「これからの図書館構想(素案)」にパブコメを送ろう!!!

※2022年6月16日、練馬区議会・文教児童青少年委員会のレポートです。

「これからの図書館構想(素案)」

その名の通り、練馬区が「これからの図書館」のありかたをまとめた「構想」の「素案」を発表しました。

↓素案はこちら
https://www.city.nerima.tokyo.jp/kusei/pubcom/oshirase/keikakusoan/toshokankousousoan.html

図書館は、知る権利・知る自由を守る、民主主義を守る砦! 

これからの社会に、なくてはならない存在……!!

ぜひぜひ、多くの方にご意見を送っていただきたい!

そのために、詳しく解説していきます!

練馬区の図書館の現状

…と、その前に、練馬区の図書館の現状や課題を、ざっくりお伝えしておきます。

【練馬区図書館HP】https://www.lib.nerima.tokyo.jp/index.html

  • 12館、1分室
①指定管理の問題

図書館は、知の蓄積、継続性から、直営がよい施設であると、国も認めていますが……
練馬区は指定管理を増やしてきました。

  • 光が丘図書館、練馬図書館以外は指定管理
    • 練馬図書館も、改修工事とあわせて指定管理の予定
    • 残る光が丘図書館が重要だが、「中央図書館」として位置付ける動きはない
②司書さんの待遇の問題

あまりに給与が安すぎる、図書館司書さん。本当に大問題です……。

  • 司書資格の有無で、時給が50円しか変わらない事業者も…
  • 練馬区直営の図書館司書「図書館専門員」→57名
  • 何十年働いても給与が変わらず…
  • ↓司書さんのすごさは、こちらで熱弁しています!
    https://koguchiyoko.net/nerima/20181120iinnkai/
③これからの図書館構想策定検討委員会

練馬区は構想をまとめるにあたり、計9回の委員会を開きました。

そこで出た意見、アイディアがどの程度盛り込まれているかも、見ていく必要があります。

https://www.city.nerima.tokyo.jp/kusei/kaigi/kaigiroku/bunka/tosyokankoso/index.html

ちなみにこちらの委員会は、「スポット参加」という形で大学生が参加。

大学があるので毎回は来られないけれど、若い方の意見を聴く…という主旨だそう。

このスポット参加は、ぜひ他の委員会でも、広げて頂きたいと思います!


構想の内容は?

以上を踏まえて、いよいよ、構想(素案)を見てみましょう……ドキドキ……

↓概要版

「世界につながる 彩り豊かな 知の情報拠点」

という理念を掲げた上で、

4つの「目指す10年後の将来像」→「コンセプト」

→それぞれに施策や具体例がある

……というかたちになっています。

★理念に「?」

まず、理念。

「世界につながる」…というのは、「ネット等を通じ、世界の情報を」という意味とのことです。

グローバル社会で重要な視点ですが、一方で、利用者が求める情報は、必ずしもグローバルとは限りません。

大切なことは、利用者にとって必要な情報を見極め、探し出し、提供する……つまりレファランス

ユーザーが「知」と出会うためのレファランスの充実……という視点が、構想に全くありません。

★「ひと」が不在

それもそのはず。

構想自体に、「ひと」の大切さが全く書かれていません。

いろいろと取り組みは書かれています。
「これはいいな」と思うものもあります。

しかしそれを、一体誰が担うのでしょうか?

「ひと」……図書館司書、図書館専門員さんたちです。

図書館司書の待遇の低さは、周知の事実です。
その改善案どころか、課題にも触れない。

それを質疑しても、練馬区は平然と

  • 会計年度任用職員の給与は、他区と比べても低くない

とさらっと言ってのけ、問題意識が欠けています……。

図書館司書が大切にされない図書館に、「これから」の未来はない

と、高口は断言します。

本当に本当に大事なところが、抜けた構想となってしまっています。

★「非対面サービス」への危惧

電子書籍やオンライン、セルフ化等「非対面サービス」が、取り組みの一つに掲げられています。

コロナ禍を受けた社会的な状況も理解します。

しかし……カウンターというのは、司書さんにとって、とても大切な場。

カウンターを通じて、利用者のニーズをつかんだりするそうです。

それは言語化しづらい、肌感覚なところなのですが……

高口も司書ではないので推測ですが、たとえば私は以前、レストランでアルバイトをしていたとき、経験を重ねると、自然と「あ、あのお客さんはきっと今お水が欲しいんだな」「今帰ろうとしているな」といったことがわかるようになります。

