練馬区立美術館・貫井図書館の基本設計事業者が決定!…で、問題発覚!!
※2023/1/23、練馬区議会、総合・災害対策等特別委員会のレポートです。
練馬区立美術館・貫井図書館の基本設計事業者→平田晃久建築設計事務所に決定
平田晃久氏は、太田市美術館・図書館の設計者でもあります。
高口も視察に行き、素敵なデザイン、設計、建物、運営だなと感じました。
そのうえで、ですが……
★委員会資料はこちら
まずは、委員会資料。こちらを見てみると……
★資料→説明がほとんどない!!!
余白が多いと思いませんか?(;^ω^)
大事な案件なのに、中身がほとんどない…
それについて聞かれると、練馬区は「正副委員長と相談しながら作成した」と答弁。
いや、資料自体は練馬区が作成したのですが。
まるで正副委員長のせいにするかのような言い方は、いかがなものでしょうか?
「作品募集→コンペと異なる」という答弁も繰り返しましたが、作品募集ではないから、プロポーザル資料をそのまま出さないということ?
どんなプロポーザルで決定したのか、区民には知る権利があります!!!
コンサルタントと協力会社が同一!
そんなスカスカの資料しか出なかった1月23日の議会で、ある問題が発覚!
決定した設計事務所の協力会社に、丹青研究所が入っていたのです。
丹青研究所は、美術館再整備基本構想のコンサルタント。
改築の構想をまとめた事業者が、設計の協力会社に入ったら、アドバンテージではないか?
普通に考えても、その疑念がわきますし、疑念をわかせる進め方をしている練馬区の問題が問われます。
ちなみに、太田市美術館・図書館は、練馬区職員も視察に行っていました。
↓短くまとめると、こんな感じ…
評価を分けたものは?
評価が大きく分かれたのが、「まちと一体になった美術館」
→決まった事業者が、「45点満点」と、他を引き離しました。
しかし、それも、基本構想策定のコンサルタントだった事業者がいれば、やはりアドバンテージがあったのではないか?という疑念がわいてしまいます……。
「丹青研究所と審査の関与はない」と言っていますが、2次の審査員には行政関係者2名がおり、当然、基本構想策定時に、丹青研究所とはがっつりと関わっているはず(そうでなくては構想はつくれませんから!)。
練馬区の答弁がひどすぎる!
議会で他委員がその点質疑したところ、練馬区の答弁がひどすぎるものでした…
- 委員「協力会社はどこか?」
- 練馬区「そちらの資料を持ち合わせていない」
- 委員「言えないのか?」
- 区「どちら(とは言えないが)、これまでの実績があり、きちんとした事業者」
※高口注:どこかわからないのに、実績とかきちんとしているとなぜ言えるのかは不明
- 委員「丹青研究所が協力会社に入っていますよね」
- 区「手元に資料がない。きちんとしたお答えができない」
「丹青研究所が、美術館再整備基本構想の委託事業者なのは確か」
「質問の意図、わかりかねる」
※丹青研究所が協力会社に入っているかどうか聞いているのに、意図がわからないって何?
- 委員「公正、公平の点、大丈夫か」
- 区「詳細は答えられず」「問題ない」
※どこの事業者かも、資料がないから答えられないと言っているのに、なぜ問題ないと言えるのでしょうか?
- 区「実施要項では、コンサルタント(丹青研究所)の支援を得ている」
「8月(に実際出したもの)とはだいぶことなる」「有利は言い過ぎ」
「点数は拮抗、差はない」 - 委員「公正な応募の点、問題なかったか?」
- 区「(コンサルタントである丹青研究所が応募できないという)規制はない」
「実施要項で、応募できる・できないを決めた」 - 委員「他の事業者から見れば、公正とは言えない。出来レースと思われても仕方ない」
- 区「(出来レースと言われることは)遺憾」
★さらに部長が登場!
- 部長「募集要項は各社一斉に公正に出している」
- 「基本構想にかかわった事業者でもそうでなくても同じ情報をもっている」
- 「1次審査は匿名。2次で初めてわかった」
- 「疑義は全くない」
- 「まず、展示関係で専門事業者は限られている。力ある協力会社の提案があった」
……疑義はないとしつつ、「丹青研究所が力がある事業者」であると、認めました。
★練馬区の進め方が問題!
