インボイス反対の陳情に、賛成の討論!【練馬区議会・第三回定例会最終日】
2023年10月13日、練馬区議会・第三回定例会最終日にて、
陳情第1号「消費税インボイス制度の実施中止を求める意見書を政府に提出することについて」
に賛成の立場で討論しました!
詳細陳情の内容については、高口ブログで詳しく解説していますので、あわせてご覧ください!
1.陳情の主旨
国へ提出した署名は全国で55万8千筆にのぼり、インボイス反対への機運が高まるなか、
区議会でも1307名もの署名を集めたこちらの陳情。
主旨は、
- インボイス制度が導入されると…
- 免税事業者の事務負担増、消費税増だけでなく、課税事業者も負担増となり、コロナ禍から再起をはかる事業者の重い足かせとなること。
- 練馬区の地域産業、文化芸術等の中小事業者にも深刻な影響を与え、価格転嫁、値上げにつながる
…といったことから、インボイス反対の意見書を国にあげるよう、求めるものです。
2.練馬区への影響、大!
練馬区の中小事業者は、8割を占めます。
練馬区民と区内事業者にも大きな悪影響を与える大問題にも関わらず、
練馬区は、その影響の大きさについて聞かれると、
「国税」なので「直接影響はない」
「影響は様々考えられる」
など、非常にあいまいな答弁しかしていません。
一方で、インボイスによる影響をつかみきれないことは、区も認めています。
3.「益税」「預かり税」でないことの周知をしっかりと!
区内事業者を率先して守る立場にある練馬区は、周知や啓発、相談対応をしていると言いますが、
今、免税事業者が「益税」「預かり税」というデマによって苦しめられている点については、明確な答弁を避けました。
消費税が預かり税でないことは、国も司法も認めている事実ですが、いまだ正確な理解がされておらず、免税事業者が得をしているような誤解が蔓延しています。
練馬区は事業者をデマから守り、消費税の正しい知識、預かり税、益税ではないことを積極的に発信すべきです。
4.事実上の値上げ~シルバー人材センターの実例から
何よりこのインボイス制度は、免税事業者に限らず、すべての区民に影響を与えます。
シルバー人材センターも今年から、消費税額控除ができなくなるため、
「価格に含める改定を予定」、つまり値上げすると発表しています。
3年間は8割控除の特例があるため、10%の2割で、2%増額の改定ですが、
その後3年間は5割なので5%。特例が終われば、10%の値上げとなります。
インボイスが値上げにつながることは、この事例からも、明らかです。
インボイス導入は、消費者、利用者に跳ね返る。
事実上の増税、値上げです。
ただでさえ、これまでにないガソリン高、資材高騰、物価高騰。
インボイスが電気代値上げにまでつながりそうだという報道まであります。
一方、価格に転嫁できない事業者は、その分の負担をかぶるしかありません。
ますます苦しくなる事業者の状況が、目に浮かびます。
5.困窮する区民、事業者が増え、経済が悪化…
練馬民主商工会が実施したアンケート結果からも、
売上が少ないほど、消費税の負担割合が大きくのしかかることが見えてきます。
インボイスによって廃業し、困窮する方も出てくることが予想されます。
働き手も不足し、
賃金が全くあがらず30年停滞している日本の経済を、
インボイスはさらに悪化させる危険性をはらむと危惧しています。
6.インボイス対応コストが、増収の16倍以上!?
しかも、インボイスによる増収約2480億円に対し、
インボイス対応のためのコストが税収の16倍以上、
4兆956億円にのぼる可能性も指摘されています。
誰の、何のための制度でしょうか?
7.文化芸術もしぼませるおそれ
何より、あれほど練馬区立美術館の改築にこだわり、文化芸術が大切と謳う練馬区ですが、
肝心の、文化・芸術の担い手であるアーティスト、クリエイターにも多大な影響を与える点には、まるで関心がないようです。
アニメーター、声優、漫画家、俳優など
クリエイター、アーティストを志す若手への影響が大きく、
「ボイクション」に代表されるような反対アクションが起こっていることは
ご存じの通りです。
インボイスは、文化をしぼませるおそれがある、
それを無視して、文化芸術施策に力を入れているなど
言えるはずがありません。
豪華な美術館をつくって、その担い手が減る危険性を、
黙って見ているのが、練馬区のやるべきことでしょうか?
文化芸術が大切というなら、
区民の生活や区内事業者を守るというのなら、
インボイス反対の声を国にあげることは、当然のことです。
インボイス制度反対の陳情に強く賛同し、討論とします。