が高くて、希望も多かった、
その施設を縮小した理由を教えて下さい。
<A:美術館再整備担当課長>
現在のサンライフの研修室の広さですけども、102……ちょっとよく覚えてないんですが……
<A:経済課長>
現在のサンライフの研修室ですけれども、それぞれが102㎡となっています。
<A:美術館再整備担当課長>
現在の今、基本設計の段階では、268㎡でございまして、
再整備基本構想の中で、多目的室300㎡と言ってございますが、
これは倉庫なども設置ということで、含んだ数字でございます。
決して今のサンライフから下がっていることはなく、
むしろ増えて機能も向上していると考えてございます。
<Q:高口>
構想では倉庫も含んで300と言っているところを、今、倉庫も含んで260㎡で
具体的に使えるところは200㎡だと答弁がありました。
この構想を見ると、これ普通の人が普通に読んだら、多目的室は300㎡使えるんだなと思うと思うんですけど、
体感としては100㎡減ったし、倉庫含んでもこの構想より減っている。
多目的室をなぜ縮小したのかということを聞いているんですけど。
<委員長>
今、課長の答弁の中では、現状はサンライフだと、正確に言うと204、から、
増えているから充実していますよ、ということと、
あと、高口さんは、そこじゃなくて構想だけみると減ってるということになっていて、
ちょっと嚙み合ってないんで、すこし質問を整理していただけますか。
<Q:高口>
サンライフの人たちは、(基本構想で)300㎡と示されて、
「サンライフ練馬の研修室は増えるのか」と、思っていたと思います。
↓『練馬区立美術館再整備基本構想』の多目的室の部分↓
それが300㎡じゃなくて、使える部屋は実際には200㎡だったというのは、
使う側からしたら、構想で示された300㎡というのと違うじゃないかと
思うと思うんですが、その点伺います。
<A:美術館再整備担当課長>
計画では当初倉庫なども含めたお部屋ということで、300㎡としてございました。
270ぐらい、1割少々ですね、減ってはございますが、
先程別の委員にもご答弁申し上げましたけれども、
機能を向上させて、使い勝手の良いものとしていきたいと思ってございます。
<Q:高口>
ご存じだと思いますが、サンライフ練馬は、残してほしいと、
今が使い勝手が良いのだから残してほしい、と言われている中で、
希望、要望がとても大きい中で
部屋数の平米は、構想の300㎡と示してきたよりも、
大幅に下がってしまったということが、
果たしてサンライフ練馬をなくしてほしくないと言っている方々が
納得できるのかな、というのは疑問に思います。
③バリアフリーと富士塚問題
<Q:高口>
次の次の質問なんですけど、
12月に終わる予定だとずっと言ってきた基本設計が、
ちょっと伸びて、2月のタイミングになったのは、
先程来から答弁があった通り、
エスカレーター下りなし、上りのみの設置と、
障害者の方々でも乗れる、大型エレベーターを設置して、
まあこれは練馬区が追加で要求したんだと思うんですけど、
変更が生じたためだと思います。
そもそも、バリアフリーというのを、
これまで改築の大きな理由に掲げていたと思います。
なので、そもそも最初から、
大型のエレベーターなりエスカレーターを
練馬区が最初から発注していなかった、
想定していなかったということ自体が、
私には本当にバリアフリーやユニバーサルデザインを
重視しているんですかという風に疑問に思われるんですが
いかがですか。
<A:美術館再整備担当課長>
まず初めに、先ほど委員から、多目的室、
大幅に下がっているというご発言がございました。
大幅に下がっている、というのは感覚なので、
私の感覚と違うだけなのかな、と思うんですが、
大幅とはちょっと言い難いんじゃないかな、というのが私の感想でございます。
続いてバリアフリーについてでございます。
先程の委員のご答弁でも申し上げましたけれども、
もともとバリアフリー対応のエレベーターを2基設置を予定してございました。
15人入れる大きなエレベーターです。
他の同規模の美術館等見ましても、
十分な広さと十分なバリアフリーを計画していたものでございます。
そこに更に加えて、重身の方も乗れるような、
ストレッチャーが入るようなエレベーターに変更した、
ということでございます。
ご理解いただければと思います。
<Q:高口>
同規模で言うと、区内だと世田谷区美術館だと思うんですけど、
こちらはそんなに高い建物じゃなくて、多分2階建てくらいだったと
私の記憶では思っています。
4~5階まで作ろうっていう建物で、
エスカレーターを最初から見越さないとかですね、本当に、
「ユニバーサル」「バリアフリー」っていうことが、
どこまで最初に掲げた改築の理由と
合致しているんだろうかというのは思うんですけど。
例えば、この建物、「富士塚」という風に言ってきて、
江古田民からしたら、
江古田とか北町で富士塚って言うならわかるけど、
中村橋に富士塚はないし、
逆に都内にはいくつも富士塚があって、
練馬より多い所もたくさんあるし、
練馬だけの歴史じゃないのに富士塚というのも疑問なんですけど。
でも、富士塚は中村橋の歴史じゃないけど、
心身障害者福祉センターは、
昭和54年、1979年、私が生まれる前から古い歴史があると。
だからこの中村橋には重度心身障害者の方々の、
今も通所施設があって、
障害者の方がたくさんいるっていうのが、
この土地の特徴ですよね。
それでなんで、
重身の方々が乗れる大型のエレベーターを
最初から発注しなかったんだろう。
最初から発注すべきじゃないですか?
