映画『じぶんのことば』感想シェア会&ドラマエデュケーションワークショップ【レポート】

映画『じぶんのことば』感想シェア会
&むらまつひろさんのドラマエデュケーションワークショップ
終了しました!

★『じぶんのことば』オンライン上映会(1/13-15)

上映会はたくさんのお申し込みをいただき。私も1年ぶりに鑑賞しました。

私の場合、子どものドキュメンタリーを観ると、いつもは大人、親として感じることが多いのですが。

『じぶんのことば』は、「ああ、私も同じだったなあ…」と、自分を重ね合わせるというか、子どもとして観られる。
そこが稀有な映画と感じます。

映画のなかで集まった子どもたちは、表現が得意とか、人前で話すのが得意なこどもたちではなく。

むしろ、その反対。
学校ではうまくやれない、人と話すのが苦手。
私もそうだった…(今もですが…)。

そんな子どもたちが、自ら応募してくるそうです。

うまく伝えられない。
本当は伝えたい。
わかってほしい。
わかりたい。
わかり合いたい。
変わりたい。

自分自身の壁にぶつかり、時に涙しながら、
壁を乗り越えていく子どものちから。

しかもそれは独りではなく、誰かが、仲間がいるから、できたこと。

その姿が本当に感動的で、心の奥底がじーんとあたたかくなり、涙が出てくる映画です。

★感想シェア会(1/15、ZOOM)

感想シェア会は、むらまつひろこさんにもご参加いただき!
質問にもたくさん答えていただき、ぜいたくな時間。

次から次へと言いたいことがあふれて止まらず!
(たぶん一番私が!笑)

「そういう見方もあるんだ!」
という意見も続出。
感想を共有するって、とてもいいですね。

とても盛り上がりました!

★1/22ワークショップ

そして1月22日は、むらまつひろこさんのワークショップ!

どんなことが起こるのか、当日誰より私がワクワク楽しみにしていました!

■スタート前から…

開場前の準備から、スタッフや手伝いのメンバー、子どもたち一人ひとりに話をきく、むらまつひろこさん。

映画でも、深夜まで仲間とスカイプしながら、一人ひとりの子どもたちの思いを引き出せているか悩むシーンがありましたが。

一回きりのワークショップでも、その場の参加者一人ひとりと向き合っていて、ああ、すごいなあと…。

スタート前から感心しつつ、いよいよワークショップへ!

■あそびがたくさん!わくわく!

「あそびをたくさん知ってるんだよね!ジャンケンだけで100種類できる!」

この言葉でもう、子どもたちの心を鷲掴み!

「30秒で何人とジャンケンできるか」
「誕生日順にならぶ」
「優しい順にならぶ(!)」
「体で○や✕をつくる」
「きつね、きこり、大嵐」
「ジェスチャーゲーム」
などのあそびを通して、場の空気がどんどんほぐれていきます。

はじめましての参加者同士も、どんどんなごやかに。

いつもは仕事をしっかりきっちりこなす高口事務所のスタッフも、一緒に仕事を忘れて楽しんでいて、すごい!

あー、たのしいっっ!

■グループで発表!

最後は、グループに分かれて話し合い、「あっ!と思ったことを、一枚の写真に表現する」というもの。

高口のグループは、「テニスの試合でエースを決めて、人生が変わった瞬間!」を表現。
相手選手、審判、ボール…

みんなで「一枚の写真」を表現!

■こどもたちは、1シーン上演!

子どもたちはさらに進んで、1シーンの舞台を創り上げてしまいました!

テーマは、「なんでもできる文房具。どんな文房具がほしい?」
むらまつひろこさんが、子どもたちと
話しあい、引き出しながら、創っていきます。

★書いたものが出てくるえんぴつ

→オリを書いて、宿題やれってうるさいお母さんをとじこめちゃおう!(笑)

★書いたものが出てくるノート

→学校で消しゴム忘れた!
→消しゴム書いて、出すので、忘れ物はありません〜☆

★思ったものに変わる紙

→宿題忘れた!
→算数のドリルに変えて無事提出!

どんどん出てくる、子どもの想像力のゆたかさ、愛らしさ。

何より、これをわずか15分の話し合いで創り上げてしまう…。

一回きりのワークショップでも、これだけのことができるなんて…。

いやー、すごい!!!

この積み重ねで、映画『じぶんのことば』のような舞台ができあがるのだな、という一片も感じとることができました。

■ワークショップ後の振り返り

ワークショップの後、子どもたちには遊びながら待っていてもらい。

大人は、「どう感じた?」と振り返りをシェア。
大人の皆さんから、「普段はしないのに、本気でゲームをしていた」「楽しかった」などの意見が。

子どもだけでなく、大人にとっても、実りの多いワークショップでした。


★様々な場に広がるように…!

『じぶんのことば』の練習時間は18回。その3分の2を、このワークショップのようなことをしながら、子どもの思いを引き出す、子どものことばが出てくる時間に費やすそうです。

きっと今の学校では、なかなかそういうことに時間は費やせないのだと思います。
でもそのなかで、本当は言いたいのに言えない、我慢して飲み込んでしまう子どもたちが、きっと少なくないと思います。

たとえば学芸会で、決められた演技をするよりも、こんなふうに子どものことばを引き出し、子ども自身が舞台を創りあげられたら、どんなにゆたかな学びになるか……。

むらまつさんによれば、世界では演劇教育、表現教育、ドラマエデュケーションはどんどん進んでいて、中国、韓国、アメリカ、イギリス…。

中国ではエリート教育のなかで行われたりするそうです。
イギリスはあのシェイクスピアの国ですしね!

言いたいのに言えない。
それは、おとなも同じ。
だから最近は演劇教育、おとなでも注目されているそうです。

ケンカや、声の大きいひとの意見ばかり通るのではなく。意見を言いやすい場をつくり、お互いに協力しながら、ひとつのかたちをつくりあげていく。

多数決やジャンケンではなく、対話のなかで合意形成をしていく。

まさに、民主主義そのもの…!!!

(ちなみに高口は、「意見の言いやすい場づくり」という点で、子ども哲学や、子どもアドボカシーとの共通点も感じました)


参加してくださったおとな&こどものみなさん、むらまつひろこさん、
上映許可をくださった諏訪麗生監督、ありがとうございました!!!

ぜひ機会があれば、みなさんもドラマエデュケーション、体験してくださいね!


参考