練馬区議会2024年第1回定例会、重要議案、解説!(社会保険料値上げ、区長や議員等の報酬引上げ、空き家対策・アスベスト…等)

練馬区議会2024年(令和6年)第1回定例会で出てきた議案のうち、重要なものを解説します!

【参考】議案一覧(練馬区議会HP)

【1】社会保険料関連

【1-1】国民健康保険(国保)

第43号 練馬区国民健康保険条例の一部を改正する条例

2024年度国保料→一人あたり13000-14000円の増額へ

  • 上段:30代まで
  • 下段:40代以上

課題等

非常に複雑な計算を経て↑の金額になっているのですが、問題点を幾つかご紹介します。

  • 2018年、区→東京都に運営主体が移った(都道府県化)
    • スケールメリットを生かす…等の目的
    • 将来的に、都内(市や島しょ部含め)統一の保険料にする目標(統一保険料方式)
    • 今のところ、メリットもデメリットもある
  • 激変緩和措置
    • 2018→2024年度で、納付金の94%を1年で1%ずつ引き上げ、100%にする予定
    • コロナで据え置き(2021年度96%、2023年度97.3%)
    • 2024年度は「96%」に
    • 4%は、一般財源(公費)でまかなっている
    • つまり、公費を減らして保険料のみにする方向
    • 国保は、制度上、低所得者や年金生活者の加入が多いので、厳しくなる

 

  • コロナに関わる医療費は、一般財源(公費)でまかない、国保料から減算されていた
    • その分区民の保険料は減った
  • 2024年度の変更点
    1. 賦課限度額を引き上げ
      • 所得の高い層にとっては負担だが、中間層が楽になる
    2. 保険料の減額判定基準を引き上げる
    3. 保険料の賦課割合→所得割を上げて、均等割を下げた

高口の質疑→区民の負担増を中心に

Q:保険料がどんどんあがる→区民の負担が非常に重くなることを、区としてどう考えているか?

  • 区:構造的課題は国も認め、区も考えている。
  • 保険料をお支払い頂ける金額であるべき、見合う内容を考える
  • 受益者負担との(兼ね合い)、難しい課題

Q:都に運営を移した結果、区としての効果は?

  • 区:広域化→都が財政主体、区が地域の課題を取り組む分担
  • 都の考え→統一保険料など、利点あげられる
  • 何をもってデメリット→難しい

Q:スケールメリット=一般財源を使うことでは?

  • 都全体では、小規模保険者だと高額医療費の年間の変動が大きくなる(※島しょ部等を想定しての発現)
  • そこでスケールメリットを活かせる
  • 都全体の統一の保険料→公平性として望ましい考え

【1-2】後期高齢者医療保険

第30号 東京都後期高齢者医療広域連合規約の一部を変更する規約

条例の内容

  • 「特別対策等」を継続
  • =「保険料の軽減に係る経費」を、引き続き区の一般会計から支払う(負担金)
  • 平均保険料額:111,356円(6.2%、平均6514円の増)

 

現状

  • 窓口負担:1割がほとんど
    • 2割:年金年収211万円前後
    • 3割:それ以上
  • 年金所得58万円以下(旧ただし書き所得)の方がほとんど

【1-3】介護保険関連

第25号 練馬区介護保険条例の一部を改正する条例

主な変更点①介護保険料→値上げへ

  • 一人あたり保険料:9期平均6935円
    • 8期6920円
  • 8期末基金残高:63億円→39億円使う
  • 9期基金:24億円+α残る

主な変更点③段階の刻み方を、国に合わせた

問題→所得によっては、大きな増額になるケースも…

主な変更点③紙おむつ等支給事業

  • 国は8期で終わりと言っていた→区独自で9期も継続することに(いいこと)
  •  支給対象を広げた(いいこと)
    • 前:第3段階まで(非課税)
    • 新:第8段階まで
  • 財源を介護保険料にする
    • 保険料ではなく区の公費(一般財源)でやるべきではないか、という議論アリ

