【練馬区議会・決算】高口質疑⑦学校での事故予防、対策をもっと!

※2023年10月2日、練馬区議会・決算特別委員会・全款での、高口ようこの質疑です。

学校での事故予防、対策を提言

子どもの事故予防議員連盟の視察、勉強会等に参加させて頂いたことをもとに、今回は、学校での事故予防について質疑。

子どもが育つはずの学校で、悲しい事故が起きないように……

これからも、徹底した対策を求めていきたいと思います!

↓以下、質疑

Q1:「学校で起きる事故に、新しい事故はない」

2023年5月放送のNHKスペシャル『いのちを守る学校に 調査報告“学校事故”』で、
学校では同じような事故が、何度も繰り返されている実態が報道されました。

https://www.nhk.jp/p/special/ts/2NY2QQLPM3/blog/bl/pneAjJR3gn/bp/pMO4E77Ewz/

日本スポーツ振興センターの2005年以降の学校事故データのうち
亡くなった子どもが1614人、障害が残った子どもが7115人
合計8729人を分析しています。

①「走る」ことによる「突然死」

突出して多いのが、中学校以降「体育」の時間で、「走ること」による「心臓系突然死」です。

体力テストのシャトルランでは、バスケ部所属の中学3年生が亡くなっています。

※私はこれを知ってから、シャトルランでは必死になりすぎないよう子どもに伝えています。
体力テストで死んだら元も子もありませんから……。

 

また、持久走で亡くなった子どもの3割近くは、
「走り終わった後」や「休憩中」に倒れており、
走ったあと注意して見守ることも重要です。

②むかで競争等…運動会の種目

むかで競争は、中学校運動会の恒例行事の一つですが、
車いすラグビーの月村珠実選手は、中3のとき、運動会の練習で
体に麻痺が残りました。

今も全国で年間300件以上の骨折が報告されており、
練馬区でも今年も、1件起きているとのことです。

③他にも…

他にも番組では、

  • 窓からの転落事故は毎年のように起きている。30人が亡くなり、44人が障害に。
  • ミニトマト等による給食中の窒息死が7名
  • 「ゴールポスト」に「ぶら下がり」や「風」など条件が重なると、倒れやすく、死亡事故もある

といった事例があげられています。

★学校の事故は、コピペ事故

名古屋大学教育学部/内田良 教授は

「学校で起きている事故は、“コピペ事故”のようなもの。
同じことがずっと起き続ける

と忠告しています。

Q 高口
練馬区の学校では、何度も繰り返され、共通点が指摘されている事故に対して
各学校で十分に情報共有され、十分な対策をとっているか、伺います。

A 学校施設課長

  • まず施設設備に関する事故防止につきましては、私のほうからお答えいたします。
  • まず前提としまして区における学校管理下の事故というものは減少傾向にございます。
  • また学校での死亡事例につきましてもこの20年過去少なくとも発生はしていないという状況でございます。
  • その上で、施設設備に関しましては、例えば教室の窓については10㎝程度しか開かないようにしたり、手すりを設けたりしております。
  • サッカーゴールなどは杭やもり、そういったもので転倒防止しているところでございます。
  • 教育委員会では学校施設管理手引きを配布いたしまして、安全点検チェック表によって四半期に一回以上の点検を求めております。
  • 校舎・体育館・校庭・設備機器ごとに点検項目を定め、系統だててチェックをしております。
  • 異常がある場合にはすみやかに教育委員会へ連絡するとともに、各学校では教職員の目視等による建物全般の日常的な点検、これにより安全を確保しています。
  • このような定期的な点検をしていくなかで、安全に対する意識は浸透しているものと考えております。

A 教育指導課長

  • 運動に関する、持久走やシャトルランなどについてお答えをいたします。
  • 学校で負荷の高い運動を行う際は、教員が運動前に子どもの体調を確認するとともに、運動後はクーリングを行うことになっております。
  • 気温が高いときなどは中止し、実施する場合には運動量を調節したり、体調の確認、また変調を感じた際には中止を指示しているところでございます。
  • また、運動会のムカデ競争につきましては、発生した事故の内容を踏まえて、実施計画や指導上の留意点をまとめた通知文を発出し、事故の未然防止に努めているところでございます。

 

Q2:専門家「かかりつけエンジニア」の導入を

様々な点検や予防策をしているとのことですが、
ムカデ競争の事故は今年も起こったりしていて、予防策の再度の周知や徹底を求めます。

★専門家が入って、教員の負担も減

管理職や教員がチェックしていますが、当然専門家ではありません。

横浜市立東山田中学校では、
「技術士」の国家資格をもった安全管理のスペシャリストと連携し、
「かかりつけエンジニア」をモデル実施しています。

詳細高口ブログ【子どもの事故予防議連】横浜市立東山田中学校様にて、「かかりつけエンジニア」の視察

子どもの事故を研究する「公益社団法人日本技術士会登録 子どもの安全研究グループ」の専門家が、教職員と同行して点検をしたり、リスクアセスメントをしたりします。

Q 高口

安全点検には、教職員の負担が大きい事も指摘されており、専門家による対策が重要です。

練馬区でも「かかりつけエンジニア」のような制度を導入すべきではないでしょうか。

A 学校施設課長
現在文部科学省のほうで専門家による点検の実施主体、その主体に関する支援策について検討しており、区はその動向について注視をしてまいります。

※Q3:熱中症対策

※以下は時間切れで質疑できずでしたが、掲載しておきます。

 

番組では、熱中症のアメリカでの対策も紹介されています。

1960年代、アメリカンフットボールで死亡事故が相次いだアメリカでは、研究と対策が進み、

「熱中症は倒れてから10分以内に冷却し始めれば100%救命できる

とのデータから、直腸温度計や氷水の風呂・アイスバス、アスレティックトレーナーまで配備しています。

ここまでのことはできないにせよ、
アイスノンレベルではなく、早く確実に冷やす準備はどうなっていますか?

対策を充実させるべきとの観点から伺います。


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