中村橋の特徴なんですから。
それなのに、
重身の方が乗れないエレベーターを最初は発注して、
この施設は最初からバリアフリーの予定なんですよって言われても、
それは通じないと思うんですけど、いかがですか?
<A:美術館再整備担当課長>
最初に富士塚の件でございますけれど、
中村橋の話ではなくて、練馬区の美術館だと思っています。
この美術館は、プロポーザル方式によりまして、
設計事業者の募集と選定を行って国内外で活躍する建築家の、
平田晃久さんを設計者として、
現代の富士塚をイメージした、
個性的なデザインの建築物の設計を進めている所で、
ちょっとそこは違うのかな、と思います。
次に、エレベーターの件でございます。
当初から、15人乗りのエレベーターを設置を予定してございまして、
こちらはいわゆる重身の方も乗れる、エレベーターではありますけれども、
より、ストレッチャー型、と言うんでしょうか、そう言った物も
乗れるということで、設置をしたものでございます。
<Q:高口>
重身の方々の話で言うと、
練馬の歴史ですね、2か所しか無いですけど、
都内には20か所以上、富士塚持っている区があると、
私の調べでは出てきました。
【参考】
→少し調べただけでも、富士塚は練馬区だけの歴史では全くないし、
むしろ練馬区内の富士塚は多いほうではない、というのがわかります……
障害者へのバリアフリーの配慮をどう考えるか、という点で、
この富士塚、メインの入り口から階段になってますけど、
上まで上ると何メートル上る想定なのか、
それと合わせて、
階段を使わないと上まで行けないのかどうか教えてください。
スロープだけで行けるのかどうか。
<A:美術館再整備担当課長>
富士塚は練馬区内には5つございます。
1つは民間の方で、公開はしてませんが、
残り4つはご覧なられるかと思います。
次に、高さでございます。
こちらは高さ制限がございました。20メートルの高さでございます。
階段が何段か、までは申し上げません。
本日はお答えし兼ねますので、
設計者に確認して、後日お知らせできればと思います。
次に、屋上への通路でございます。
こちらはですね、階段ではなくて、スロープで行かれるような形になってございます。
最上階までエレベーターで行きまして、そこから
スロープで上るものでございます。
<委員長>
エレベーターとスロープで行けるってことですね。
<Q:高口>
富士塚、失礼しました、
5か所あったんですね。申し訳ないです。
富士塚っていうのは、
上まで登ったら富士山に登ったのと同じようなご利益があるという
コンセプトじゃないですか、
なので、重身の、あるいは車椅子を使わないといけない方々は、
この美術館の富士塚というコンセプトを、
他の階段が使える方と同じようには楽しめないってことですよね?
エレベーター使わないといけないんですよね?
<A:美術館再整備担当課長>
同じ答弁になりますけれども、
こちらはですね、
現代の富士塚をイメージした、
個性的なデザインの建築物と、設計物と考えております。
一番上に、屋上に行く方法につきましては、
皆さんと同じように、
エレベーターで最上階まで行って、そこから皆さんと一緒に
スロープを使って屋上まで行くので、
富士塚と同じ体験ができる、同じ沿路で行けるという事でございます。
<Q:高口>
私は下から階段を上って上まで行くんだと、
富士塚と聞いたから思い込んでたんですけど、
そもそも一番下の、1階から上まで、階段だけで行くことはできない?できる?
