首都直下地震→練馬区の被害想定は? …詳細データはなし!!?

※2022/6/15、練馬区議会・「総合・災害対策等特別委員会」のレポートです!

5月25日、東京都が「首都直下地震等による東京の被害想定」を発表

ニュースで知って、心配の方もいらっしゃると思います。

練馬区では、どのような被害想定なのか……?

お伝えします!

「首都直下地震等による東京の被害想定」

★どこが変わった?

前回は、平成24年版です。
それと、どこが変わったかというと……

  • 新たに「都市南部直下地震」と「多摩東部直下地震」が追加
  • 地震の発生場所が、「フィリピン海プレート内の地震」に変わった

…という2点が、ざっくりと、大きな変更点です。

★冬の夕方18時頃が、被害が大きい

↓こちらは都内全体の「地震タイプ別の主な被害」ですが…

冬の「早朝5時」「昼12時」「夕方18時」それぞれの想定で、「夕方18時」の被害が多くなっています。

 

★練馬区で重要なのは「多摩東部直下地震」

↓4つのタイプ別の地震分布図を見てみると…

練馬区で一番被害が大きくなるのが、「多摩東部直下地震」。

練馬区全域で「震度6強」という想定です。

↓練馬区だけ拡大するとこんな感じ。

※正直、小さくてよくわからないのですが…汗
練馬区にも、東京都から、この程度のデータしか来ていないそうです。

★多摩東部直下地震による練馬区の被害

↓一番被害が大きいとされる「多摩東部直下地震」の被害データがコチラ

比較しているデータは「多摩直下地震」で、そもそも比較する地震自体が違うため、単純な比較はできません。

その前提のうえで、特徴をあげると……

  • 震度6強になる面積→増加
  • 耐震性の向上→建物が全壊する数(建物全壊棟数)→減少
  • 負傷者数→減少
    ※倒壊数が減ったためか?
  • 避難者数→増加
    ※ただし、データは2018年度=コロナ前のもの
  • 火災(出火件数、焼失棟数)→増加
  • 死者数→増加
  • 死者数内訳
    ①火災:211人、67.2%
    ②建物被害:86人、27.4%
    ③ブロック塀:2.9%
    ④屋内収用物:2.5%
    火災が2/3で、建物関係が1/3

★詳しいデータは…もらっていない!

死者数が増加した理由がやはり一番気になるわけですが、

  • 震度6強となる面積が多くなったこと
    →被害が広がる
  • 火災が増えたこと

等が関連しているのではないか?と推測されます。

火災のなかでも、出火件数、焼失棟数との関連も気になりますが……

そのあたりを練馬区に質疑したところ、

  • 細かいデータは、都からもらっていない
  • 都から詳しい説明もない
  • 練馬区全体のデータしかなく、町丁目別のデータもない
  • 今後の分析は、都のデータ次第

……とのこと。

つまり、詳しいデータがないから、なんとも言えない

しかも、東京都から詳細データをもらえるかどうかもわからない

とのことなので…

ぜひ東京都には、詳細なデータを提供いただきたいと思います!

今後のスケジュール

★東京都の動き

  • 来年(2023年)1月に、東京都地域防災計画(新再編)の修正素案を公表
  • 2023年度中の成案化を予定

★これを受け、練馬区では「2段階」

  1. 今回の被害想定・数値で
    →新たな検討
  2. 東京都が修正した計画が出た時点で
    →練馬区の「地域防災計画」の整合性をはかる

という2段階の修正を進めていくとのこと。

その場合にも、東京都の詳細なデータがあるかなしかで全く変わってきますので、

とにかくしっかりしたデータをもらい、そのうえで検証を行っていただきたい

議会でそう主張しました。