【練馬区議会・予算】学級閉鎖の対応は?ヤングケアラーへの姿勢が一変!?【教育費】
※2022/3/1、練馬区議会・予算特別委員会「教育費」のレポートです
※練馬区の答弁のまとめです
新型コロナ
★第六波→学級閉鎖の状況は?
- 1月17日~学級閉鎖が起き始め
- 2月初旬がピーク
- 第5波の時のような、ピークからの顕著な落ち込みはない
- 練馬区「激減する状況にない」
- 「総じて、小学校より中学校が若干落ち着いている」
★学級閉鎖→オンライン授業は?
- 練馬区「2020年3月の一斉休業とは異なる」
- 学級閉鎖→新しい学習ではなく、健康観察等を「可能な範囲で行う」
- 課題配布、オンデマンド配信を活用
- 学校によっては双方向授業をオンラインで
★対応にバラつきがあるのでは?
- 練馬区「方法、時間→学校の状況により実態に違いがあることは承知」
- 理由→「小1か中1か、教員・担任が感染したか」などにより
- 「違いが生じていると認識」
★タブレット→通信制限「5GB」の問題
- 昨年9月の第5波→家庭でのWiFi接続が可能に
- 必要な家庭にはモバイルルーターも貸し出し
- 練馬区「デジタル教科書の導入を控え、最適な運用方法を」
- 「通信環境も必要に応じて見直し」
★ICT支援員
※都立高は全校に配置するが、練馬区はどうするのか?と聞かれて……
- 練馬区「4校に1人」→文科省の基準を守っている
- 来年度「継続的に配置」
- 今年度各学校に「推進リーダー」→研修、好事例の共有などを実施
※高口注:と、増やす発言はしませんでした
中学校の入学準備のオカネ…
★学校により差がある
- 標準服:30000-45000円
- 体操服:15000円
- 上履き、体育館履き:1500-3500円
- 合計:46500-64000円
★業者指定→複数で
- チラシを確認し、保護者が購入先を決める
- 練馬区「事業者の努力で適正な価格」
- 「最終的には校長の権限で、適切に判断」
- 「Yシャツ、靴下→通学用品は学校指定にしない」通知を出している
※高口注:制服のあり方は、もっともっと柔軟に変えていくべきだと思います!
ヤングケアラー
★練馬区はこれまでも支援していた???
※高口注:練馬区は、2017年3月に実施した「在宅介護実態調査」にて、主な介護者は「20代で0.2%」「20歳未満はない」との結果から、2019年の議会でも「実態把握の必要はない」としてきました。
→つまり、ヤングケアラーの実態を全く把握していない上に、把握の必要もないとの立場。
まるで、「練馬区にヤングケアラーはいない」かのような発言でした。
しかし……!国がヤングケアラーを位置付けたことで、態度が一変!
なんと、今日の質疑では……
- 練馬区「これまでも支援が必要な子どもを発見し、必要に応じて福祉につないできた」
- そのなかには「ヤングケアラーもいる」
と、突然ヤングケアラーが「いる」と言い始め、しかも、「これまでもきちんと支援してきた!!」という主張までして、私は腰が抜けそうでした(;^^)。
国が動くとこうも態度が変わることに驚きます……
★国の調査→5.7%なのに、練馬区の調査では0.15%しかいない!?
国の調査では、中学生の「5.7%」が、「介護する家族がいる」に「はい」と回答。
一方で、練馬区の調査では、「72人」「0.15%」と低い割合。この乖離は…?
