【練馬区議会】2025年第3回定例会、議案解説
2025年第3回定例会の議案を解説します。
*議案一覧はこちら
練馬区議会HP:https://www.city.nerima.tokyo.jp/gikai/kaigi/r7/dai3teirei/0703gian.html
【公示に関する変更】
第100号 練馬区公告式条例等の一部を改正する条例
- 背景:「デジタル社会形成基本法」等の一部改正

簡単に言うと、これまで掲示板に紙で掲示していた「公示送達」を、区HPに載せるよ……という変更です。
※公示送達とは…:個人の所在が不明の場合等で、一定期間掲示を行い、「通知が到達した」とみなす制度
(例)納税通知等を送ったが、戻ってきてしまう。調べてもわからない場合など
■主な変更点
①「公示送達」の方法の変更
- 現行:練馬区役所前の掲示場に貼り出している
- 今後:インターネット上での掲載に切り替える
- インターネットが使えない方には、区民情報ひろばに設置したパソコンでの閲覧を可能にする
- ただし、法令により必要な場合は、掲示場での掲示も残す
(例)行旅死亡人など
②石神井庁舎前の掲示場は廃止
練馬区役所は残すが、石神井庁舎のほうはなくす
関連する条例
- 練馬区公告式条例(※1)
- 練馬区行政手続条例(「聴聞」の通知に関して ※2)
- 練馬区特別区税条例(未納付、過払い等の督促状など)
- 練馬区後期高齢者医療に関する条例(〃)
※1:以下3つの条例の公表も、HPでの掲載に切り替えます。
ただし、すでにHP上で公表しているので、実質変更はありません。
- 練馬区財政状況の公表に関する条例
- 練馬区人事行政の運営等の状況の公表に関する条例
- 練馬区監査委員条例
※2:「聴聞」とは:相手方の不利益になる処分の際(例:営業停止命令、工事中止命令など)、相手の意見を聞き、弁明の機会を設けること
年間の発生件数など
- 公示:700件(年間)
- うち公示送達:160件
- 税・後期高齢者保険関係:80件
後期高齢者の場合は、病院に入って、住まいだけ引き払って、転居届を出さないケース。
税関係の場合、「うっかり届け出を忘れる」ケースが大半。
夜逃げも考えられるが、たくさんあるとは思えない……とのことでした。
■課題:センシティブな個人情報がインターネットに載る
この議案は、基本的には必要な改正と思っていますが、
一方で、「名前」「住所」という個人情報が、
これまでは区役所前の掲示板というアナログな掲載のみだったところ、
今後はインターネット上に載ることになります。
それは本人にとっては、大きなことです。
内容によっては、未納など、センシティブな情報。
個人情報がのることへの対応について、区に確認しました。
区A
- 相手方に通知が届かなかった場合に調査をし、居所が不明な方を対象にしている
- インターネットでの公表について、デジタル庁から運用方針が出ている
- 「督促状」などの名称を、必要に応じて見直す(*何についての公示かわからないようにする)
- 掲示期間が終了した場合、HPの公開も終了とする
- HPに直接掲示ではなく、PDFや画像にすること
…などが示されている
- 区も、国の考え方にもとづいて対応する
【契約関連】
◼️早宮小ねりっこ学童
第113号 練馬区立早宮小ねりっこ学童クラブ整備工事請負契約
学童の利用者が多いため、校内に学童施設を追加設置する、という内容です。
〔契約金額〕 481,800,000円
〔相手方〕 立川ハウス工業株式会社 本店営業部
〔工期〕 令和9年2月26日まで
〔工事規模〕 鉄骨造2階建(延床面積 約600平方メートル)
・設計と施工を一緒に発注
・2ヶ年にわたる(そのため、債務負担行為としても計上)
Q:区内事業者ではない理由
区A
・鉄骨プレハブ→区内登録事業者が9社
・過去請負実績が1社のみ
・区内事業者では入札が成り立たないため、区外を入れた
*区内事業者からの入札はなし
Q:なぜ区内の請負実績が少ないのか
・プレハブ工事、工法は、各社がそれぞれ開発している
・施行できる会社、プレハブを得意としている会社が区内に少ないため
Q:落札率が「99.66%」と高い理由
・予定価格は事前公表
・この金額なら請け負うという金額で入札している
・今回、2社が辞退→1社のみに
・結果、落札率が高い事業者が落札となった
・ダンピング防止のため、最低制限価格を設けている
Q:残り2社は辞退か? 辞退の理由は?
