旭丘小中一貫教育校の議会報告…子どもに差をつけない、は本当?
※2023/1/31、練馬区議会・文教児童青少年委員会のレポートです。
旭丘・小竹地域の新たな小中一貫教育校の設置に向けた説明会
高口が以前レポートした【12/16-17】旭丘小中一貫教育校の説明会。
その報告が、練馬区議会でも行われました。
参考練馬区HP「現在進めている取組(旭丘・小竹地域における新たな小中一貫教育校)」
地域や保護者の声→高口から要望!
高口は、この地域の保護者でもあります。
(少人数で落ち着いたいい学校です…先生方には日々感謝です!)
当然、この説明会も、この報告にはない仮設校舎の説明会にも参加しました。
そこで多く出ていた地域や保護者のご意見を聴いて、以下を要望しました。
★日陰を心配する声
近隣の方からは、日陰の影響を心配する声が。
また、まだそうなることを知らない方もいるのではという意見が、説明会でありました。
丁寧な説明や対応を求めました。
★ZEBの検討を
ZEB(ゼロ・エネルギー・ビルディング)にしないのか、という意見も出ましたが、
「ZEBにはしない」という練馬区からの残念な回答……。
2050年も当然残る建物です。
今からZEBをめざすべき!と求めました。
★工事中の教育環境、配慮を!
私も保護者だからよくわかりますが、保護者としては、何より、工事中の子どもたちの影響が、何より心配。
在校中ずっと工事の生徒もいます。
工事中も充実した教育が受けられるよう、しっかりした対応、配慮を要望。
制服を決める等…生徒が学校づくりに主体的に参加できるように、という点も、強調しました。
また、保護者としては、「自分の子どもが何年生の時にどういう状況になるのか」という点が重要。
そういう観点での説明を求めました。
練馬区からは……
- 「要望、配慮、学校と協議しながらすすめたい」
- 「丁寧に学校、保護者に通知し、情報提供したい」
- 「学校と連携」「教科活動に支障出ないようにする」
- 「基本、当事者、子どもの声を聴いていく」
- 「当事者に伺ってすすめる」
- 「標準服、保護者の考えも大きな要素」
との答弁が。
……まあ、この間、子どもが学校づくりに関わることを求め続けてきましたが、子どもの声が聴かれたことは残念ながらありませんでした(つい最近メモリアル品のアンケートがあった程度)。
答弁どおり、当事者、子どもの声を、しっかり聴いて頂きたいと思います!
工事中の問題…
★校庭が使えない間の部活や行事は?
工事期間、校庭が特に狭くなる期間があります。
その期間の部活、体育、行事をどうするのかは切実な問題。
「近隣学校の校庭」を使うと、資料にはあります。
当然、最も近い小竹小だと思いますが、どこの学校か?尋ねると……
- 練馬区「運動会→近隣学校と協議」「開催できる検討」
- 「具体的、個別に」は、学校名は示さない
と、明言を避けました。
大きく残る、小竹小の問題
★工事後の廃校を示唆!
練馬区で最も古い学校にも関わらず、長寿命化も改築の話も一切ナシ。
学童に困っていても、学童をつくる話も、ねりっこの話もありませんでした。
要は、小竹小はほったらかし、宙ぶらりん……。
と、ここに来て、
新校の開校後に、旭丘・小竹地域全体の児童・生徒数や区立学校の改築計画等を踏まえ、保護者や地域のご意見を伺いながら、再度、統合・再編について検討する予定
と、新校の完成後、統合・再編の検討と、言い始めました……。
工事中に小竹小の校庭を利用し
工事が終わったら、小竹小を廃校にする?
そんなやり方、地域の理解が得られるはずがありません……。
学校によって、子どもたちへの対応や環境に、差が出ていいのでしょうか?
練馬区に「小竹小の子どもも、同じように大切にしてくれますよね?」と(あえて)聞いたところ……
- 練馬区「差をつける考えはない」
と、まあ、当然の答弁はしました。
ですが、統合・再編の方針(平成28年)自体は変えず、
「いつどのような時期かは」「しかるべき時期に判断」と、曖昧な答弁。
★新校完成を待つと、築70年に!!!
しかるべきって、いつですか!?
今現在、小竹小がどのような状況かというと……
今の時点で、築63年。
旭丘の新校完成を待つと、築67-68年。
すでに、築70年近くになります。
新校完成後も、児童数が減るのを待ったり(新校には、小竹小全員を入れる設計にはなっていない)、検討するのに、また時間がかかります。
練馬区は、長寿命化=80年までもたせる工事について、
- 基本、築50年に判断(←すでに超過)
- 長寿命化に適していれば、築60年を目途に工事(←すでに超過)
- 築80年まで使用
としています。
長寿命化の工事をして80年もたせる、としながら、
小竹小だけ、長寿命化の工事をせずに、そのまま80年近くなってしまうのでは!?
「差をつけない」と言っておきながら、古い校舎を放置し続ける。
あまりにもひどい。
あまりにも、あまりにも、無責任です!!!!!
練馬区は「必要な改修はする」などと嘯いていますが、それはどの学校でもやっている当たり前の工事(電気設備の改修など)。
長寿命化や改築の工事とは、まったく異なるのです。
★新校の教室数のギモン
新校は、2学級、計18クラスで設計しています。
今の小竹小全員が入れる設計にはなっていません。
この地域全体の児童数が減ることを待っている……そんな設計なのです。
国は少人数クラスを進めている状況。
今後、教室数が足りなくなったら?
(実際に今教室が足りない学校は練馬区にたくさんある)
練馬区はこう答えました。
- 「今の人数の推計値では、小竹小全員の転用は足りないと見込まれている」
- 教室数が足りなくなったら「既存教室の転用を考える」
- 「増築工事が必要なら視野に入れる」
- 「推計値を用いながら確保」
- 「開校後の推移を見定める」
……つまり、旭丘の新校にとっても、いきなり小竹小が廃校になれば、教室数が足りなくなって困る!ということ。
新校をつくるそばから、既存教室の転用とか、増築とか……見通しが甘いとしか……。
結局は、地域全体のことを考えた設計とも思えない計画なのです……。
「どの学校も良好な環境」という答弁が、なんとも歯に浮きます……。
(ちなみに、1000人を超える中村小さえ一向に増築しないので、練馬区は増築は絶対にしないでしょう)
★学童は、早急な対策が必要!
ご存じのとおり、学童待機は深刻な状況。
練馬区は、新校には学童をつくりますが、小竹小は何の対策もナシ。
学童は、これから小竹小がどうなるかに関わらず、今まさに大至急必要なのです。
統廃合云々に限らず、そことはしっかり切り分けて学童を整備すべき!と求めたところ……
- 練馬区「校内、ねりっこ化を進めるとは常々言っている」「変わらない」が
- 「(小竹小が)これからどうなるか、切り離しては無理な話」
- 学童は「学校とセットで」「新校ができたあと考える」
と答弁。
練馬区の事情のせいで、学童まで振り回される。
一体、誰の何のための計画なのでしょうか……。
★少子化だからこそ、教育に力を!
少子化だから、子どもにかかる予算を減らしていく。
本当にそれでいいのでしょうか?
むしろ、少子化の今だからこそ、少人数のゆとりある学校、ゆたかな教育に、これからの希望があるのではないでしょうか?
○小竹小学校を早く改築してほしい。
○小竹小学校は残すこと。
という意見をしっかり受け止め、
小竹小の子どもも含めた、すべての練馬区の子どもたちにゆたかな教育が行えるようにしていくべきです!