①『第3次みどりの風吹くまちビジョン』『公共施設等総合管理計画』のパブコメ結果が判明…練馬区立美術館改築はやはり反対意見ばかり!②定額減税の効果【2024/3/12区民生活委員会】

2024年3月12日、区民生活委員会のレポートです。

【1】第3次みどりの風吹くまちビジョン&公共施設等総合管理計画→パブコメ結果

2023年12月にパブコメを受け付けた

『第3次ビジョン』
『公共施設等総合管理計画〔実施計画〕(令和6年度から令和10年度)・〔追補版〕』

→(素案)から(案)になったものが、議会で報告されました(その後3月末に、策定)。

届いたパブコメと、それに対する区の見解の一覧は、こちら↓です(練馬区HP)。

反映が少なすぎる問題

毎度の指摘で嫌になるのですが……せっかくのパブコメにも関わらず、反映が少なすぎます。

 

  • 第3次ビジョン
    • 538件中→反映18(5)件=3%
    • 子ども52件中→反映5件=9%
  • 公共施設等総合管理計画
    • 307件中→反映9件=2%
    • 子ども29件中→反映0件=0%

特に「子どもの意見反映0件」は……問題ですね……

素案の段階で固まりすぎているので、「素案の素案」、素案を決めるための区民ワークショップなどが必要だと思います!

パブコメ注目は、練馬区立美術館建て替えへの意見

★反対ばかり、賛成はゼロ

区民生活委員会での注目は、やはり、練馬区立美術館の建替え問題。

案の定、反対意見がずらり……
明確な賛成意見はゼロ、という結果に。

↓『ビジョン』

 

ご覧の通り、美術館に関する意見12件のうち
明確な反対意見が10件、
その他疑問や質問が2件。

一方、明確に賛成・賛同する意見はゼロ件。

↓『公共施設等総合管理計画』でも同様

26-29ページに美術館改築への意見がまとまっています。
そこを見ると……

 

以上、美術館に関する意見12件のうち
明確な反対意見が8件。

その他も、「各階の外ベランダから、近隣宅内が見えてしまい、プライバシー侵害」といった疑問や、質問で4件。

賛成・賛同意見は見当たりません。

他ページにて、サンライフ練馬や中村橋全体のまちづくりでも美術館の問題が出てきますが、そこでも大半が美術館にも反対の意見です。

★ずらり並ぶ反対意見

①はっきりと「反対」
「明確に反対」
「計画を根本から見直し、再検討されることを強く要求」

②予算への批判
「多額の予算が必要な美術館の再整備等を見直してほしい」
「税金の無駄使い」

③優先度の問題
「優先度が高いのか疑問」
「もっと人に予算を割くべきである。特に、保育園など、子どもたちに手厚くしてほしい」
「財政難というが、改築のお金で築50年以上の学校の建て直しをすべきで、他にも用途はあるはず」

④文化、アートの視点から
「アートは豪華な建物ではなくても感じられる。81億円以上をかけなくても文化芸術は豊かになる」

⑤環境負荷になる
「SDGs達成を目指すと標榜しているのだから、不要不急の環境負荷の大きい大規模開発は避けるべき」

⑥デザイン、設計への疑問
「富士塚をイメージしてると言われても、別に練馬区らしくもない」
「後世に遺恨を残さぬようデザインの再考を求める」

⑦強引な進め方
「住民の合意ができていない」

等……様々な観点から、反対意見がずらり。

これが、民意です。

パブコメを無視した答弁に、愕然…

以上の結果から、民意、区民の意見、パブコメを尊重すべき!
と質疑したところ……

練馬区の答弁は、(いつもどおり)ひどいものでした……。

たとえば、”今回のパブコメ”について聞いているのに、
「美術館基本構想の時は賛成があった」
と論点をすり替えたり
(※基本構想では、高額な建築費を明らかにしていない)

明らかな反対意見が大多数にも関わらず、
「”様々な”意見」
と、反対を直視しなかったり。

パブリックコメントという正式な制度で送った区民の意見、民意をこれほどまでに受け止めない、ふみにじるような答弁をして進める美術館改築とは、一体誰の何のためなのでしょうか?