・1社:技術者の配置が困難
・1社:今年度中の着工が困難
Q:入札不調対策
・履行期間じゅうぶんにとる
・適正な予定価格
・最低入札参加者数の見直し
…など取り組んでいる
◼️みらい青空学園
第114号 新たな小中一貫教育校校舎等改築電気設備工事請負契約の一部変更
2年前(令和5年第3回定例会)で可決した契約金額からの増額。
いわゆる「インフレスライド」です。
〔変更前〕 689,032,300円
〔変更後〕 728,973,300円
Q:いくら増額?
・電気のみ契約期間が違うので、今回議案になっている
・セットの工事(建築、機械設備)でも、次回インフレスライドの議案が出てくると思うが
・現時点で、当初よりいくらあがっているのか?
区A:当初契約金額(電気)
〔変更前〕6億5千万円
〔変更後〕7億2千万円
+6980万円
10.6%増加
Q:10%増額の受け止めは?
A:
・資材高騰、労務単価の急増、契約後も価格が上昇し、受注者の想定の範囲で収まらない状況
・物価上昇を加味して適切に評価した額で契約変更している
・適切な割合だと認識している
Q:総工事費
A:総額80億超え(81億円程度)
・当初契約金額より3億円増えている
・最初の契約金額:78億7千万円
・解体工事費は別:5億円
*概算工事費は、2022年3月の段階では「約69億円」説明
Q:資材不足などの課題は
A:
・長い間担い手が不足
・社会全体の構造的な課題
・担い手三法→ほぼ全面施行
・労務費の上昇は続く
・資材は輸入品多い→鉄、石油は安定してきている
・ウクライナなどが落ち着けば、資材は価格安定を取り戻すと見ている
◼️練馬区役所北庁舎
第115号 仮称練馬区役所北庁舎の備品等の買入れ
〔契約金額〕 55,990,000円
〔相手方〕 株式会社 東商文具
〔納期〕 令和8年3月31日
Q:何人の職員が北庁舎に移動することになるか?
区A:約262名
Q:いずれ、区役所本庁舎の改修等にも入ることになるが
その際に、この北庁舎はどうするのか?
区A:今回購入する物品→デジタル化対応、柔軟な働き方の対応
・「執務環境整備方針」に基づき、新しい什器を購入
・机は個別デスクではなく、切り離したグループ机、フリーアドレスを整備
・電話機、ロッカー、パソコンなどは持って行き活用
・北庁舎を整備したうえで、本庁舎も順次整備
・残る備品は基本的に再利用する
Q:建物自体はどうなるのか?
・業務量増大のため、本庁舎の手狭な部分を拡張し、働きやすい執務環境を整える
※答えになっていないのですが、まだ答えられないのかもしれません…
【こども誰でも通園事業】
第107号 練馬区乳児等通園支援事業の設備および運営の基準に関する条例
◼️「こども誰でも通園事業」の条例制定
こちらは、いわゆる「こども誰でも通園事業」です。
今年度は「試行」のため、条例ではなく『要綱』で定めています。
来年度は本格化実施するため、『条例』で定めることに。
・現在の『要綱』を条例にする
・内容は『要綱』と一緒
…というのが大まかな内容です。
◼️練馬区の基準

基本、区の基準は、
国の基準より、厳しいものになっています。
①対象年齢
国より範囲を広げ、「3歳になる年度末」に
②面積基準
3.3㎡以上
→区の認可保育園の基準と同じ
③職員配置
・3歳児も対象に追加
・保育士を6割以上
④利用時間
・週1日以上←関係性を築くため
⑤利用料:無償
・こちらは、東京都の事業が財源。
東京都が続ける限り…というかたちです。
⑥園への運営費補助
・1人5千円
■質疑より
今回最も多く問題点があげられたのが、この議案でした。
Q:保育園の一時預かり事業はどうなる?
