工事等の契約他、議案をレポート!【2025/6/17企画総務委員会】

2025年6月17日、企画総務委員会のレポートです。

★初めての企画総務委員会!(ドキドキ

議員になって8年目にして、初めての企画総務委員会。

企画総務委員会、略して企総(きそう)は
「筆頭委員会」と言われています。

他の委員会と異なり、
区長、副区長も出席。
心なしか、いや間違いなく
空気がピリッとして
緊張します…

質疑の角度が難しい案件も多いのですが
しっかり質疑していきたいと思います!
がんばります。

議案

今回は議案が多数。パターンに分けて、解説します。

①区立施設予約システムの更新・統合に伴う条例改正

区立施設システムリニューアルに伴い、
予約の単位時間を変更する…という議案。
企画総務の担当は、男女共同参画センターえーるのみです。

対象となる条例、施設

【参考】
議案の解説はこちら
https://koguchiyoko.net/nerima/20250617gian/
区立施設予約システム変更についての解説はこちら
https://koguchiyoko.net/nerima/20250520iinkai_bunkyko_hoiku/

②工事・契約関連

概要

大きく分類すると、以下の通りです

①大規模改修
西大泉地区区民館
生涯学習センター

②学校:解体
練馬東小学校、向山小学校、豊渓小学校

③学校:長寿命化工事
石神井南中学校

④備品の買入れ

⑤インフレスライド(工事費増額)


【改修】西大泉地区区民館

第78号 練馬区立西大泉地区区民館大規模改修工事請負契約

契約相手:株式会社吉原組
契約金額:267,300,000円
落札率:94.41%
工期:2026年8月25日まで
入札者数:8社

入札がうまくいかず、随意契約に

8社のうち7社が、
辞退6社、不参加1社と、入札に参加しませんでした。

残る1社も、最低制限価格未満
→再度の入札に。

2回目の入札も、また最低制限価格未満に。
→落札者がおらず、入札した1社と随意契約

…となりました。

議案となる規模の大きい契約で、
このような形で随意契約となったのは、
過去10〜15年、遡って調べられるなかでは、
初めてのケース。

辞退が6社もあり、工事の契約が難しくなっている現状を
象徴しているような議案です。

資材高騰、技術者不足が直撃!

辞退の理由は
見積額が予定価格を超過:3社
自社都合:2社
技術者の配置が困難:1社

「事業者の意欲はまだある」とも区は説明しましたが、
一方、現場の状況、原因についてはこうも答弁しています。

①急激な資材高騰
半年前の情報で、直近3か年
建設資材役3割
賃金2割
→想定を超える速度で上昇

②技術者の不足
高齢化
→受注者が減少に

与党会派からも、工事の不調が増えている件の質疑があり
懸念が広がっています。

高口Q:随意契約により、価格交渉が行われた。
金額は最低制限価格より上回ったのか?

区:最低制限価格は非公表でお答えできないが
予約価格に対する94%になった

入札だと安く設定しますが、
随意契約だと、「通常はこのくらい」という見積もりになるので、
入札よりは高くなるのだと思います。

【改修】生涯学習センター

第79号 練馬区立生涯学習センター空調設備等改修工事請負契約

契約相手:上杉・伊崎 建設共同企業体
契約金額:307,340,000円
落札率:92.39%
工期:2027年2月15日まで
入札者数:3社

高口Q:入札者数3社、入札は1社→2社は辞退、理由は?

辞退理由はいずれも
「技術者の配置が困難」。

やはり辞退=技術者不足が増えていますね。
規模の大きい工事ほど大変になってくることも、推察できます。


【解体】練馬東小学校

第80号 練馬区立練馬東小学校既存校舎等解体工事請負契約

契約相手:丸広・常陸 建設共同企業体
契約金額:469,247,900円
落札率:79.74%
工期:2026年3月19日まで
入札者数:5社

建設工事と違い、
解体の落札率は低く抑えられています。
(80%以下が多い)
解体の場合、自社で機材を有しているケースが多く、
上がるのは労務費くらいで、費用を抑えられること等が理由。

区内に入札に参加できる事業者も多いそうです。

一般的に、金額が小さいほうが入札に参加しやすかったり、
道路付けがしやすいところの人気が高かったりと、
事業者側の事情もあるそう。

【解体】向山小学校

第81号 練馬区立向山小学校既存校舎等解体工事請負契約

契約相手:丸広・常陸 建設共同企業体
契約金額:457,490,000円
落札率:98%
工期:2026年3月19日まで
入札者数:4社(うち1社辞退)

向山小は工事が遅れていました。
高口から、今後は遅れなどないか?
確認と要望をしました。

区:仮設校舎の工事が不調で、整備スケジュールが一年遅延
今回は、既存校舎の解体
不調対策、適正な予定価格の設定、債務負担行為の発注などに加え
見直しなど、受注制限の緩和に取り組んでいる

ちなみに、たとえば同じ解体の入札でも、
入札の終了期日を数日ずらして、
入札できなかった会社が
「もっと金額を絞ろう」など戦略を立てて、
次の入札に参加できるようにしているそう。
それによって、区としても、不調を避けるメリットがあります。
今回の落札率が、98%と解体工事にしては高めなのは、
練馬東小学校の解体工事が落札できたので、
次の入札は強気の金額で出したところ、偶然他が辞退等により、落札できた、というケースではないか?と推測できます。

【解体】豊渓小学校

第82号 練馬区立豊溪小学校既存校舎等解体工事請負契約

契約相手:関東・サカキ 建設共同企業体
契約金額:422,290,000円
落札率:79.83%
工期:2026年3月19日まで
入札者数:6社(うち2社辞退)