<A:美術館再整備担当課長>
今委員のおっしゃった、
階段で、階段だけを使って屋上に行くこともできますが、
どのゾーンにも、車椅子の方が到達できるということで、どのフロアーにも
エレベーターで行くことができます。
屋上階には、そこから先はスロープを使って行くことができます。
<A:高口>
スロープは、屋上階からエレベーターを上がってそこにしかない、
という風に受け止めたんですけど。
私車椅子利用者だったらですよ、
なんでそんな風な設計したんだろうって、すごい悲しいですよ。
ここは障害者のセンターがあるところ、
古い歴史があって、障害者の方々が集う場所なのに、
なんで、階段でしか上れないコンセプトの建物を造ったんだろうって
すごく思います。
このコンセプトと、階段ありきでしか下から登れないっていう時点で。
富士塚というコンセプトじゃなかったらいいですよ。
でも富士塚っていうコンセプトにしたんだから、
のぼれるのが前提なのに、
車椅子の人はそれができないという時点で、
とても配慮に欠けた設計だなと思います。
④カフェ1.5階問題
そしてもうひとつ聞きたいのは、
プロポーザルの方(※別の提案者)では、美術の森(緑地)から、フラットにして、
天井を緑地の延長のように、フラットにスロープのみたいな感じで、
階段じゃなくて登れるような案もありました。
その上で、親子連れへの配慮なんですけど、
カフェがすごく微妙な高さにあって、1.5階なんですけど、
これ、何メートルなんですかね、1階から。
あともう一つは、
美術の森緑地から、エレベーターじゃなくて、美術の森緑地から
スロープで上がれるかを確認したいです。
<A:美術館再整備担当課長>
1.5階にはエレベーターで行くことができます。
直接スロープではなくて、エレベーターで降りてそこからスロープ、という形になります。
1階と2階の間の階高の高さは、確か4メートルだったと思います。
その間ということで、ございます。
<Q:高口>
後で、わかったら教えてください。
私もかつて、ベビーカーを使ってました。
私だったらですね、そのままカフェに入りたいです。
ちっちゃい子どもを連れてるお母さんが望んでることは、
ゆっくりカフェでコーヒーを飲むっていう、
ほんとにただそれだけのことが贅沢なんですよ。
でもこれって、わざわざエレベーターに上らないといけないって、
なんで、その、フラットに(しないのか)、
最低でもスロープでそのままベビーカーで上がれる、
あるいは、1階にカフェを作ってくれたらテラス席で、ベビーカーを置いて、
子どもが美術の森緑地で遊ぶとこ見ながら、カフェで楽しめるじゃないですか。
なんで、この1.5階っていうすごい微妙な高さにカフェを置いたんですか?
<委員長>
高口議員ごめんなさい、
なんでそんなエレベーターを悪者にしているのか、
ちょっと多分、あんまりみんなピンと来てないと思うんですけど、
エレベーター、こうやってベビーカー押しながら、
僕も子ども育ててますけど、
エスカレーターだけだったらね、ちょっと厳しいかなと思うんですけど、
エレベーターあれば、こう、押して上がれて、
そんなにバリアがあるとはそんなに感じないんじゃないかと思うんですけど、
どうぞどうぞ。
<Q:高口>
繰り返しになりますけど、
1階のフラットなところに
そのままカフェとテラス席を作ってくれたら、
そのままベビーカーで入って、
テラス席にベビーカーを置いて、
外でコーヒーを飲みながら、
美術の森緑地で子どもが遊んでいるところを眺めることが
できたと思うんですけど、
それを、わざわざ1.5階にしたらそれができない、というか。
エレベーターがあればいいじゃないかと言われるけど、
それだって、親子連れにとっては手間だと思うんですけど。
美術の森緑地からわざわざ子ども連れてきてですね。
フラットにした方が、親子連れにとっていいんじゃないですか、
ということです。
<A:美術館再整備担当課長>
私もかつては、ベビーカーを押して、カフェに行きたいと羨望しておりました。
ので、半分わかるんですけれども、
ただ1.5階はですね、眺望もとてもイい場所にございまして、
そういったことでも、こちらの方の設定にしております。
併せて、すみません、説明が足りませんでした。
4ページに、上の方の1階の平面図がございます。
下の方にカフェ厨房と見えるでしょうか。
こちらはですね、ここで、テイクアウトをしてですね、
ここで緑地でお茶を楽しむことができるようなしつらえのため、
すこし飛び出ている、ものでございますので、
是非こちらで楽しんでいただければと思います。
<Q:高口>
(1Fでは)テイクアウトしかできないということで、わかりました。
⑤収蔵庫が1Fを占拠
じゃあ、1.5階にカフェは持って行って、
いちばん利用しやすい1階には収蔵庫が、
言い方悪いですが、占拠している状態だと思います。
先ほど、部長等の答弁で、1階にした理由は伺いました。
今、民間に外部で借りてるという、
それは今回収蔵庫大きくしたので、移してくるんですかね?
それとも外部で借りてるものはそのままで、
収蔵庫は年間いくらかかってて、何年借りているんですか?