・現在、一時預かりを31園で実施
・一時預かり事業の一部を「誰でも通園」に切り替える園がほとんど
・国が推奨している
・今の一時預かり→埋まっているわけではない
Q:区立園では
・区立園では「誰でも通園」をやらない
・理由は一時預かりをやっていないから
Q:目標人数は?
・1日あたり目標:150人(定員枠)
Q:区が、保育士配置を6割にした理由
・認証保育所が6割だから
・都の要綱を参照
Q:障害児の受入れ
・障害児は優先的に受け入れてほしいと、説明会ではお願いしている
・その場合の加算措置あり
Q:試行実施中の19園の内訳
・私立認可園:13
・幼稚園:4
・小規模:1
・事業所内:1
★高口の問題意識:一時預かりとの”格差“
高口は、「一時預かりとの格差」、
特に金銭面での差を問題視し、
以下の質疑をしました。
・契約方法は、1年単位、1ヶ月単位、2ヶ月単位と、園ごとに異なる
・預かる園の側からすれば、同じお子さんのほうがいい。それは理解する
・一方、預ける保護者の側からすれば、一時預かりとどう違うのか、わかりづらい
・実際には、一時預かり的に使われるのではないかと思う
・「誰でも通園」の枠に入れれば、最大1年間、無償で預けられる
・一方、一時預かりは、ぴよぴよなら1時間500円、4時間の枠なので2000円かかる
・週1日預けた場合、1ヶ月で8000円、1年で約10万円
*時間を、誰でも通園の上限の8時間とすれば、倍の約20万円
・一時預かりはお金がかかるのに、誰でも通園なら無償
→誰がどう考えても、「ズルい」、差が生じてしまう
・この「格差」については、区はどう考えるのか?
区A:
・国→一時預かりについて検討している
・国の動きを注視
★練馬区は在宅育児の支援を強調。
であれば、この格差についても、
国を注視して終わりではなく、
区としてできることをすべきです!
【区民農園・緑地】
◼️上石神井二丁目区民農園(新設)
第101号 練馬区立区民農園条例の一部を改正する条例
・区民農園1か所を新設
・上石神井二丁目区民農園:練馬区上石神井二丁目10番
◼️大泉町四丁目やすらぎ緑地(新設)
第105号 練馬区立都市公園条例の一部を改正する条例
・緑地1か所を新設
・大泉町四丁目やすらぎ緑地:練馬区大泉町四丁目32番7号
【その他】
*大きな改正ではないものについて、
以下まとめてお伝えします。
◼️項ずれ
第102号 練馬区立障害者地域生活支援センター条例の一部を改正する条例 第103号 練馬区立こども発達支援センター条例の一部を改正する条例
・同じ法律の一部改正によるもの
(障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律)
・ 「就労選択支援」という項目が加わる
・その後の項目がずれたため(項ずれ)、条例を整理した…という変更。
条例の内容自体に、変更はありません。
◼️女性福祉資金の貸付限度額の引き上げ
第104号 練馬区女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例
・「東京都女性福祉資金貸付条例」の一部改正(引き上げ)
・都が引き上げたら、区も同額引き上げる
…という連動を毎回行なっている
・今回もそれによる改正です
・「事業開始資金、事業継続資金、就職支度資金、生活資金の一部、結婚資金、就学支度資金」の一部の貸付限度額が引き上げとなります。
◼️学校医等の校務災害補償の改正
第106号 練馬区立小学校および中学校の学校医、学校歯科医ならびに学校薬剤師の公務災害補償に関する条例の一部を改正する条例
こちらも、104号と同様、都(都立学校)が引き上げたら、区も引き上げる、という連動を毎回行なっています。
今回も都と連動した改正です。
・補償基礎額の配偶者の扶養加算額を廃止
・補償基礎額の子の扶養加算額および介護補償の額を引き上げ
配偶者の扶養加算を廃止するかわりに、こどもに対して扶養加算をつける…という内容です。