【練馬区立美術館改築問題】基本設計選定委員会とまちづくり検討会…反対意見も許さず?
※2022/6/15、練馬区議会・「総合・災害対策等特別委員会」のレポートです!
練馬区立美術館・貫井図書館改築等の「基本設計候補者選定委員会」
区民の反対をよそに、グイグイ進めようとしている、練馬区立美術館の再整備…。
基本設計を行う委託事業者を選ぶ、「選定委員会」を設置する、との報告がありました。
「基本設計”候補者”選定委員会」
という名前ですが、選ばれる候補者は1社のみ。
選定委員会で決めた1社を、区がOKを出す、という流れです。
つまり事実上、選定委員会で決めた事業者=決定、ということです。
どういう条件で選定するかなども選定委員会で決めるため、
とても重要なのですが……
まずは概要
★選定方法=プロポーザル
- 公募型の企画提案方式(プロポーザル方式)
- 企画力、技術力などを見る
★構成委員は?
- 10名程度
- 練馬区立美術館長
- 外部有識者(建築、図書館)
- 地元関係者
- 練馬区関係所管部長
★傍聴や議事録の公開は?
- 議事録
→練馬区「情報公開にのっとり、必要な分を公開 - 傍聴
→練馬区「非公開が多いが、今後検討」
※ぜひ公開頂きたいと思います!!!
★スケジュール
- 7月:選定委員会設置
※回数、方法、時期は委員会内で議論 - 8月~:公募開始
- ~12月末:候補者決定
問題は?
★地元関係者は非公開
地元関係者とはだれなのか?は、公表しない、とのこと。
- 練馬区「3つのコンセプト実現のため」
- 「まちと一体となった」という点で
- 「住民の観点を入れたい」
とのことですが……
「3つのコンセプト」に理解のある方=改築に賛成の方
であることは、間違いありません。
★公募委員はナシ!
地元にも、賛成、反対、賛否両論あるなかで……
公募委員も入りません。
“誰が委員になるか”ということ自体で、すでに、方向性は決められてしまっているのです。
★概算を出すかどうかさえ、示さない!!
現在、募集の実施要項を検討している段階とのことですが…
プロポーザルの段階でさえ
- 練馬区「概算工事費を出すかどうか含めて検討」
との答弁。
概算工事費もわからないで、どうやって提案できるというんでしょうか……!!!?
事業者の提案をなんだと思っているのでしょうか……。
この期に及んでも、概算を示すかどうかさえ示さない。
いくらかかるかもわからない計画を、平気で進めようとする……それでも区民の理解が得られると思っているのでしょうか?
まったく理解できません。
あわせて進む「まちづくり検討会」
★「中村橋駅周辺まちづくり検討会」
練馬区立美術館リニューアルにあわせ、「まちづくり検討会」も設置されることに(7月)。
- 美術館と連携した商店街など、中村橋駅周辺のハード・ソフトのまちづくりの検討
- 中村橋駅周辺施設の統合・再編、補助133号線整備にあわせた課題整理
- 今後のまちづくりの方向性
などを話し合う会ですが…
★やっぱり、公募委員ナシ!
委員構成は…
- 町会・商店会
- 小学校PTA
- 美術館再整備基本構想策定検討委員会の区民委員
- 学識経験者
- 練馬区立美術館長
- 練馬区関係所管部長
…ということで、またまた、公募はナシ!
区民委員は美術館のみで、図書館関係の公募区民もいません。
★町会・商店会の加入率も把握せず
他のまちづくり検討会でも、必ず町会・商店会(主に会長)が参加します。
それはそれで重要なことですが……
今回は、近隣の町会、複数にお声がけするそうですが、
その加入率を聴いたところ、把握していませんでした。
ちなみに、平成30年度の練馬区全体の町会加入率は、「36.9%」。
4割をきる状況です。
町会が重要であると同時に、町会以外の住民の意見も、広く聴く必要があります。
公募委員など、広く区民の意見をとりいれる検討会にすべきです!
★巻き込まれる練馬第三小学校
美術館整備のしわよせで、巻き込まれるのが、実は練三小の子どもたち。
中村橋区民センターのレクルームがなくなる(サンライフ練馬からトレーニング室が移ってくる)ために、学童の子どもたちの遊び場がなくなってしまうのです。
↓詳しくはコチラのブログで解説
- こどもにしわ寄せのいく計画になっている
- まちづくり会検討会では、こどもの居場所、こどもの観点でも検討を
と求めたところ……
練馬区の答弁は、驚くことに……
- 練馬区「(子どもへの)影響は生じない」
と断言。
学童の遊び場(レクルーム)がなくなることを、問題にもしないのです……
子どもたちのことを、真剣に、本当に、本気で、考えて頂きたいと思います!!!!!
そもそも、合意形成ができていない!!!
★多くの方が反対を続ける現状
そもそもの、そもそもです。
選定委員会の設置以前に、区民・住民との合意形成はできていません。
反対の陳情、パブリックコメントも非常に多かったものの、反対意見は反映していません。
★反対意見も含めて調整するのが、練馬区の仕事!
反対意見も含めて調整をし、納得できる案を出す……
それが、練馬区の役割であり、仕事です。
多様な価値観を包摂したり、新たな価値観を生み出すのが、アートではないでしょうか?
反対意見を踏み潰すものが、「本物のアート」だと、私には思えません。
改築ありきの選定委員会には、反対です。
★批判さえ許さない? 練馬区議会への危惧
…以上を委員会で述べたところ
「踏み潰す」という言い方に対して、別の議員からストップ(議事進行)がかかり、
「証拠があるのか?」
との発言がありました。
証拠はたくさんありますよね……。
たとえば、反対の陳情にパブコメ。それが反映されていないこと。
そう答えました。
しかし練馬区も、「考え方は説明している」「反対意見があることは承知」「様々な方と話し、丁寧な姿勢」…等と述べたうえで
「踏み潰すという発言は残念」
と答弁しました。
練馬区としては、「説明」はしているのでしょう。
しかしそれは、あくまで、練馬区としての手続きです。
どんなに署名を集めても、パブリックコメントがたくさんあっても、変更しない。
それは対話とは言えません。
反対意見は聞く。
でも計画は変えない、止めない。
今の計画を”丁寧”に説明し続ける。
……というやり方は、練馬区としては「丁寧」という認識かもしれないけれど、
「変えないなら意味ないじゃん!」
「全然意見を聴いてくれない!」
というのが、当然の、率直な思いでしょう。
それはこの美術館再整備にかぎらず、練馬区の様々な施策で、たくさんの方が感じてきた・感じていることではないでしょうか?
今回の選定委員や検討会などでも、公募委員などを一切入れないことにも、現れていると思います。
そもそも「踏み潰す」というのは、「踏み潰された」と感じる側の表現です。
「踏み潰されている」と感じることさえ許さないのでしょうか?
「踏み潰されている」と訴えることさえ、許さないのでしょうか……。
(なお、私が最初に「反対の声が多い」と、質疑をはじめた瞬間、大きな声で笑った方がいました。
委員長が、「互いに尊重するのがルール、マナー」といさめてくださったのですが、
さらに別の委員から、私の発言がおかしかったから笑ったのだと、説明がありました。
人の発言を大声で笑うのが、「尊重」と言えるのでしょうか…)
今、練馬区議会では、真っ向から批判すること、
反対意見を言うことさえも、難しくなっている。
そんな危機感を、抱かざるを得ませんでした。
そういう状況だからこそ、負けずに、しっかりと声をあげていこうと思います!!!