【高口質疑】1人あたりの面積差、7㎡!?学童の質向上のためにできること【練馬区議会・決算】

2021/10/6「練馬区議会・決算・こども家庭費」、10/8「全款」より、高口の質疑をぜひご覧頂ければと思います!

【Q1】ねりっこの課題1=広さや人員配置

子どもためのよりよい学童クラブを求める観点で、以下、伺います。

令和2年度までのねりっこクラブのデータをいただきました。

★1人当たりの面積で、約7㎡もの”格差”

セカンドスペースも専用クラブ室にできているのは、27校中、田柄小、練馬小の2校のみです。

セカンドスペースを合わせた学童クラブ室の面積を定員数で割ると、

  • ねりっこ平均:1人当たり2.96㎡
  • 一番広いのが大泉学園小学校:540.72㎡、1人当たりで6㎡
  • 1人当たりで一番狭いのが開進第三小学校:160㎡、1人当たり1.77㎡
  • 一番狭いクラブが秋の陽小学校:128㎡
    →ですが、定員が、ほかは90名ですが、こちらは65㎡
    →1人当たり1.96㎡です。
  • 広い大泉学園小学校は定員割れで、4月1日付で63人
    →1人当たりさらに広くなって8.58㎡
  • 開進第三小学校と比べると1人当たり6.81㎡もの差があります

★指導員の数も、ばらつきが

指導員の数も、

  • 常勤が3~7名
  • 常勤、非常勤を合わせた有資格者が5~14名

と、ばらつきがあります。

学校の状況が違うことは理解していますが、同じねりっこクラブであれば、同じ質の担保が重要です。

学童クラブの広さや指導員の人数について、かなりの差があることについて、練馬区の見解を伺います。

A:子育て支援課長
  • 確かに学童クラブの面積、指導員の数については、それぞれのねりっこクラブによって違いがある
  • 一人につき1.65㎡という基準については、いずれもクリアしている
  • 学校の中にある学童クラブというのがねりっこクラブの大前提
  • 学校では、低学年の子どもが学童クラブにいる時間に、まだ高学年は授業もやっている
  • そういった中で、どこの部屋を使うことができるかといったことを各学校と相談させていただきながら、使える部屋について、協力していただいて確保している
  • 一律にというわけにいかないところについては、ぜひ、ご理解をいただきたい
  • 常勤、非常勤の違いについては、一度に働いている職員の数を記載しているわけではない
  • 非常勤の数が多ければ、その分、隔日であったり、半日であったりといった勤務体系もある
  • いずれも、こちらも基準をクリアしている中できちんとした保育を実施している

国の基準=保育園の乳児の基準

学童クラブの面積基準1.65㎡は、保育園でいえば乳児に当たる基準で、大変狭いものです。

現場はその現状の中でも様々工夫していると思いますが、

もともと放課後も全児童対策として全児童を受け入れることを想定していない学校において、そもそも2つの部屋で学童クラブを集約していくことの困難がこのデータに表れているかと思っております。

A:子育て支援課長
  • 1.65㎡は国の基準
  • 狭いというお話→委員としてはそのようにお感じになっているということは理解はいたしますけれども、
  • これは全国的に認められている基準
  • また、他自治体においては撤廃しているところもある中で、練馬区としては、参酌基準になった今も遵守している

とても「広い」とは言えない…

個人的な感想ではなく、畳一畳ですから、とても広いとは言えないと思います。

【Q2】ねりっこの課題2=即ねりっこ

2020年度、いきなりねりっこにし、近隣学童2つを閉鎖した
光が丘春の陽小学校では、5名の待機児童が発生。

1年生56人に対し、3年生4人、ねりっこプラスは3年生が最も多く10人45%を占め、
3年生で待機となった状況がうかがえます。

プラス利用者は22名とねりっこ最多です。

一人あたりの面積が、ねりっこ中最も狭い開三小は、待機が7人、
ねりっこプラスも19人いるなか、近隣の民間学童が閉室となり、
直近の栄町児童館の学童も移転の予定で、
今後さらに待機児童が厳しいとみこまれます。

