【練馬区立美術館】二次審査公開プレゼンの前に…数字のミスリードに異議あり!

※2022/10/11、練馬区議会「総合・災害対策等特別委員会」のレポートです。

練馬区立美術館、二次審査の公開プレゼンテーション

改築費用、81億円!!!
資材高騰で、それ以上の可能性も高い………

問題だらけの練馬区立美術館改築ですが、練馬区は反対の声をよそに、“順調に”進めてしまっています。

基本設計候補者を選定する二次審査のプロポーザルを、「公開プレゼンテーション」の形式で行う予定です。

詳細練馬区立美術館・貫井図書館改築等基本設計候補者選定プロポーザル 公開プレゼンテーション 傍聴のご案内(練馬区HP)

こんな大事な問題なのに、資料も出さず、「口頭報告」というかたちで済ませてしまうことも問題ですが……

高口からは、改築(建て替え)ではなく、改修(修繕)なら、はるかに安くできる!ことを問いました。

「改修でも70億円」はミスリード!

★サンライフ練馬の解体と増築が含まれているのに…

練馬区はずっと、「改修でも70億円」と説明してきました。

直して70億円なら、「改築(新築)で81億円」→安い!と思ってしまいますよね。

実はこれ、大きなミスリードです。

その70億円の中には、
「隣接するサンライフ練馬の解体+その部分を増築」
の費用が含まれています。

つまり、改修といいつつ、「新築」が大きな部分を占めるのです。

「改修+サンライフ練馬の解体&新築で70億円」と説明すべきなのです。

★2019年度の概算=改修部分は約20億円

練馬区は、「大規模改修を基本とした美術館再整備に係る試算根拠」として、

「既存施設を大規模改修し、外階段とサンライフ練馬を解体して増築した場合
と正確に説明した数字を出しています。

↓2019年度コンサル事業者の概算

※資料は2月17日練馬区が作成

↑ご覧のとおり……

既存部分(美術館・図書館)の改修が18億円。
改修ではない新棟が38億円と、倍以上!

「改修で70億円」という説明が、いかに誤解を与えるかがわかります。

★純粋に「改修」のみした場合=20億円台!!!

では、純粋に、サンライフ練馬は含めず、美術館と貫井図書館のみを改修(修繕)した場合の試算はというと……

↓高口の求めで、資料を出して頂きました。

練馬区はなぜかデータではなく紙ベースの資料なので、読みづらくて恐縮ですが…

「総合計:約13億5千万円」

「11」「12」の耐震改修やアスベスト除去工事費の
(やるかわからないのでグレーに塗られている)
「約6億2千万円」を加えても

「約19億7千万円」です。

ここには、内装工事は美術館のみで、図書館の数字を出していないので(なぜ?という感じですが)

美術館の内装工事費用「約2億5千万円」と同額を加えたとしても
(美術館は工事が高額なので、図書館はそんなにかからないと思うのですが)、

「約22億2千万円」(税込で約24-25億円)。

2016年度のデータなので、今は資材等もあがっていると思いますが、おそらくは20億円台で済むだろうと推測できます。少なくとも、「改修で70億円」かかるなんてありえません。

  • 改修なら、20億円台
  • 改築なら、81億円以上
  • この2択で、区民に問うべき!!!

と考えます。
差額の約60億円があれば、たくさんのことができますよね……。

美術館にも、もっと学芸員の待遇改善をしたり、学芸員を多く雇ったり。
そちらのほうが重要だと、高口は考えます。

★練馬区の答弁に驚愕……

この資料をもとに、「改修でも70億円」ではなく、「改修なら20億円台」と説明すべきだ、と質疑したところ……

  • 練馬区「渡した資料は平成28年度」
  • 「当時開館から30年以上経過し、設備の老朽化更新、魅力向上の検討を進めていた」
  • 「『改修でも70億円』とは性質が違う」
  • 「比べるのが違う」
  • 「そもそも資料の種類が違う

えーと、えーと、この資料はですね……。

私が7月の委員会で、
「美術館・図書館のみの改修の費用は出していない」
という主旨の発言をしたところ、

練馬区自身(なんと珍しく部長)が、
「改修がいくらという積算はしている」
と答弁したので
「ではその積算した資料を出してください」
と依頼をし、
それで練馬区が出してきた資料なんですよ??

それを比べるなとは???

この資料が「違う」なら、では結局、
「美術館・図書館のみの改修の費用は出していない」
ということになりますよね。

それでは、最終的に改修のみならいくらなのか、比較できるものを、と問うと

  • 練馬区「長らく魅力的な施設にしたいと検討してきた」
  • 「計画の方針が変わって進めてきた」

……って、答えになってない~~~~~~~~~~!!!!

せめてせめて、81億円もの税金を使うという事業なのだから、きちんと答えて頂きたいと思います……。

★結論。

  • 改修(図書館・美術館のみ修繕)なら、20億円台→はるかに安く済む試算
  • 練馬区の「改修でも70億円」という説明は、区民に誤解を与える
  • 81億円もの巨額の税金を使う計画なのだから……
  • 「改修ならいくら」という比較の試算を示し、区民に是非を問うべき
  • 安くできる方法も提案しないまま、計画だけ進めてよいのか?

以上が、高口の考えです。


その他の質疑、まとめ

その他委員からの質疑で、重要なポイントを抜粋します。

  • 一次審査で24社
  • 11月初旬で5社程度に絞る
  • 二次審査→あとの公平性から、SNS投稿禁止などのルール
  • 傍聴者→アンケート実施の方向で検討
  • アンケートは決まった事業者に見て頂きたい
  • 傍聴多数なら区民優先
  • 他の部屋の音声傍聴はしない
  • 進行の妨げなど→退出の場合ある