主な変更点④委員会の統合

  • 「地域包括支援センター運営協議会」と「地域密着型サービス運営員会」を
  • 「地域包括ケア推進協議会」に統合
  • これまでも同時開催、重なっていた

主な変更点⑤ケアマネ基準の緩和

第28号 練馬区指定居宅介護支援等の事業の人員および運営等の基準に関する条例の一部を改正する条例
  • ケアマネージャー(介護支援専門員)1人あたりの取扱い件数を増やす
    • ※報酬の減額(区の基準ではないので条例には記載なし)
      • 前:取扱い件数が「40件」を超えたら→報酬を減額
      • 新:「45件」を超えたら減額に変更
    • それにあわせて、ケアマネの配置基準を変更(緩和)
      • 前:「35件」まで1人常勤を置く、36件以上になったら1人増やす
      • 新:「44件」まで1人常勤を置く、45件になったら1人増やす
      • 新2:情報処理システムの活用等条件を満たすと「49件」まで可に
  • 要支援者数の算定:2分の1→3分の1換算へ変更
    • (例)ケアマネ1人の取扱い件数39件のうち、6件が要支援者だった場合
      • 前:6×1/2=3件の扱いだった
      • 新:6×1/3=2件の扱いに
    • ケアマネの取扱い件数が、実質増える
  • 管理者の兼務
    • 前:同一敷地内の事業所・施設の兼務は可
    • 新:同一敷地内でない、離れた場所の兼務もOKとする

介護保険条例(介護保険料の値上げ等)
+ケアマネの規制緩和は問題があるとして、
高口の会派インクルは反対をしました。


【2】職員の報酬

【2-1】区長・副区長・教育長等&議員の報酬の引き上げ

第37号 練馬区議会議員の議員報酬および費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
第38号 練馬区長等の給料等に関する条例の一部を改正する条例
第39号 練馬区教育委員会教育長の給与、勤務時間その他の勤務条件に関する条例の一部を改正する条例
第40号 練馬区監査委員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
第41号 練馬区行政委員会委員の報酬および費用弁償に関する条例の一部を改正する条例

  • 主な内容:月額+期末手当の年間支給月数を改定
  • 対象:区長、副区長、教育長、監査委員、行政委員会委員、議員

①月額報酬の引き上げ:0.3%UP

②期末手当の引き上げ:0.1か月分UP

なぜ0.3%?

  • これまで、人口規模が類似の4区を参考にして決めていた(世田谷区、大田区、足立区、江戸川区)
  • 近年差が生じている
  • 今回→類似4区のうち:2区引上げ、1区据え置き、1区引下げ
  • 人事院の改定+審議会+他区状況に基づき、引き上げることにした(改定の考え方を変えた)

23区の状況は…

①月額
区長他 議員
引上げ 16区 18区
据置き 6区 5区
引下げ 1区(江戸川) 0区
②期末
区長他 議員
引上げ 19区 19区
据置き 4区 4区
引下げ 0区 0区
③改定率
区長他 議員
0.3% 8区 7区
0.98% 5区 6区
その他 ※検討中 ※変動あり

今、増やすべきなのか?

区民が今これほど困窮し、負担が増えるなかで、区長や議員の報酬を引き上げてよいのか?
疑問があります。

そもそも、一般の職員と、区長や議員等特別職の給与の考え方は、異なります。

個人的には、議員報酬は安く、そのかわり選挙もお金がかからないようにして、Wワークで様々な方が議員になれて、多様な意見が反映される風通しのいい仕組みが理想だなと思っています。

※監査委員は、練馬区では議員が務めているので反対。
※行政委員会の委員は別なので、引上げに賛成です。


【2-2】職員の報酬

①学校運営協議会、いよいよ本格化

第6号 練馬区特別職の職員で非常勤のものの報酬および費用弁償に関する条例の一部を改正する条例

条例の改正内容としては
「学校運営協議会委員の職を新設することに伴い、報酬額を定める」
という報酬の設定なのですが、

重要なのは、練馬区でも学校運営協議会、いわゆるコミュニティスクールの委員の職を、正式に条例で位置付けることにした、ということ!