高口VS美術館課長!? 答えになっていない答弁をご覧ください…

<Q:高口>

ご説明ありがとうございました。

分厚い資料なので、今ぱっと見た限りではありますが

※高口注:資料は当日渡し。事前にもらえないのでその場で必死で確認するしかない

やはり、練馬区立美術館改築への意見が多いのかなと思います。
どの位来ているのか、どのような内容か、紹介をお願いします。

<A:美術館再整備担当課長>

ビジョンの案のご意見の数でございます。

参考1、3ページ目に、施策の柱5ということで、
「いきいきと心豊かに暮らせるまち」ということで、件数が記されてございます。
後ろの方数を数えますと、11件かなと思います。

意見ということで、様々、ご意見をいただいているところでございます。

<Q:高口>

今ぱっと見た限り、11件ということでした。
今ぱっと見た限りではありますけど、

  • 白紙にして欲しい、税金の無駄遣い
  • 他の事に税金を使っていただきたい
  • 多額の予算が必要な美術館の再整備等見直すことを切望
  • 全面改築を改修の範囲に収める
  • 豪華な建物でなくても感じられる文化、芸術は81億以上かけなくても豊かになる

といった意見とか

  • 作品への畏敬を捨て去るかのような思想に、あきれ返るデザインの再考を求める
  • 公共施設の整備を住民とともに見直すことを求める
  • 財政難というが改築のお金で築50年以上の学校の建て直しをすべき
  • 練馬区立美術館の改築に反対

……といった意見を見ると、

9件は反対、11件のうちのほとんどは反対だなと思います。

これが区民の、パブコメの意見聴取ですので、
ぜひ尊重していただきたいなと思います。

<高口Q:「誰もが楽しめる施設」と変更した理由は?>

それから、今回、変更点が、美術館について2つありまして、

年齢や、参考2の4ページ目、21.22の項目でいうと、
年齢や障害の有無にかかわらず、誰もが楽しめる施設としていく旨を記載、
とあります。

これ、備考欄の所に意見を反映したかどうかのマークが無いので、
意見を受けての反映じゃないのかなと思うんですけど、

なぜ変更したのか、ということを伺います。

<A:美術館再整備担当課長>

まず、今回ビジョンでいただいたご意見でございます。
今、委員がご披露いただいたものもありました。

一方で、令和4年になりますけれども、美術館再整備基本構想の案を
作成した時にも、同じようにご意見をいただいております。

76件ご意見いただきましたが、その殆どがですね、
再整備を心待ちにしている、といったようなご意見でございました。

それからあとは、部署が変わったというところで、
意見を反映していないのではないかというご意見でした。

これにつきましては、次の項目になりますが、
公共施設総合管理計画の方でご意見をいただいておりまして、
こちらの方でのご意見の反映も含めているところでございます。

更にですね、今回こういった年齢や障害に関わらず、
誰もが使用しやすいようにということで、法令に定められたですね、

基準上回るレベルの設計を途中で変更しまして、こういったですね、主要な通路の幅員確保や
エレベーターの方も車椅子対応、ストレッチャーのような重身対応に変更する、
1階から3階までのエスカレーターの設置といたしました。

そのほか様々ですね、ワークショップ、の方からもですね、
こういったご意見をいただいているところでございます。

<高口Q:「誰もが楽しめる施設」の設計になっていない>

(再整備構想ではなく)今回のビジョンについて伺っております。

バリアフリーというところで、
富士塚が階段でしか上れないとか、そういう建物で、
年齢や障害の有無にかかわらず、誰もが楽しめる施設っていう風に書いて、
本当にその通りになるのかなっていう、
非常に書いていることの建物の設計になっていないんじゃないかな、
という懸念は、意見として申し上げます。

<高口Q:まちなみ整備の概算は?>

それから参考2、4ページ目の22のところで、
美術館、図書館と一体となった中村橋駅周辺街並み整備に取り組む
っていうところが変更点、

美術館に関しては2つ目なんですけど、

まちなみ整備についていくらかけるのかっていう概算も書いた方が、
良いんじゃないかと思うんですが、いくらなのかと含めて、
概算を書いていただきたい、という点について伺います。

<Q:美術館再整備担当課長>

街並みの整備のお話でございます。

今日はちょっとですね、
美術館再整備まちづくり担当課長は、
東部まちづくり課長も兼務しておりますので、
別の委員会に出席してございますので、
私の方から答弁させていただきたいと思います。
わかる範囲で答弁をしたいと思います。

