【2023年度の学童、どう変わる?】「いきなりねりっこ」の問題、練三小学童の問題とは…
※2022年6月14日、練馬区議会・文教児童青少年委員会のレポートです。
2023年度の学童・委託・ねりっこの変化、まとめ
①直営→ねりっこ
- 廃止
- 関町北学童クラブ
- 関町北地区区民館学童クラブ
- →関町北小ねりっこクラブへ
②委託→ねりっこ
- 石神井小・石神井小第二
- 泉新小
- 大泉第二小
③新設
- 南町小
- 練馬第三小
- 上石神井北小
④休室
- 石神井台けやき学童クラブ
- 現在49名
- 上石神井北小:46
- 石神井台小:1
- 大泉南小:1
- 国公立:1
直営→ねりっこ「いきなりねりっこ」の問題
★委託のステップを踏まない
これまで練馬区は、
直営→委託→ねりっこ
というステップを踏んで、ねりっこを増やしてきました(委託事業者がねりっこをそのまま運営)。
しかし最近、
直営→ねりっこ
と、委託を経ずにいきなりねりっこにする、「いきなりねりっこ」が増えています。
今回の議案だと、関町北学童クラブ、関町地区区民館学童クラブが、「いきなりねりっこ」の対象です。
★大泉小ねりっこクラブからヒアリング
「いきなりねりっこ」によって、どんな問題が生じるのか……
そこで、昨年度「いきなりねりっこ」となった大泉小ねりっこクラブの保護者の方々に、ヒアリングさせて頂きました。
保護者のみならず、子どもたちの声も伺うことができました。
ご協力、本当にありがとうございました!
★満足度→「下がった」が6割以上
保護者の視点で、直営学童と比べて満足度が下がったか?という質問に対して…
★やや下がった+下がった→65%
子どもの視点で同じ質問をすると…
★やや下がった+下がった→63%
もちろん回答数が少なく、統計的にどうこうではありませんが、6割以上が満足度を下げたという回答をしたことは、大きな課題と言えます。
★どんな意見が多かったか
保護者の意見として多かったのが
- レクルームがなくなり、からだを動かすあそびが減った
- 今まではちょっとしたことでも気づき、助けられたり、連絡があったが、今はない
- 大人数になり、先生方の手が足りていない、目が行き届いていない
子どもの声として
- おやつが減った
- あそび方や時間の制約が増えた
- 細かい注意をよく受けるようになった
★大規模化の影響か
それらをまとめて考えると……
ねりっこでは45名×2~3ユニットと大規模化することにより、
直営のよさや質が引き継がれていない……
ということではないでしょうか。
もともと保護者が直営を残してほしいと強く要望していたなかで、それでも直営は廃止され、ねりっこになった経緯があります。
それならせめて、直営の質をしっかり引き継いでほしい、と願っていたはずです。
区としても、区立の保育の質を守っていくことが、重要なはず。
しかし、大規模化せざるを得ないねりっこには、限界がある……
この点も、しっかりと考えなくてはいけないと思います。
大泉小ねりっこの現在の課題への対応とともに、「いきなりねりっこ」で生じる課題への対応を、あわせて求めました。
練馬第三小ねりっこの裏に、隠れた問題
★レクルームで遊べなくなる
さらにお伝えしたいのが、練三小の問題です。
練馬第三小学校は現在、貫井地区区民館の中に、学童があります。
この学童自体は、ねりっこになった後も、残ることが決まっています。
貫井地区区民館には、今は170㎡のレクルームがあり、からだを動かすあそびができます。
月~金は児童開放としておさえてあり、学童やランドセル来館等の子どもは、レクルームであそぶことができています。
しかし……練馬区立美術館再整備に絡んで、貫井地区区民館がなくなる方針に。
レクルームは、サンライフ練馬から移るトレーニング室となり、なくなってしまいます。
学童の子どもたちの遊び場が、なくなる。
それが、練馬区立美術館再整備に関わる、大きな問題です。
★からだを動かす遊び場は確保できているか?
一方、練三小に新たにできるねりっこについては、どうでしょうか。
先ほどの大泉小ねりっこでも、「からだを動かすあそびができない」という声がありました。
練三小がねりっこになったあと、同じことが起きるのではないか?と危惧しています。
- レクルームと同じ広さの室内遊び場は確保できるのか?
- 校庭は毎日使えるのか?
- 他のスポーツクラブ等と重ねるような制限はないか?
と質疑したところ……
- 練馬区「練三小の学童は100名」
- 「体を動かせるところは校庭。毎日全面使えるわけではないのはどこも同じ」
…との答弁でした。
練三小に限らずですが、天候や気候によって左右されることを考えると、
「ねりっこ化すれば、校庭で遊べるからいい」とは限らない……というのが、実情ではないでしょうか。
待機児童を考えれば、ねりっこの必要性も理解しています。
しかし、ねりっこにすればすべてがよくなる、というわけではない……
直営を残すことや、「学童の質」もしっかりと、考えていかなければならない、と思っています。