子どもに読書してほしいなら、この計画じゃダメなんだ…!第四次練馬区子ども読書活動推進計画(素案)にパブコメを!/12/10文教児童青少年委員会

パブコメが続々…ですが、ぜひこちらの「第四次練馬区子ども読書活動推進計画」(素案)にも、意見をお願いします!

高口はちょっと極端ですが、個人的な信念として「小さいうちは、本さえ読めば賢くなれる」と思っています。私も本がすきです(漫画もすきです)。

幸い図書館がちかく、こどもふたりは本好き。だから一層、図書館、読書環境が気になります。

★期間:12/11~1/17

練馬区HPの「お知らせ」に、素案と、宛先などが掲載されます(12/11~)

*パブコメを受けて修正をし、2月頃「案」として発表され、4月からスタートです。

PISAショック!読解力向上には…そう、図書館&学校図書館の充実を!!

国際的な学力をはかるテスト「PISA」で、日本の生徒の読解力が「15位」と後退したニュース。

原因は読書不足といわれています。

東京新聞の社説には、「本、物語、小説を読むと読解力の点数が大きかった」とありました。

今後ますます、図書館や学校図書館の役割は大きくなります。

★「日本語を母語としない子どもへの支援」が盛り込まれたことは前進!

一歩前進の項目も。

ぜひ、図書館を通じた交流を推進していただきたいと思います。

しかし、一方で……気になる点はそこかしこに!!

図書館に詳しい方たちに、現場の状況を取材しつつ、質疑をしました。

除籍資料を活用するのに、蔵書を増やす目標値がナイ!(愕然

計画には、P19「学校図書館」、P31「障害者の支援機関へ」へ、「除籍図書を頒布、活用」とあります。

除籍資料とは、図書館から処分する本のこと。

今でも現場では、ごく普通のこととして、まだ利用できる状態の児童書や、図書館で既に持っている児童本の寄贈本を、希望する学校にゆずる、譲渡会をひらくなどしています。

区の財産を無駄なく使うため、今後も行えばいいことですが……それを「支援」として打ち出すかどうかは別問題です。

★学校図書館の資料費が少ない!

除籍資料のなかに、今ほしい本がざくざくあれば違いますが、現実として、図書館に置くには情報が古くなった本。小学校が蔵書として望む本もありますが、そもそも学校図書館の資料費が少ないために、調べ学習の本がたくさん購入できない事が原因です。

本来なら、学校図書を配置して、きちんと選書し、蔵書が充実するよう予算を増やすべき。

しかし、計画の「P19(4)学校図書館の資料などの充実」を見ても、蔵書を何冊増やすか、新しいものに買い換えるかなどの、目標値自体が設定されていません。

区に確認し「除籍資料の活用=購入しないではない」との言質がとれたので、一安心。しかし、

区「どの本が必要で利用回数が多いか、システムによって把握するので、検討」

であれば、せめてその点を、計画に盛り込むべきではないでしょうか。

学校司書が、不可欠なんです!!!

学校図書館法の改正でも、文科省も、「学校司書」という、区の直接雇用を推奨しています。

しかし練馬区は、業者に委託し、「学校図書館管理員・支援員」という方を、週2回派遣しているのみ……。

この計画に提言をする機関「練馬区子ども読書活動推進会議」では、「学校司書」の配置を盛り込むべき…という提案が、委員から幾度も出されましたが、提言には盛り込まれませんでした。

*ちなみに、会議の議事録がまだあがっていないのも問題…。早期のUPを要望しました。

★計画に、「学校司書」を盛り込もう!

現状、「管理員」や「専門員」は、1年契約。

年度の引き継ぎや次年度の体制がとれず、先生と連携し、生徒一人ひとりへの柔軟な対応をしようとすれば、偽装請け負いの問題に直面します。

(現場職員に指示ができるのは委託事業者なので、先生の指示は受けられないルール。違反することを「偽装請負」といいます)

専門員、支援員の皆さんは、かなり大変な思いをしている、と聞いています。

学校図書館法改正でも、学校司書と、その継続的・安定的な雇用環境が重視されています。

前述の「会議」では、区は

「(学校司書を)計画にかけるところまで形になればと切実に思っています」

と言っていましたが、結局計画に学校司書の文字はナシ。

本気で、こどもに読書を推進したいなら、直接雇用の学校司書が不可欠です。少なくとも、「学校司書をめざして検討」の一言くらいなくては、前向きな計画とは言えません!

*留意事項として文科省通知では、
「学校司書については,その資質能力の向上等に努めることが必要であり,また,その専門性等が一層発揮できるよう,学校司書が継続的・安定的に職務に従事できる環境への配慮が重要」

障害児への支援は、もっと広く、深く…

除籍資料の活用よりも、例えば、

  • 児童発達支援センター(障害児が放課後を過ごすデイサービス施設)への支援
  • それぞれの障害に対応できるような資料の充実
  • 図書館と教育現場、福祉の現場が協力して、その子が読めるような資料作りまで含めた支援
  • 支援する側のつながり
  • そのための人と資料費、研修費

…などまで踏み込むべきと要望しました。

 

★パブコメ、よろしくお願いします!

本当に、本気で、子どもたちの読書を推進したいなら、「学校司書」は不可欠。ほかにも課題は様々。

ぜひ、みなさんも、以上のような計画の問題点をふまえ、計画を読み、区へパブリックコメントを送ってください!