その前にですね、今、委員の方から、
「階段でしか上れない」といったような、
少し誤解を招くご発言があったかと思います。

この建物はですね、バリアフリー対応をきちんとしておりまして、
1階から上の階まですべてエレベーターが、先程申し上げましたように
2基のエレベーターがついてございます。
ちょっと誤解を生むような発言かなと思いました。
そこは、私の認識とは違うかな、と思っております。

次に、まちづくり、でございます。
こちらにつきましては、来年度ですね、美術のまち構想、というものを
策定する予定でございます。

工事全体の経費、ということでございましたけれども、
これにつきましては今後の計画の中で、固まってくるのかな、と
思ってございます。

<高口Q:概算を示して民意を問うべき!>

エレベーターがついているのは当たり前なんですけど、
屋上までは、階段を使わないと上れない、というのは確かですので、
私の認識とは違うな、と思いますが。

まちなみ整備についての経費、そうなると、
美術館改築、今93億円と出ていて、
益々膨れ上がるなあというところで、

パブコメの意見としても、
そんなに多額の税金をここにかけないで、
別の所にかけて欲しいという意見が多くあったので、

ぜひ概算を早く出していただきたいし、
その点を区民に示して、区民の意見を反映して、
計画については見直していただきたいと求めております。

<A:美術館再整備担当課長>

いちばん上の屋上まではですね、
エレベーターを使って、その後、スロープがありまして、
階段を使わずに上に上ることができます。

ご意見の方ですね、まちづくりに関してでございます。

重ねてで申し訳ありませんが、
今日は、美術館再整備まちづくり担当課長、
欠席でございますけれども、

そもそもこちらの計画というのは、
美術館再整備の、基本構想というものが、もとになってございます。

その前にはですね、策定するための検討会を設けまして、
地域の方、とかですね、学識の方、区民の方からのご意見をもとに、
こういった、街と一体となった美術館にしたい、というもので
計画を立てているものでございます。

街の皆様からもですね、駅前も含めまして、
まちづくりに大変期待をしている、という声がいただいているところでございます。


※続いて『公共施設等総合管理計画』についての質疑

<高口Q:反対意見ばかり、賛成ゼロについての見解は?>

このパブコメで反映したところは、先程ご説明いただいた通り、
主に美術館のこと、ということでした。

さっきもビジョンで聞いたんですけど、
練馬区立美術館再整備について、どのくらいの意見が寄せられたのか、
っていうのは、今度は見て、数えました。時間があったので。

参考になるのは26ページから29ページまで、
美術館に関する意見があって、計12件。

明確に整備反対なのが、大多数の8件、
そのほかの4件も、樹木に関してだったり、伐採しないで欲しい、だったり、
外の、ベランダのシェードって呼ばれる部分の
プライバシーの侵害だっていうことだったり、
カフェは美術館じゃなくて街にあればいい、っていう意見とか
重要文化財が本物のアートじゃないよっていうことだったり、
疑問の意見のみで、
明確に再整備に賛成している意見は無いな、と。

先程のビジョンのところにも、
明確に再整備に賛成している意見はありませんでした。
この点についての見解伺います。

<A:美術館再整備担当課長>

今、委員がご披露していただいたように、様々なご意見をいただいております。

一方で、同じ答弁になりますけれども、
美術館再整備基本構想における、
今わたしもちょっと数えたんですが、意見76件のうちですね、
明確に主旨を反映できないというものは6件でございます。

それ以外の方はですね、建設的な意見、大変楽しみにしているというような
ご意見でございました。
更にですね、先程もご披露しましたけれども、まちづくりに関連した
皆様からのつぶやきっていう風に言ってたのかな、確か。
だとおもうんですが、
80件を超えるつぶやき、ご意見をいただいたところです。

こちらにつきましては、
いわゆる美術館の反対という意見は1件もなかった、と
私は認識しております。

様々なご意見があることは認識しておりますので、
今後も丁寧にご説明をしていきたいと考えてございます。

<高口Q:誤解を与える答弁をやめろ!>

さっきも言ったんですけど、『公共施設等総合管理計画』のパブコメについて聞いているんですよ。再整備基本構想の案件じゃないですよね?