<A:美術館再整備担当課長>
当然に新しい美術館ができましたら、外部の倉庫は閉じるといいますか、
借りるのをやめて、全部新しい美術館の収蔵庫に収蔵する予定でございます。
いつ頃からすみません、外部を借りたのか、
手元にございませんが、また後ほど個別にお話しできればと思います。
<委員長>
契約金額等も含めて、対応っていうことでよろしいですよね?
<A:美術館再整備担当課長>
これもちょっと詳細が無いんですが、年間500万円程度だったかと思います。
100㎡弱の倉庫を借りてございます。
<Q:高口>
収蔵庫を1階に置いて広くしたので、
外部のお金は掛からなくなった、ということだと思います。
⑥物価等で今後建設費が上がる可能性→「予想は困難」…予想もできないのか……問題
<Q:高口>
お金の話で、改築費用が大きく増額した。
解体費だけで3.7憶なので、改修すれば、それが必要なかったのになあと思うわけですけれど。
緑地入れて91.3億と。
区民が困窮する中で、果たしてこの91.3億を理解いただけるのかなあと思うんですけど。
こちら概算ですから、今後も、物価高とか建設費の高騰とか、
あるいは労務単価の変化などで、今後も上がる可能性はありますか?
<A:美術館再整備担当課長>
今後の建設費の上昇につきましては、
建設需要や労務費、建設資材価格の動向による影響が大きいと、
当然考えています。
このため現段階では、どのくらい変動するか、予想は困難だと思っています。
<Q:高口>
今の建物、東日本大震災でもびくともしなかったと聞いておりますので、
大事なことは丈夫さ、
そして長く持つこととか、使いやすいバリアフリーであって、
特殊な設計ではなく、普通でいいんじゃないかなあと思うんですけど。
⑦ZEB問題
もう少しだけ聞かせていただきたいんですけど。
「ZEB Ready」にするということなんですけど、
「ZEB Ready」というのは
あくまでZEBじゃなくて、下位レベルと言うんですかね、
本当の意味のZEBではないので、ZEB “Ready”っていう、
“準備”みたいな”レディー“って言葉がついているんですけど。
それを2050年、当然持たせる想定の建物で、ZEB Readyだと、
2050年でCO2ゼロは達成できないんじゃないかと思うんですけど、
いかがですか?
<A:美術館再整備担当課長>
今回ですね、ゼブレディーを目指すということで、
先程申し上げました設備等を入れていく予定でございます。
区のですね、環境基本計画の中でですね、
新しく建てる場合には、新築改築する場合には、
建物の用途や特性等を踏まえまして、
原則として一次エネルギーの消費量を30~50%削減することを目指すということで、
美術館についても同様の目標としているところでございます。
<Q:高口>
30%~50%……。
2050年、先進的な美術館になるはずが、
CO2削減っていう意味では、
そんなに意欲的な目標じゃないなと思いまして。
⑧屋上問題
最後に聞きたいんですけど、
中村橋区民センターの大規模改修では、
屋上を利用者が使えるようにはしないという風にしています。
なぜかというと、近隣の理解が必要だから、
上がれない仕様にしたという話があるんですけど。
それでは、今回、屋上に上がったり、屋上じゃないところも、
たくさんの人が集う設計になっていて、
近隣の理解は取れているのか、これから取るのか?
私が聞いた限り、近隣で反対の声、聞いていますけど。
住宅街ですから、当然上から見られたくないとか、
人がたくさん来て、騒音って問題があると思いますけど。
近隣の理解、っていうのは取れているんでしょうか。
<A:美術館再整備担当課長>
今回基本設計をする中で、調査等々で、近隣の家を回らせていただいております。
非常に楽しみにしていると、近くのお宅の方などからは、
大変楽しみにしているというお声もいただいております。
一方で、プライバシーが気になるというお声も、
聞いているのも、私も認識してございます。
美術の森緑地の北側に高木を配置いたしまして、
視線を出来るだけ遮る、とかですね、
地上から屋上に上る外部階段の多くが、
東側から西へ向かって上っていますし、
4階から屋上のスロープは、南北、という向きになっています。
住宅地側にですね、利用者の視線が出来るだけ向かないように誘導するなど、
プライバシーの配慮についても、対策を検討していきたいと考えてございます。
参考
- 予算審議の内容も、あわせてご覧頂くと、理解が深まるかと…
- 【練馬区議会】予算特別委員会(2024年度・令和6年度)&一般質問→重要情報まとめ!→【2月26日:区民費・地域文化費等】
- 設計については、↓こちらで設計者・平田晃久氏が、いくつか考えを表明されています