保育園待機児童、11人いる!ゼロ達成ならず…/5/28練馬区議会 文教児童青少年委員会レポ
5/28文教児童青少年委員会レポートです。
保育園待機児童、ゼロ達成ならず…11人の理由は?
★今年度(2020)待機児童の内訳
2-3月の議会で「待機児童ゼロ達成の見込み」と発言していた練馬区ですが、残念ながら今年も、達成ならず…。
その内訳を表でみると…
- 認可外保育保育施設:231人
- 認証:173人
- 1歳児1年保育:29人
- 3歳児1年保育:13人
- 練馬こども園:16人
- 特定園のみ希望:362人
- 育児休業中:61人
→「保育所へ入れなかった者:665人」から、上記の1.2.3.を引いた数=待機児童:11人
「特定園のみ希望」のワナ
「特定園のみ希望」の中には、
- 単願
- 2km圏内に空きのある保育所があったが、条件が合わず断った
- 求職活動をあきらめた人
…を含みます。
「往復4kmベビーカーを押すのは無理」「保育園に入れないから求職をあきらめた」ということも考えられます。
「特定園のみ希望」という表現からは、想像できない内訳です。
「11人」という氷山の下には、こういった人たちも含まれていることは、今後の待機児童解消を考えるうえで、非常に重要です。
練馬区はこういった方々に対して「窓口の相談、1件1件丁寧に対応している」とのことなので、まだの方はぜひ、窓口で相談なさってください。
★待機児童11人、区の分析は?
練馬区は昨年の待機児童「14人」を、「地域における需要と供給のミスマッチ」と説明していました。
今年の分析は…「無償化の影響」と区は言います。以下は、区の分析です。
- 区「昨年10月開始の無償化の影響が大きい」
- 「1歳児が対前年度比10%の大幅増」
- 「今回の待機児童は、1歳児のみ」
- 「保育利用し家計の負担がなくなる→低年齢から費用をかけよう」という動きで「1歳児が急増」したのでは?
…ということで、これまでの「ミスマッチ説」は影をひそめた印象です。無償化は3歳以降なので、それで1歳が急増したとの説明は、ストンと納得できない部分も残りますが……。
★分析を踏まえた、来年度の区の対策は?
- 区「対応策として、来年度新設の9か所、定員410人分、1歳児は100人分」
- 「練馬こども園→低年齢を推進」
- 「セーフティネットの1歳児1年事業、新設園でも臨時に実施」
- 「柔軟に対応」
……と、1歳児を意識した内容になっています。
★区立幼稚園の3歳児1年保育は、終了へ
しかしそもそも、1年だけの保育は、子どもが安定的に見守られる環境とは言えず、あくまで待機児童のための「セーフティネット」、臨時の事業としてきました。
練馬駅にバスステーションを設置し、区立幼稚園まで送迎する「3歳児1年事業」は、「今年度末終了」を区は宣言。
しかし今年度も、3歳児1年保育事業を「13人」が利用。「3歳の壁」が解消したかどうかは、微妙なところ……。
また、1歳児1年保育についても、区は「永続前提ではない」「臨時の受け皿」と明言しました。
★大切なのは、こどもの最善の利益
「保護者の多様なニーズ」を掲げ、保育園民間委託等を進める練馬区ですが、そもそもの児童福祉法に定められた「保育園に入る」という根本的な権利が、いまだ満たされていません。
「多様なニーズ」より先に、「根本的な権利」を保証すべきです。
そしてさらに、こどもの最善の利益、保育の質向上のために、努力し続けることが何より重要。この質疑の最後に、その点を強く要望しました。