ねりっこやプラスだけでは解決できない状況もある中、
来年度、東大泉地区区民館の学童閉室とねりっこ化が伝えられた保護者からも、
反対の声があがっています。

学童に入った直後に「来年は廃止」という説明では、保護者の理解は得られません。

学童閉室については、まずは保護者に丁寧に合意をとりつつ、
ねりっこ化ののち、待機児童の推移や子どもの状況をみながら
段階的かつ慎重に検討すべきですが、

いきなりねりっこにする場合と、近隣学童も残す場合と考えかたの違いを伺います。

A:子育て支援課長
  • 卒園予定の保育園児の人数に、これまでの実績から保育園以外の児童、練馬区への転入児童で学童クラブへの入会希望が見込まれる児童のニーズなどを加えて、入会希望児童数を推計
  • 概ね受入れが可能であれば近隣の学童クラブを休室または廃止にすることにしている
  • 入会希望児童数が多く、ねりっこ学童クラブだけでは受け入れられない場合
  • 例えば高松小学校ねりっこの近隣の高松地区区民館、あるいは開進第三小学校ねりっこの近隣
    の桜台地区区民館のように、休止、廃止をせずに存続している
  • 学童クラブをよりよいものにしたいという思いからご質問いただいていると思いますけれども、区としての思いは同じ
  • 一般的に3年間を過ごす学童クラブなので、そのうちの1年間はとても長い
  • また学童クラブは毎年度入会児童を決定するという仕組みでもあるために
  • 丸々1年間近隣学童クラブを残すようなことはできませんけれども、
  • よりよい形を目指して、練馬区としても努力をしていきたい

子どもにとってのよりよい学童とは…

よりよい学童にしたいという気持ちは私も一緒です。

待機児童対策としてのねりっこの必要性も理解していますし、
特に学校応援団から要望の挙がっている学校に対しては、
迅速にねりっこに対応していただきたいと思いますが、

一方で、学童は「ただいま」と言える生活の場であり、
落ち着いて過ごせる環境もとても重要です。

大規模な集団になじめない子どももいて、
地域の中に様々な子どもの居場所が必要という点も踏まえ、
子どもにとってのよりよい学童と考えたときに、
私は直営の小規模な学童も残していった方がよいと考え、要望します。


※質疑はここでタイムオーバーでした…
が、準備していた質疑を、以下、掲載します。


※【Q3】ねりっこの課題3=先生がやめる

他自治体でも学童クラブを委託している事業者の中には、「練馬区だけ給与を増やすわけにはいかない」との理由で人件費を返却しているところがあります。

せっかくの人件費を指導につけたくても、事業者の都合でつけないといった事情がある
ことも勘案いただきたいと申し上げます。

他にも、指導員について、ねりっこの保護者からは、

  • 学童の責任者だった先生が、いつのまにか辞めていた。今も説明はない。
  • 先生の出入りが激しく、子ども1人1人をどれくらい理解しているのか疑問

といった実情を聞きました。

学童の責任者は、引き継ぎ時から関わる重要なポストですが、突然の退職を規制することもできません。

こういった委託の職員の継続性、安定性の課題や対応策について、練馬区の見解を伺います。

※【Q4】ねりっこの課題4=地域の居場所

ねりっこの課題として、大規模になる点です。
来年予定の大泉小ねりっこも、120人規模です。

一方で、学童というのは「ただいま」と言える生活の場であり
落ち着いて過ごせるかどうかが重要です。

待機児童対策としてのねりっこの必要性も理解していますし、
特に学校応援団から要望のあがっている学校に対しては迅速に対応頂きたいと思います。

一方で、ねりっこにも様々な課題があること、
特に、大規模な集団には馴染めない子どもがいることを踏まえれば、
直営の小規模な学童も残すべきだと思います。

何より、子どもが地域で生きるうえで、
学校内に集約する全児童対策の課題が大きくあります。

児童館等の直営の学童では、たとえば地域の公園に遊びに行ったり等
地域に出ていく試みをしてきました。

地域と関わる豊かな活動をするには、学童内の信頼感や関係性を育むことが重要で、
そのためにも、ユニットではない40人という国基準の意義に、
再度立ち返って頂きたいと思います。

そのうえで、こどもの居場所がまちのなかにたくさんできるよう、
まちづくり全体の視野で、子どもの放課後のありかたを改善するよう求めます。