こんなひどい答弁で、押し切る美術館とは、なんなのでしょうか……(嘆息)。
- 客観的、一般的に、疑問、疑念を与えることは確か。
- そう思わせない進め方があったはず。
- さらに、「手元に資料がない」で済ます練馬区の答弁は大変不誠実
→と、高口からも強く質しました。
(ちなみに高口はプロポーザルの時から「コンサルタントだった丹青研究所が入っているなんて、どうなの?」と、普通の感覚で、疑念に思っていました)
どんな設計?
★事業者説明=富士塚
「土地の記憶とつながる富士塚のような建築」
土地の記憶ってなんだろう…?と素朴な疑問がわきつつ…(このあたりに富士塚はありませんよね)
★バリアだらけ!
観てわかる(いや、資料の写真があまりにわかりにくいのですが…)、周囲は階段で囲まれています。
「すべての人に開かれたインクルーシブな建物」という提案だそうですが、すみません……「インクルーシブなねりまをめざす会」という会派としては、どこが……と、どうしても思ってしまいます……。
20メートルの高さを、ひたすら階段でのぼっていく
(中にはエレベーターがあるとしても、外側はそういうつくりを想定しています)
とてもバリアフリー、インクルーシブだとは、思えません。
練馬区「提示プランは概念図。基本設計で詰めていく」
とのことですが、あまりに大きく変わったら、プロポーザルとは何なのか?という疑問もわきます。
★西側はガラスばり→本がいたむのでは…
高口はプロポーザルに出ていたので知っているのですが、西側は一面どーんと直角で、ガラス張り。
めちゃくちゃ西日があたって、本がいたみそう……と、素人でも思うのですが……心配です。
★光熱費の問題
全面ガラス張り→光熱費がかかる問題について問われると…
- 練馬区「光熱費環境を安定させる提案もあり」
とのことですが、光熱費高騰のなか、どこまで可能でしょうか…
★カフェ
2F部分に、緑地をみおろせる場所に想定。
★障害者用の駐車場
建物外?
区「使い勝手のよいものとなるよう設計で考える」
高口的、残念過ぎる点…
繰り返しますが、平田晃久さんは素晴らしい建築家ですし、太田市美術館・図書館もすばらしいです。
ですが……プロポーザルでの提案は、あくまで太田市美術館・図書館を踏まえた、その発展形でした。
「世界でここにしかない」「練馬にしかない」
からこそ、価値があるのではないでしょうか?
多額の税金をかけるのであれば、せめて、「練馬にしかない、まったく新しい建物」をめざす気概が、練馬区の側にほしかった!!!!
それさえも放棄して、作ろうとしている練馬区立美術館の81億円(おそらくそれ以上)とは……。
練馬区は「プロポーザル、インパクトある」もの「練馬にしかない」という言葉もあった、「練馬らしい、練馬唯一」との答弁でしたが……
残念ながら、客観的に「太田市美術館・図書館の”次”の建物」という評価を受けることになると、素人の私でも、思います……。
私はその練馬区の姿勢が、とてもとてもとても、残念です。
建築費→81億円以上の可能性!!
さらに、約81億円もかける予定にもかかわらず
⚠️今後物価高騰でそれ以上となる可能性がある
⚠️上限は決めていない
ことも、高口の質疑に対する答弁から、発覚。
- 練馬区「設計費は年2回見直し」
- 「物価高騰→変動の可能性」
- 「工事費→直近の取引価格を反映」
- 「物価上昇→影響の可能性ある」
- 「(上限)決めていない」
物価高騰で区民が苦しむなか、美術館に、上限も決めずに税金をつぎこむ??
B/Cとか…いくら以上かかったら見直しとか…ごくごく普通のことだと、高口は思うのですが……
リノベーションにより、安く済ませる方法はあるのです。
物価高騰、光熱費高騰のなか、区民の生活を思い、立ち止まるべきではないでしょうか…
その他
★公開プロポーザル(2次審査)
傍聴者81名
申し込みは90名。あふれた方がいます。
アンケート54枚回収
アンケートの内容について聞かれると、当初、「積極的な意見」だけ紹介する練馬区。
その後、「積極的でない意見は?」をとの質疑があり、「建築費用」の問題や、「サンライフ存続」を求めるなど、否定的意見があったことも紹介しました。
賛成意見が9割とのことですが、1割、少ないから無視してもいい?
そんな非民主的な方法で、美術館がつくられてよいとは思いません…
★美術の森緑地
- 形状、面積は変わらず
- 区「一定期間、使えなくなる」
★今後
- 区「区民の意見を聴く提案を頂いている」
- 基本設計後の「実施設計」→通常同じ事業者が行いますが、「現時点では決まっていません」との答弁
参考