【練馬区・予算】保護者も子どもも蔑ろにした谷原保育園廃園。コロナの感染対策は…他【こども家庭費】
※2022/3/2、練馬区議会・予算特別委員会「こども家庭費」のレポートです
※練馬区の答弁のまとめです
谷原保育園、廃園の問題
※問題の概要はコチラ↓
★土地を買うと決めたのは7月なのに、保護者に知らせたのは11月!
※谷原保育園の隣地(生産緑地)に私立園の誘致をし、谷原保育園は廃園する……というのがこの問題のざっくりした概要です。
生産緑地は、まず練馬区に買取申し出があるのですが、申し出があったのが7月。
しかも、練馬区が「買い取る」と回答したのは……
- 練馬区「7月下旬」
でした。閉園を知らせた11月まで、4か月も保護者に黙っていたのです!
- 練馬区は質疑の間、何度も「これまで区が行ってきた計画手続きにのっとっている」を繰り返したのですが…
- 「アクションプラン」や「公共施設等総合管理計画」といった練馬区の計画に、廃園のことをのせたのは、買い取り手続きをした後のこと。
- つまり、これまで踏んできた手続きもすっ飛ばし、「全部決めてから計画を発表」しているのが、谷原保育園廃園なのです。
- あまりにひどいやり方で、これまで委託に賛成していた方からも、反対の声があがっているそうです。
★陳情は9000筆以上!パブコメも200件以上「反対」
※多くの反対の声をどう受け止めるのか?との声に対し…
- 練馬区「理解が得られるように取り組んでいく」「丁寧に対応」
- 言い方は丁寧ですが、つまり「どんなに反対があっても、廃園はやめないよ」ということ。
- 反対が強ければ見直す、そのためのパブコメや陳情ではないのでしょうか?
- あまりに非民主的なやり方です!
★生産緑地=畑も失われる
※元は生産緑地であり、畑も失われることになります。区に最初に買取申し出がある制度となっているのは、みどりを残すためではないかと思うのですが……
- 練馬区「生産緑地法」の規定
- 「買取申し出があった日から30日内に回答」しないと
- 「自由に手放され、ディベロッパー等に開発」される
- スピード感をもって対応した
- そもそも練馬区は、生産緑地の買取申し出があっても、買わない生産緑地がほとんど。
- 他の生産緑地は、自由に手放して、ディベロッパーが開発するにまかせているのに……
- 谷原保育園隣地の時だけ、「開発されないようにスピーディに買った」等というのは、矛盾していませんか?
- しかも畑、みどりとしては残らない、という問題もあります
★保護者は後回し!!!
※来年度申し込みをした新入園児の保護者は、廃園のことを知らないまま、入園申請をしました。7月には決めていたのだから、保活の時期に、伝えられたのでは、という質疑に対して……
- 練馬区「入園申込後、転園を個別周知→希望園の変更に応じてきた」
- 4月に入園する方は、「計画素案を理解され、希望されて入園される方」
- これは本当にひどい説明です!
- 「”理解”して入園したんだから、文句を言うな」と言わんばかりです。
- どれだけの思いで、保護者が保活をしてきたか……寄り添っていたらこんな発言は出ないと思います。
★こどものことは、もっと後回し!!!
※2023年度から募集停止となり、下の子が入ってこなくなる状況。「こどもへの影響」について、どう考えるのか、と聞かれて……
- 練馬区「子どもへの影響を配慮して計画」
- 「委託でも民営化でもない。谷原保育園の保育を引き継ぐわけでもない」
- 慣れ親しんだ先生と別れなきゃいけなくなったり、転園して環境ががらっと変わったり、残っても、下の子が入ってこず、本来できたはずの保育ができないのに……
- それはすべて、区の都合なのに……
- それでなぜ、「子どもたちを配慮」等と、平然と言えるのでしょうか???
- しかも、「谷原保育園の保育は引き継がない」と明言!
- 委託であれば、最低限、区の保育を引き継ぐ期間や準備もするのに……本当にひどいです……
- 子どものことを本当に第一に考えていたら、とてもこんな計画は考えつかないはずだと私は思います。
★そもそも、谷原保育園は本当に「老朽化」しているの?
※練馬区は、谷原保育園の廃園の理由を「老朽化」としていますが、老朽化なら、改修、改築すればよいだけです。しかし現場からは、「軽微な修理も認めてもらえない」との声もあがっていたそうです。
- 練馬区「築55年」
- 「複数年改修してきた」
※区立保育園の耐震化率(IS値0.6以上震度6強)は100%。現在は「0.75」以上をめざして改築していますが、谷原保育園は……
- 練馬区「IS値0.77」
- 「耐震化だけが老朽化ではない」
- 基準以上の耐震化率があると判明!!
- 一方で、築60年を過ぎても放っておかれている学校もあるのに、なぜ築55年だから「老朽化」と決めつけ、しかもその対策をするより前に、廃園なのでしょうか?
- こどもの安全より、区がやりたいことを優先している、としか思えません!
★セーフティネットとしての区立保育園の役割
※障害児の受け入れは、「区立園97%」「私立園43%」と、歴然の差。廃園すれば、セーフティネットが弱体化するのでは?と聞かれると……
- 練馬区「理解に苦しむ」
- ……えええ?1園なくなれば1園分、セーフティネットは後退しますよね?そう考えるのが普通では?
- 区立園の「97%」が、障害児を受け入れているんですよ??
- セーフティネットとしての役割さえ、認めず、放棄するのでしょうか……
- こういう独善的なやり方で、今後も廃園&民営化が進むかもしれない?と思うと……
- 本当に本当に、練馬区の保育施策の行方が、心から心配です……
保育園のコロナ対策
★現状
- 抗原検査を「積極的に」
- 来年度予算→CO2センサー計上
★感染拡大…人手が足りない!!