今年度も来年度も3校ですが、今後順次増やしていく見込みです。

なお、練馬区内の学校で、議員が評議委員を務める実例があるようです。それは問題があるのではないでしょうか……。

②会計専門員の職を新設

第7号 練馬区会計年度任用職員の給与および費用弁償に関する条例の一部を改正する条例

こちらも新設の職種。

「公認会計士」を会計年度任用職員として雇うことにするもの。

福祉部指導担当課で、今までは委託でやっていましたが、今後は積極的に指導するため、直接雇用とする変更です。

  • 公認会計士協会から1人派遣してもらう
  • 時給ベース、スポットで
  • 時給1万円+地域手当20%→1時間12000円
  • 基本的に1年通じて同じ方に来て頂けるように依頼

③困難を抱える女性支援の新法による変更2点

第8号 練馬区職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例
第14号 練馬区立小学校および中学校の学校医、学校歯科医ならびに学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例

「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」の制定に伴い、練馬区の条例も改正が出ました。

  •  8号
    • 総合福祉事務所現業手当の支給対象となる相談業務
    • 根拠法を、売春防止法から、新法に変更
    • 特殊勤務手当→都から移管された時からの名称
      • 1日390円を追加で払っていた
      • 精神障害の相談員なども390円
  • 14号
    • 法改正で、「婦人補導院」が廃止
    • 条例に規定があるので、削除

直接の業務の変更というわけではありませんが、根拠法が変わるということは、重要な一歩ですね!

 

【3】税・戸籍

【3-1】戸籍関連の手続き変更

第9号 練馬区戸籍法の事務に係る手数料に関する条例の一部を改正する条例
  • これまで本籍地のみに限られていた戸籍証明書・除籍証明書
  • 本籍地以外の自治体でも、交付できるように!=便利!

  • その他の改正(戸籍情報を証明するためのパスワードの発行)等は、ほぼ使われないだろう変更です

【3-2】能登半島地震→雑損控除の特例措置

第42号 練馬区特別区税条例の一部を改正する条例
  • 地方税法の一部改正
  • 能登半島地震による災害により住宅、家財等の資産に損失が生じた場合
  • 雑損控除の特例措置
  • 練馬区の場合(例)能登半島地震の際に帰省や旅行をし、車が傷ついた
  • (例)扶養している親族が、能登半島地震で被災した…等

→当てはまる方はぜひ、ご申請をなさってください。

【4】まちづくり、都市整備

【4-1】空き家の対策、強化へ

第10号 練馬区空家等および不良居住建築物等の適正管理に関する条例の一部を改正する条例

主な変更点①「管理不全空家等」を新設

  • 危険な状態の「特定空家」
    →その一歩手前の状態となる、「管理不全空家等」を新設
  • 定義「そのまま放置すれば特定空家等に該当することとなるおそれのある状態の空家等」
    • (例)ガラスが割れて中に入れる、木が隣家にかかっている…等(ガイドラインあり)
  • 特定空家になることを防止するための「指導」ができるように
    • (例)「こういう所がよくないので、いつまでにこういう風に修繕してください」
    • 現状は「お願い」しかできなかった
  • 指導しても改善されない場合、期限を定めた「勧告」ができるように
    • (例)「指導したことに対応していないので、いついつまでにしてください」
  • 勧告を受けると、固定資産税の特例(1/6減額)から除外される
    • 空き家にしておいたほうが更地よりお得なので放置しているケース→効果が期待できる

認定対象がどのくらいか?

  • 現在:年相談300件→調べて手紙を出す100-120件(←これが認定対象か?)
  • 2024年度調査をかける
  • 2025年計画策定
  • 前回調査(2015年度):最初1507→今463中217位

主な変更点②緊急代執行

  • 「特定空家等」→災害その他非常時で、「緊急代執行」できるように

【4-2】アスベスト→再調査の根拠づけ

第11号 練馬区アスベスト飛散防止条例の一部を改正する条例

前提→改正の理由

  • 2022年度法改正→ 「石綿報告システム」が運用開始
    • 床面積80㎡以上(普通の住宅が当てはまる)→解体等で、アスベストの有無に関わらず、事前調査結果の報告が義務付けられた
    • これまで報告が400件→2022年度は4000件に激増
  • 「アスベストなし」と報告されても、調査手法や内容に疑義がある場合、再調査を指導してきた
    • (例)建築年次から使われているものが漏れている、等

