4/12『性教育は生教育! 学校では教えてもらえない 大切な”性”の知識』ZOOM講座レポート

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4月12日(日)、『性教育は生教育!学校では教えてもらえない大切な“性”の知識』を、オンラインにて開催いたしました。

性教育は生教育!学校では教えてもらえない大切な性の知識

 

講師は、中村橋にある「麻の実助産所」の助産師・土屋麻由美先生。

助産師として出産・育児のお手伝いをされる傍ら、思いがけない妊娠をされた女性の支援や、今回のような「性」に関する講座の開催など、幅広い活動をされています。

その土屋先生に、今回は、小学校中学年以上の思春期や、身体の変化を感じはじめてきている子どもと、その保護者の方を主な対象に、お話しをいただきました。

前半は、子ども向け

★プライベートゾーンは人に見せない!

前半は子ども向けのお話。

「未就学児から小学校低学年」を対象にした講座でもお話されている、「プライベートゾーン」の説明がありました。プライベートゾーンとは、水着を着る時に隠す部分であり、いのちをつなぐ大切なからだの部分です。

  • 「プライベートゾーン」を、自分以外の人にさわらせたり見せたりすることは、絶対にしてはいけない。
  • もし、そのようなことがあった場合は、「いやだ」ということをきちんと言う、逃げる、信頼する大人に話をして守ってもらう。
  • たとえ友達や親であっても、見せたくない人には見せなくていい。

…ということを、お話いただきました。

★「いのちのもと」のしくみ

次に、子どもたちが大人のからだになっていく中でのお話。

女の子も男の子もいのちのもと(卵子・精子)がからだでつくられます。女の子は、赤ちゃんをそだてる部屋(子宮)や生理(月経)のしくみ。男の子の射精について……。

妊娠や避妊についても、やわらかいタッチのイラストを用いながら、土屋先生のやさしくあたたかい言葉で、わかりやすくお話いただきました。

★性的な欲求は、おかしなことじゃない

好きな人と「仲良くなったりふれあいたい」「キスしてみたい」「ぎゅーってされたい」……などの性的な欲求はおかしなことではなく、いのちをつなぎ続けるために大切なしくみである、というお話も。

一方で、まだ子どもを育てていくことが難しい年齢で、興味だけで性交・妊娠をしてしまうと、せっかくの大切ないのちをあきらめなければならない、ということも、しっかり説明されました。

★”self pleasure”が大切なワケ

そのためにも、1人でいる時に自分のからだや性器を触ったりする「self pleasure(セルフプレジャー)」が大切に。

性的な欲求を、自分でコントロールしながら、うまくつきあっていくことが大切である……。

大人のほうも、ハッとするお話でした。

後半は、親向けのお話

★子どもを、一人の人として信じる

後半は、親向けのお話に。

  • 思春期のこころとからだの成長の話
  • SNSなどをつかった、現代の性被害や性暴力の問題
  • 学校や家庭では、思春期の時から、性について自己決定する権利が重要なこと
  • 人と人は、対等な関係であり、思いやることが大切

……など、お話いただきました。

身近にいる大人として、こどもを一人の人として信じる、向き合う姿勢が大切だということですね。

★学校の性教育では足りない…

「性教育」は自分と他の人を大切にする、そしていのちを大切にする「生」の教育。人が生きていく中で欠かせない、大切な教育だと思います。

しかし、現在の公立小学校では、4年生の後半になってようやく、少し時間を設けます。「生理」は教えても「性交」は教えないなど、限定的な教育となっています。

「射精」は教えても、その後の健康的な性欲のコントロールについては、教えられません。自分の健康をコントロールする観点を、もっとしっかり教えるべきではないでしょうか。

★練馬区は、性教育の出前講座を予定

練馬区では、男女平等や人権に関する計画「第5次練馬区男女共同参画計画」の中に、「NPO等による区立学校への出前講座なども活用して性に関する知識の普及・啓発を図ります」という文言が入りました。

一歩前進と言えます。……が、「性教育」の推進が期待される一方で、学校への出前講座では、あくまでも学習指導要領の範囲内でしか話せない、という懸念も……。

★家庭での性教育、小さな頃から

家庭での性教育も、幼少期からでも早すぎることはありません。

いのちの教育である「性」についての話を、子どもが興味を持ったとき、隠さず、自然に、きちんと話をしていく……。それが大切なことなのではないかと思います。

参加者の感想

  • ちょっとはずかしかったけど、知れてよかった(小2)
  • くわしくせつめいしてくれて、絵とかもよういしてくれたから、すごくわかりやすかった(小2)
  • わかりやすかった。もっと難しい話がききたい(小5)
  • 私は子どもの頃、親から一切性についての話はなく、初潮がきたときにまだ学校でも性教育の授業を受けておらず、本当にびっくりしてしまった経験があります。そのため、自分の子どもには、以前土屋先生の講座を聞いてから、話をするようにしています。
    今回の話では、性交のお話がありましたが、学校はもちろん、親からもなかなか話せない話なので、土屋先生から子どもにお話していただき、とてもありがたかったです。
    性教育は決して恥ずかしい話ではないということを改めて思いました(保護者)

土屋先生、ありがとうございました。