※非常に厳しい状況にある保育士さん。中には配置基準も満たせない園もある、との質疑に対し……
- 練馬区「保育園を閉じるべきとの声」もあるが
- 保育園は「社会を動かす、社会を維持する施設」
- 「強い信念」「ブレずに」→開園すべきとの姿勢を貫いてきた
- 「私立園数園から問い合わせがあったが」
- 「厳しい状態が続くことはない」
- 実際には、保育課に相談したのに、「人が足りなくてもいいから開園してくれ」と言われた、という実態もあるそうです。
- そもそも保育園は、社会インフラであるより前に、こどものための施設です!!!
- その視点がまったく出てこないのが、残念です……
★抗原検査キット→知らない・届いていない園もある
※保育課が購入した1万個の抗原検査キット。2千個を活用したとのことですが、そのことを「知らなかった」という声もある、との質疑に対し…
- 練馬区「どこまでが検査範囲か→園と相談し、確定」
- 「先月から定期検査も開始」
- 「開園を貫いていく」
- 東京都が希望する園に毎週抗原検査キットを送る通知をしたものの、「希望したのに届かない」園もある、との指摘もされていました。
★保育料の減免
- 園児がコロナで登園できない→日割り減額
- 陽性、濃厚接触者、臨時休園等の理由
- 「2-3か月後に保育料充当」
保育園関連
★保育士の給与の問題、処遇改善
※東京都が公開する区内私立園の「財務諸表」によれば、8割以上が人件費のなかで、「6割」「3割」という園もある、との質疑に対して……
- 練馬区「8割、3割ほどの差はない」
- 「低いところに人は集まらない」
- 「弾力運用→その中で取り組みをしていると認識」
※高口注:「差はない」と推測で断言しましたが、東京都の財務諸表の実際のデータを、どう考えるのでしょうか?
★待機児童=1次申請で8割内定
- 申込者総数
- 2014年:4091人
- 2020年:6176人
- 2021-2022年:2年連続減少
- 2022年:約5000人台半ば
- 要因:コロナ拡大、育休とりやすくなった、出生数減少→複数の要因では?
- 練馬区「社会状況の変化にあわせて」
- 「今年度の選考→保育指数の一部見直し」
★保育士のわいせつ事件→対策は
- 私立園→戒告、解雇の制度
- コンプライアンス研修
- ハード対応→防犯カメラ、上半分ガラス窓にし死角を作らない…等をしているところも
★園庭
- 区立・私立認可園190園中「139園」が園庭あり
- 小規模、保育ママ→ほぼない
- 公園の利用調整や情報交換は行われていない
★保育士のメンタルヘルス
- 「ねりまな」(練馬区の研修)
- 5月にカリキュラムを実施予定
- まず、園長、副園長対象に
★保育園のICT化
- 今年(2022年)4月1日時点で
- 全体の7割、約230施設で実施見込み
- 直営分、委託分の経費を導入→実施率100%となる見込み
★おむつ→園で準備は?
- 事業者と直接契約→始まったばかりのサービス、いろいろある
- 練馬区「保護者が(おむつを)選べないデメリットも」
- 「他自治体参考に、導入を検討」
★小規模保育園
- 練馬区「区のサービスに大きな役割」
- 「約2万人のうち4.5%、約900人」の利用
- 事業者に聞き取りしている
- 全国的に2025年度が保育園のピークと言われるなか
- 「小規模の支援、重要な課題」
子育てスタート応援券
★民間の子育てひろばでの利用
- 来年度、民間の子育てひろば1か所で試行実施
- 今後「協議」し、「拡大していきたい」
子育て支援アプリ
★アプリから申し込みなども可能に
- 2022年度:関係部下と連携構築→アプリ構築
- 母子手帳アプリと連携
- 年齢、住所、興味・関心をチェック等→必要な方に必要な情報が届く仕組みに
児童相談所
※区立ではなく「都立」の児童相談所を設置する方向で進んでいます
★現在:虐待対応拠点(都区連携)
- 都区合同受理会議
- 2021年7月~2022年2月末までで
- 25回、37件
★都児相はいつできる?
- 2022年度:実施設計
- 2023年度:改修工事
★都児相ができると、どうなる?
- 都立の立川児童相談所と同規模
- 会計年度任用職員含む60-70名体制の見込み
- 児童福祉、虐待対策班、児童心理担当などを設置
- 愛の手帳交付、里親業務、都区ケース会議など
★一時保護
- 親の同意
- あり→区内の児童養護施設(2か所)など
- なし→広域調整、場所秘匿→その後の入所先は「他県が6割」
- 一時保護数→東京都で年々増加
- 東京都全体で、2171名
- うち、退所後の家庭復帰:63.3%
- 親の同意ありなし、どちらが多いのかのデータはありませんが、「同意あり」のほうが多いようです。
- となれば、一時保護所等も練馬区内に必要ではないでしょうか。
- 一方で、今回の計画では、一時保護所を作る計画はありません。
- たとえ作ったとしても、都立では、区の権限は及びません。
- 東京都全体の数字しかないのも、練馬区の子どもの数を、練馬区は教えてもらえないから…です。
- 区立と違い、都立では、一時保護された練馬区の子どもの数もわからないまま……
- 「地域の子どもは地域で守る」ということを考えたとき、本当にこれでいいのか?ということは、考えたほうがいいと思っています。
成人式(成人の日のつどい)
★2023年(2022年度)の開催は
- 光が丘体育館と周辺施設