その時にどんな意見があったか、っていうことを持って、
『公共施設等総合管理計画』のパブコメは無かったことにする……んですか?
私はそういう風に受け止めました。

で、その再整備構想の話が出たから言いますけど、
その時は、93億円ていう税金がかかることも全く書いてなかったですし、
先程来おっしゃっている「つぶやき」っていうのも、
私もやりましたよ。

あれは中村橋についての良い所を「おすすめ」だよ、みたいにポストしてください、っていう内容だったので、そりゃあ美術館反対だっていうポストなんか、出ようが無いじゃないですか。

そんな空気読めない人間ばっかり、趣旨が読めないわけじゃないですから、

それをもって、美術館に反対する人はいないっていうのは、全く違うなと思います。

あれは、中村橋の街について良い所を投稿してくださいっていう主旨ですよね。そのつぶやきの事をおっしゃって(いて)、私は『公共施設等管理計画』のパブコメについて聞いています。

全く答弁いただけなかったなと思うんです。

<高口Q:美術の森緑地→樹木伐採はどうなるのか?>

まあ、27ページ、102番の(ご意見)がちょっと聞きたかったのですけど、

今の樹木の伐採を懸念していらっしゃって、それは、時代に逆行する、というようなパブコメのご意見です。

区の答えは、可能な限り樹木を保存する、ということですが、
この返答だと、努力はするけれども、
今の緑を減らさないとは言えない、ということなのかなと思うんですが、伺います。

<A:美術館再整備担当課長>

公共施設総合管理計画に対するパブコメですね。

反対意見がいないといったことは私は思ってございませんし、
申し上げたことも無いと思っています。

様々な意見があるということは、認識してございます。
皆様の意見、これからも伺いながら
より良い美術館、図書館にしていくという
所存でございます。

その上で、樹木についてでございます。
こちら土木部の所管にはなりますが、大枠の考え方として
答弁させていただきます。

今回この美術の森緑地につきましても、当然ながら、
原則として、既存の緑を生かす計画でございまして、
可能な限り既存の樹木を残置、残しまして、
必要に応じて移植等を検討しているものでございます。

樹木が減るということではなくて、基本残置、可能な限り移植、
叶わなければそれは新しく植え替え、という風に考えてございます。

サンライフ練馬のパブコメでは、区職員の暴言が掲載……

美術館改築のあおりで廃止されることになるサンライフ練馬についても、パブコメで、「廃止反対」の声が圧倒的多数を占めました。

その中には、

オープンハウスで「サンライフ練馬は区民には贅沢だ」と職員に言われた。

という区民の意見がありました。
事実なら信じられない、大問題です……。

その点の事実関係について質疑されたところ、練馬区は
「職員の発言は確認できていない」
と答弁。

発言の事実を否定しませんでした。

一体何のために、サンライフ練馬は潰されなくてはならないのでしょうか…


パブコメによる民意を軽んじる練馬区の姿勢は、変えねばなりません。
そのために、区長交代は不可欠ということが明らかになったパブリックコメントでした。


【2】定額減税、4万円減税について

いわゆる定額減税、4万円の減税について。

そのうち1万円は住民税の控除のため、練馬区の条例が関わります。

しかし、定例会開催と、国の法改正のタイミングが合わないため、国が決定次第、区も条例改正する(議会を通さない専決処分)見込みです。

高口からは、

Q:区のシステム改修はいくらか?

令和5-6年度で約3000万円

Q:多額をかけ、1年限りはもったいない。来年度もシステムを利用しようと思えばできるのか?

令和6年度分の改修も含んでいる(つまり、できる)

Q:経済効果は?

国の試算で、

  • 実質GDP換算19兆円
  • 年成長率換算1.2%
  • 消費者物価抑制1.0%

…以上を確認。

★1回だけでなく、来年以降も継続を
★消費税減税も含めた減税対策が必要

と、要望&意見を述べました。


参考:

【練馬区立美術館問題】工事費81→93億円に膨れ上がる!バリアフリーと富士塚問題、美術の森緑地も美術館の犠牲に……まちなみ整備でいくらかかるか想像もつかない…って論点ありすぎ~~【2024/2/19練馬区議会・区民生活委員会】