対面で経験を重ねることで、身に着くものがある。
だから、「カウンター」というのは、司書さんにとってとても大切なところ。

ただ非対面にすればいいわけではない。
図書館とは何か、ということも、考えなくてはならないのです。

★指定管理や中央図書館についても触れず

練馬区の図書館の「これから」を示す構想だというのに……

13館をどうしていくのか、という点も、一切記述がありません。

「指定管理が進むなか、全体をまとめる中央図書館が必ず必要」

図書館をよく知る方からは、この意見が強くあがっています。

光が丘図書館を中央図書館にしていくのかどうかも、不明のまま。

  • 練馬区「公共施設総合等管理計画で提示した」

と言いますが、なぜ図書館の構想で示さないのでしょうか?

やはり、大事なところが抜けた構想と言わざるを得ません……。

★貫井図書館はどうなる!?

今現在、練馬区立美術館再整備で問題となっているのが、貫井図書館。

↑構想でも、4つのコンセプトに従ったかたちで、ドカーン!と示されています。

しかし!!!

先日策定された『練馬区立美術館再整備構想』には、図書館構想策定検討委員会で出た意見は、反映されていないのです。

再整備のまちづくり検討会にも、図書館関係の公募区民は入っていません(美術館再整備の公募区民などは入っている)。

区民も混じえた貫井図書館に特化したプロジェクトチームなどもありません。

今後、この図書館構想と美術館構想をどのようにすりあわせていくのでしょうか?

(……と聞きたかったのに、委員会では、美術館は別の委員会が担当だからと、質疑できず……残念……)

↑そもそもこの体系図でも、「美術館構想」や「映像文化のまち構想」の下に位置付けられてしまっています……

ここまでの流れを見ると、

美術館ありき、貫井図書館は後回し

の感が否めません。

★きちんとした検証がされていない!!!

もともと練馬区には、平成25年~令和4年度の「練馬区立図書館ビジョン」があります。

今回の「構想」は、このビジョンを引継ぎ充実する…という位置づけなのですが……

10年間のビジョンの検証はしたのか?

というと、「現在、検証作業中」との答え。

つまり、この構想は、ビジョンの検証を踏まえずに作っているのです。

本来なら、ビジョンの検証をしっかり行い、その検証を踏まえた構想であるべきです。それが当たり前だと思います。

策定の順番が間違っている

としか言えません……。

★「多様な学びの機会」もっと広い視野で!

施策の一つ「多様な学びの機会の提供」。

これはいいことだと思うのですが……

取組例をみると、講演会やワークショップ、イベント、講座といった学びに集約されてしまっています。

たとえば今、不登校の子どもたちを様々な場で受け入れよう、様々な場を学びにしようという「多様な学びプロジェクト」というアクションがあります。図書館もその一つに加わっている地域があります。

学びの機会=講座、といった狭い意味ではなく、もっと広い意味で、

子どもたちが多様に学べる場、

といった意味で、「多様な学び」をとらえるよう、求めました。

高口が提案する理念!

以上から、この構想にはやはり、大事なものが欠けている……と思っています。

大事な理念、ビジョンとは何か、図書館の専門家に伺いました。

それは……

★利用者にはもちろん、働くひとにも、すべてのひとに優しい図書館

★誰も置きざりにしない図書館

★平和をつくる図書館

です。

平和は図書館から!!

今この時代だからこそ、ひとにやさしく、誰も取り残さない、そのことによって平和をつくっていく。

まちのコミュニティの核となる居場所、という視点も重要だと思います。

10年と言わず将来にわたって「これからの図書館はこうあるべき」と言える理念、根の張ったビジョンを、しっかりと示してほしい。

もっと深く、図書館とはどうあるべきかについて掘り下げた構想であってほしい。

そう願います。


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  • 〆切:7月11日(月曜)まで(必着)