- 練馬区「昨年11月に区が調査」
- 「支援につながったり、学校が把握している実数」が「72人」
- 「現在の区の把握がすべてではない」「これから把握に努める」
- 今年度→教職員に研修、学校支援センター職員に啓発
※高口注:であったら、2017年に指摘された時から、早期に実態把握に努めていたら、もっと助かった子どもたちは、たくさんいたのではないでしょうか……
国が動くより前に、目の前の子どもを直視して、動いてほしい!!!と切に願います。
★来年度→リーフレットを作成
不登校(小中1012人)
★区の調査、回収率は24.1%
- 2か年
- 今年度
- 経験者、保護者に振り返りアンケート
- 2次調査で深堀→アンケート、ヒアリング
- 対象は「長期欠席者」1358名
→いわゆる「不登校」に限らない - 練馬区「学校復帰が不登校対策の基本」
学校の統廃合
★「新しい適正配置」の方針?
※高口注:練馬区は、「小学校は19-24学級」「中学校は12-18学級」を「適正規模」としています。統廃合を含めた「適正配置」を進めようとしていますが、今回の質疑で……
- 練馬区「新しい適正配置の方針」「検討を進める」
……と、統廃合を進めるかもしれない!?とニオわせる発言をしました。
-
ちなみに高口は、この教育委員会の「適正〇〇」が、一番嫌いな言葉の一つです!
-
「適正規模」とか「適正配置」とか……派生形の「適応指導」とか……大っっっ嫌いです。
-
こどもを、大人の都合の枠にはめるな!!
何が「適正」かを、大人の都合で決めるな!!!……と思います。 - 「小規模校だと、多様な物の見方ができない」という答弁もありましたが、本当にそうでしょうか?
-
映画『夢みる小学校』は、小中あわせて200人の規模。練馬区に言わせたら「適正規模」ではありません。でも、あんなにも豊かで、多様で、素敵すぎる教育ができています。
- 教育長まで「生活集団は、規模がないと成り立たない」と言いましたが、いやいやいや……
-
人数や規模で教育をとらえることが、そもそも問題です。そしてあまりに、古いです。もっともっと、いい学校がつくれるのに……。実践例はたくさんあるのに……
- むしろ、「規模がないと成り立たない」ような教育方法にこそ、問題があるのです。
-
“適正”に見直さなくてはいけないのは、子どもではなく、練馬区教育委員会自身のほうだと、私は思っています!(熱くなって、つい長くなりました…)
部活動指導員
★部活動指導員(東京都)
- 中学校3校×1名ずつ=3名配置
- 教員OBを配置
- 練馬区「拡充する考え」
★部活動「外部」指導員
※ややこしいですが、2種類います。
※こちらは引率等、先生の代替はできない部活動指導員です。
- のべ400人超える
特別支援教室の先生が減らされる!
※これまでは、特別支援教室を巡回する先生の配置数が「10対1」
→東京都が来年度から「12対1」にすると表明。波紋を呼んでいる問題です。
★1時間で2人指導→3~4人程度に倍増!
- 現在は、1時間で2人程度の指導
- 12対1の配置となると、計算上、「1時間3-4人」程度の指導にあたることになる
- 教員の「指導力向上」で対応する
※高口注:1人あたり見る生徒が2→4人と倍増するのに、「問題ない」とする練馬区……。明らかに、先生の負担が増え、それは結果、細やかな支援ができなくなり、子どもたちにはねかえってくる問題です。
★2年までの期限は見直し?
※特別支援教室への在籍も「最大2年で終了」としていましたが……
- 練馬区「2年後に改めて審議」
- 「(在籍が)適当となれば~見直す」
- 「2年で終了ありきではない」
都立校入試のスピーキングテスト
参考都立高入試の英語スピーキングテスト 教員らが「導入反対」の記者会見
★詳細はこれから
- 練馬区「概要は都から通知」
- 「年明けに学校に伝えている」
- 「今後の説明会、実施要項など」がくる
- 「詳細が分かり次第、周知」
★採点等、公平性に問題はないのか?
- 採点方法→練馬区「問題ない」
- 「必要な取り組み」
給食
★練馬区の野菜の使用進む
- 各学校と、個別生産者を直接マッチング
- これまで練馬大根やキャベツで実施している一斉給食(区が一括購入)
- それ以外でも実施の予定
★温度差?