主な改正①アスベストなしでも再調査できるようにする

  • 再調査を指導できる範囲を、条例に位置付ける

主な改正②標識の義務付け→基準変更

  • 区独自に、レベル3での標識を義務付けしていた
    • 面積80㎡以上
    • レベル1・2は面積を問わず義務付け
  • レベル3の基準を変更
    • 解体:面積80㎡以上
    • 改修:2千万円以上(請負代金合計額)
  • 理由
    • 1年半でトータル7000件のデータを基にした
    • 今までと同じ規模より少し上の基準で、できるようにした

  • アスベストの使用が完全禁止されたのは2006年9月(つい最近まで……)
  • 国はアスベスト解体→2028年度がピークとなる想定

【4-3】「創エネ」が追記へ

第12号 練馬区建築基準法等の事務に係る手数料に関する条例の一部を改正する条例

条例的には「等」が付くだけ

  • 「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」
  • 「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」
  • 「等」を入れるだけの変更、ですが…

「等」の意味

  • 今までは建物の断熱性能についてのみの法律だった
  • それに太陽光発電の「創エネ」、電気をつくるものも対象とする変更
  • 法律名が変わったので、横引きしている条例の文言も変更に

【4-4】練馬区立南高松の森緑地→新設

議案第13号 練馬区立都市公園条例の一部を改正する条例

【4-5】春日町の法務局前の道路→通り抜けできるようになる

  • 練馬春日町にある法務局前の道路
  • これまで通り抜けができなかったが、
  • 地権者から「協力したい」との相談あり
  • 法務局に”粘り強く”働きかけてきた結果、通り抜けできることに
  • 整備が完了して、区道の部分は都に贈与し、都道に

 

【5】教育

学校教育支援センター石神井台→移転

  • 練馬区石神井台六丁目2番10号
  • 前から議会には報告がありましたが、条例としての手続きが完了
    →正式に移転へ
  • 条例としては、名前と場所が変わる変更
第15号 練馬区立学校教育支援センター条例の一部を改正する条例

【6】工事・契約

【6-1】中村橋区民センター関連:計12億円

第21・22・23号 練馬区中村橋区民センター大規模改修~契約
  • 工事請負契約
    • 〔契約金額〕269,280,000円
    • 小林・北斗 建設共同企業体
    • 5社入札→2社辞退
  • 機械設備工事請負契約
    • 〔契約金額〕596,470,600円
    • 富張・千進 建設共同企業体
    • 4社入札
  • 電気設備工事請負契約
    • 〔契約金額〕362,824,000円
    • 小松・小池 建設共同企業体
    • 2社入札→1社最低制限価格未満で失格
  • 合計:1,228,574,600円
  • 大規模改修:スケルトン→柱残して中身を変える

※高口注:中村橋区民センターは、サンライフ練馬の廃止にも関わる工事ということで、反対をしています。こちらは大規模改修(修繕)なのに、美術館は改築(建替え)です…なぜ……

【6-2】区画街路1号線の橋梁工事→800万減額へ

第24号 橋梁上部工工事(練馬区画街路第1号線)請負契約の一部変更について
  • 令和4年第3回練馬区議会定例会で可決された議案第99号「橋梁上部工工事(練馬区画街路第1号線)請負契約」
  • 契約金額を変更する。
    • 〔変更前〕450,567,700円
    • 〔変更後〕442,608,100円
    • 差額:7,959,600円
  • なぜ安くなった?→工事のやり方を変えるから
    • 柱→橋げたをたてる工事
    • 今まで夜間に全面通行止めをして行う予定だった
    • 住民から「夜間工事は騒音もうるさいやめてほしい」の声
    • それを受け、事業者が工事やり方工夫
    • 日中の片側通行止めで、工事ができるように
    • 夜間→昼間のほうが工事金額安くなる

練馬区役所東庁舎エアコン→新調

第20号 練馬区役所東庁舎空調設備等改修工事請負契約
  • 〔契約金額〕269,280,000円
  • 小林・北斗 建設共同企業体
  • 3社入札→1社辞退
  • 平成7年設置→28年たつ
  • 熱源改修にする→セントラルヒーティング
  • 地下?に給水冷温器があり→それを変える
  • 省エネにもなる