練馬区議会(2022年第四定例会)議案解説!
※2022/12/1他、練馬区議会のレポートです。
議案とは…普段の委員会の「報告」と異なり、議員の「賛否」を問うもの。
議会の「議決」を必要とするので、報告よりずっと扱いが重く、重要なのです!
今回の2022年第四定例会(12月議会)の議案から、重要なものをレポートします!
職員給与UP…なのに、会計年度任用職員はUPせず…!
※議案第120-123号「練馬区職員の給与に関する条例の一部を改正する条例」他
特別区人事院勧告を受け、区職員の給与があがります。
【改定ポイント1】若手職員の職員の給与UP
若手職員=「若年層」とは…?
- 例:「係員級1類」=大卒程度の新卒23歳
- 44号分が対象
- 年4号あがる:4号×11年分=44号
- 23歳入所なら→+11年→34歳くらいまで
【改定ポイント2】期末手当の支給回数
- 現在3期(年3回)→2期(年2回)に変更
- 額は変わらず
【改定ポイント3】勤勉手当、正規職員のみUP
※ここが大問題!
- 一般職員、管理職員:+0.1月
- 再任用:+0.05月
- 会計年度任用職員:ナシ
- 理由:会計年度任用職員は制度として、勤勉手当がないから
ホントにそれでいいの!? ~問題の経緯
- 特別区→組合と交渉、妥結の手続き
- 交渉過程の中で、課題
- そもそもの給与UPは、「官民の給与の差をなくす」という考え方による
- 会計年度任用職員も、正規職員同様、0.1月あげるべきでは?
- 特別区長会の中で、総意がなされる
- 人事委員会に改めて確認したところ……
- 「常勤職員への勧告」という主旨
- だから「常勤職員に準じる」=正規職員のことだけ
- 特別区長会の考えは、実現できず…
- 現在、国において…
- 手当の支給状況について改めて検討中
- 有識者会議など開催
- 会計年度任用職員の勤勉手当に問題意識アリ
- 期末手当の支給についても検討
- 2024年度中に結論を出す
- それに基づき、計画策定途中
……ということなので、国の検討に、ひとまずは、期待をしたいと思います……!!
ごみの手数料UPへ
※議案第105号「練馬区廃棄物の処理および清掃に関する条例の一部を改正する条例」
- 理由:原価と現行の手数料の乖離を解消するため
- 改正1:事業系ごみ
- 1kgあたり40円→46円に=プラス6円
- 1Lあたり76円→87円に=プラス9円
※1L=0.19kg換算
- 改正2:大量のごみ
- 通常のごみ=変更なし
- 大量のごみ=45L×3袋以上
- 1kg40円→46円に=プラス6円
- 改正3:粗大ごみ
- 10kgまで:400円(変更なし)←粗大ごみの85%
- 10kgきざみ
- 20kg:800→900円
- 30kg:1200→1300円…
- 限度額(最大):2800→3200円=プラス400円
※介護事業所(おむつ等)→負担になる、という問題が指摘されています。
別途、支援が必要です!
指定管理者の選定
毎年、第四定例会は、指定管理者の選定の議案が多くあります。
- 向山庭園
- 公募→2社応募
- アゴラ造園株式会社に決定(変更なし)
- 大泉町福祉園、北町福祉作業所
- 公募なし(継続)
- 社会福祉法人 武蔵野会に決定
- 大泉町福祉園:2023-2027年度改修工事→民営化
- 北町福祉作業所:2023年度指定管理→2024年度民営化
- 高野台敬老館
- 公募なし(継続)→廃止になるまで(2026年度)
- 生活協同組合・東京高齢協に決定
- 駐輪場・ねりまタウンサイクル
- 公益財団法人 練馬区環境まちづくり公社(区の外郭団体)
- 公募なし(継続)
- 稲荷山図書館
- 株式会社ヴィアックス
- これまで10年継続→今回公募
→応募ヴィアックスのみ→決定
- 南大泉図書館:日本コンベンションサービス株式会社
- これまで10年継続→今回公募
→3社応募
→同じ会社に決定
- これまで10年継続→今回公募
- 光が丘児童館
- 公募なし(継続)
- 社会福祉法人 雲柱社
- 終了時に15年目に
- 区:不登校の受け入れ等を評価
- 具体的には…引きこもっている生徒を、SSWと保護者が連携して、「うちから一歩出る」支援に協力
- (例)保健相談所とつながりのあった生徒が、人事異動でつながりがつくれなくなった後、保健相談所との結びつき直しをしたケースも
- ※不登校の受け入れや研修は、全児童館やっている
- 上石神井児童館・上石神井児童館学童クラブ
- 公募なしで継続するはずが、前の事業者が辞退
詳細上石神井児童館&学童の指定管理を、事業者が辞退!~指定管理者制度の問題点 - 公募:4社応募
- 株式会社東急キッズベースキャンプに決定
- 区:本社のバックアップ体制等を評価(本社が現場ファースト、現場に本社がよく来る、現場が集中できる体制の本社「ピカイチ」、何かあったら東急グループが責任を負う…等)
- 「館長次第」にならないことも重視したそうです。
- 公募なしで継続するはずが、前の事業者が辞退
※前の事業者(小学館集英社プロダクション)の辞退が、「会社の方針」だったので、本社の体制を重視したのでは?と感じます……。
★指定管理者の問題…
- 同じ会社が継続する事例が多い
→継続性+10年~の積み重ね=同じ会社になりやすい - 継続することはよいことと思うが…
- 同じ会社が10年、15年…と続く
- 目的のはずの「切磋琢磨」は?
- 本来の指定管理者制度の意味が問われる…
練馬区役所 本庁舎のエレベーター改修工事
※議案第108号「練馬区役所本庁舎昇降機設備改修工事請負契約」
- 本庁舎の6基+人荷共用兼非常用エレベーター1基
- どちらも平成6年(1994年)、28年目
→改修工事へ - スケジュール
- 2023年度:昇降機を工場で製作
※なんと1基6か月かかる! - 2024年度:高層階用3基→工事
- 2025年度:低層階用3基&人荷共用1基→工事
- 2023年度:昇降機を工場で製作
- 長期間かかる
- 工事は1期ずつ
- 基本夜間工事(22-朝5時)
- 契約金額:872,608,000円(8億7千万円)
石神井町福祉園廃止→新しい生活介護事業へ
※議案103号「練馬区立障害者自立支援施設条例の一部を改正する条例」
- 「Leaves練馬高野台」
- 事業内容:生活介護、日中一時支援
- 場所:旧高野台運動用地
→慈誠会・練馬高野台病院の隣に開設 - 予定日:2023年1月1日(通所開始は1月4日)
- 事業者:社会福祉法人東京都手をつなぐ育成会
- それにあわせて「石神井町福祉園」を廃止
- 石神井町福祉園の30名→そのままLeavesに
- 定員が増える(55人に)
- 医療的ケアも受け入れる体制をつくる
中村敬老館廃止→地域包括支援センター等に
※議案104号「練馬区立敬老館条例の一部を改正する条例」
- 中村敬老館を廃止
- 地域包括支援センターと街かどケアカフェに機能転換
- 名称「中村かしわ地域包括支援センター」に変更
- 施行:2023年4月1日
※敬老館のサークル活動や利用を踏襲する形でやっていく…という区からの説明