- 確実に間違えのないようにしたい栄養士と、「優先事項に差がある」
- 練馬区「改訂中の食育基本計画に位置付け、間を埋めていきたい」
放射線副読本
- 毎年、新1年生に、文科省が直接各学校に配布している
- 練馬区「配布に問題はない」
※高口注:しかし、トリチウムの入った水を飲んだイラストや、「原発がないと電気が足りない」など、明らかに原発推進や汚染水海洋放出容認に偏った内容だと思います……
改築中の上石神井北小学校
- 来年度の運動会→近隣の学校をお借りする
- 工事中の避難拠点→運営マニュアルに反映、仮設校舎で訓練実施
教員の働き方改革
★学校徴収金管理システム
- 年30億円の集金を管理
- 昔は引き落とし金額もいろいろ
- ゆうちょ→1回10円で「安くなった」
★出退勤管理システム
- 以前は印鑑+出勤簿→生体認証で管理に
- 休暇申請、旅費申請も→データ化、一元化
幼稚園
★幼稚園→減少、保育園→増加
- 5年前と比べた子どもの数
- 幼稚園:約8100人、12%減少
- 保育園:約8500人、22%増加
★練馬こども園→充員率が高い
- 練馬こども園:78%
- 練馬こども園でない:63%
★今後の「区立幼稚園」の行方…
- 障害児が3割
- 練馬こども園にする予定だったが、「検討」に変更(後退)
- 練馬区「区立幼稚園の役割。あり方の検討を進める」
※高口注:今後、廃止や民営化等の方針を出してくる可能性もなくはない…?「検討」の行方に注目です。
★幼保無償化の影響は?
※2021年5月時点で
- 区立幼稚園:209名、幼保無償化後の3年で「約21%減少」
- 私立幼稚園:8151名、3年で「約10%減少」
- 預かり保育は増加傾向
- 区立:32%増加
- 私立:22%増加
区立美術館再整備で、貫井図書館はどうなる!?
★突然の「心外です!」
※「練馬区立美術館再整備構想」のなかで、貫井図書館の記述が少ないことを指摘され……
- 美術館の整備だから「当然」
- 練馬区:「印象が薄い」なんて「心外です」!!!
※高口注:と、突如怒りの答弁をしたのですが、質疑をした議員から「印象が薄いなんて言っていないんですけど……」と突っ込まれていました(;^^)。
★貫井図書館の面積は減るの?→答えず
※既存の「8000㎡」の面積はどうなるのか?と聞かれて……
- 今後の設計の中で「具体的に示す」
- 練馬区「利用が多い対面朗読室を増やすなど、必要なスペースは確保」
- 「開架スペースが減ることはない」(といいながらも↓)
- 「スペースだけで比較するのは時代遅れ」
※高口注:スペースだけで比較するな、とわざわざ言ったということは、面積が減ることもありうると言ったようなものではないでしょうか?
★蔵書は減るのか?→こちらも答弁せず…
※「14万3千冊の現在の蔵書数が減るのではないか?」との質疑に対して……
- 練馬区「蔵書が減るという発言をしたことはない」が
- 「開架機能だけを比較しない」でほしい
※高口注:と、曖昧な答弁。そこでさらに、「現在の蔵書は維持するのかどうか?」と明確に質問されると……
- 練馬区「資料の提供は~デジタル化を推進(云々)」
※高口注:と、はっきりとは答えませんでした。否定しないということは、つまり、蔵書が減る可能性がある、ということですよね?(デジタル化するから、蔵書数は減っても問題ないということ?)
図書館
★貸し出し数→23区ナンバーワン!
- 蔵書:197万
- 個人登録:21万人
- 来場者:360万人
- 毎年:300-400万人で推移
- 貸し出し件数:23区第1位(2019年度)
- 受け取り件数:年々増えている
★これからの図書館構想
- 2021年10月にプロジェクトチーム、ワーキンググループで検討
- 今年6月に素案→パブコメ
- 11月に策定