【長寿命化】石神井南中学校

第83号 練馬区立石神井南中学校校舎等長寿命化改修工事請負契約
第84号 練馬区立石神井南中学校校舎等長寿命化改修機械設備工事請負契約
第85号 練馬区立石神井南中学校校舎等長寿命化改修電気設備工事請負契約

【建築】
契約相手:コバ・小沢組 建設共同企業体
契約金額:993,388,000円
落札率:92.90%
工期:2027年3月19日まで
入札者数:2社

【機械設備】
契約相手:富張・千進 建設共同企業体
契約金額:437,800,000円
落札率:97.33%
入札社数:3社(うち1社辞退)

【電気設備】
契約相手:小松・小池 建設共同企業体
契約金額:249,252,300円
落札率:92.40%
入札社数:2社

長寿命化工事とは?

「長寿命化工事」は、練馬区ではこの石神井南中学校が初めてのケース。

実は内容は、大規模改修工事と変わりません。
40年目に行う大規模改修工事と区別して、
「長寿命化工事」と呼んでいます。

窓断熱はやらない!

学校断熱、教室断熱は、区の方針として、
長寿命化工事できちんと行なってほしいと思いますが…

長寿命化工事では基本的にやらないほうしん。

窓サッシごと取り替える必要があるので、
スケジュールと金額の兼ね合いでやらないという理由。

高口 Q:天井だけでなく、窓断熱も必須にしていただきたい!
区の方針として、見解を伺ったところ…?

A:断熱について、改築校については屋上に面した窓を複層ガラスにしたり、換気設備を設けるなどする。
今回の長寿命化工事では、屋根に断熱材を設ける。
換気の熱交換機、空調は効率のよいものにする。
考え→長寿命化工事は既存の躯体。
工期、コストの観点で検討する

窓断熱は効果的!
ぜひやってほしいと、強く要望しました。

工期の遅れがないように!

全体に関わることですが、今回も学校工事の案件が多くあります。

旭丘の小中一貫教育校の工事では、
予定外にケーブルの移設が必要となり、
体育館工事の遅れが発生しました。
https://koguchiyoko.net/nerima/20240829iinkai_bunkyo/

もっと早く完成していたはずが、
来月、7月にようやく新しい体育館が使えるまで延期、
5月6月でも熱中症が心配、
今日も35度もある予報ですが、
子どもたちは、エアコンのない体育館で体育や部活をしなくてはなりません。

他施設でももちろんですが、特に学校施設では、
工期の遅れがでないよう、進めてほしいと、こちらも強く強く訴えました。

【備品の買入れ】石神井南中学校、旭丘の小中一貫教育校

第87号 練馬区立石神井南中学校校舎等長寿命化改修工事に伴う備品等の買入れについて
第88号 新たな小中一貫教育校校舎等改築に伴う備品等の買入れについて

【石神井南中学校】
契約相手:有限会社ブレインズ
契約金額:32,471,219円
入札者数:2社

【旭丘の小中一貫教育校】
契約相手:有限会社ブレインズ
契約金額:121,873,840円
入札者数:2社

区内の多様な会社が受注できるように…

入札した事業者がどうこう言う意図は全くない大大大前提で、
区の発注が区内経済活性化という意義をもつことから、
多くの会社に発注が行き渡り、
偏らないことは重要と考えます。

入札した会社は、学校の備品買い入れで常に名前を見かけます。
今回も、2校どちらも入札しました。

高口Q:過去実績、この会社がどのくらい
学校の備品買入れで受注しているのか?

A
ブレインズ
過去、議案になる案件、
契約事務システムで確認できる平成30年以降
学校備品の買い入れ8件のうち、
すべて、複数入札参加者があったなかで
ブレインズが入札

と、近年の受注議案は「すべて」同じ事業者とわかりました。

これには、金額が大きいと、ある程度規模の大きい会社しか金額を抑えた
入札ができない背景もあると思います。

一方、2位、3位は常に東商文具、千草屋という、
こちらも同じ事業者の名前があがっています。
(今回も、2社のうち1社が東商文具)

同じ会社とならないように、
区内事業者育成や、発注のあり方の見直しなど
考えていただきたいと要望しました。

A
区内事業者が前提(私もそこは異論ありません)
学校備品買い入れ→区内事業者を入札参加資格としている
区内事業者で入札できるのが10社ある
入札に参加できれば新規ルート開拓、仕入れ能力向上となる
発注機会を確保することで成長を望んでいる

という答弁でした。
ぜひ、他の会社も成長できるよう、検討いただきたいと思います。

学校の机の大きさ、旧規格のまま…

タブレットの使用などで、学校の机が小さい、狭い、広いものに…という声があります。
しかし、石神井南中学校は学校の大きさが変わらないため、
「旧JIS規格」の机のままと、他会派の質問で明らかに。

新JIS規格は、改築校で教室が多少大きくなれば、
そちらを購入するそうです。

旭丘のほうは改築校なので、新JIS規格。
石神井南でも、新JISにできなかったのかな、と思ってしまいますが…。

学校とヒアリングもして、今回購入品を決定していますが、
必要なものは今後も購入すると、答弁がありました。

【買入れ】地区区民館、地域集会所にキャッシュレス券売機を導入

第86号 練馬区立地区区民館および練馬区立地域集会所の券売機等の買入れについて

地域施設に、キャッシュレス決済も可能な券売機が導入されます。

こちらは区外事業者に決まり、
区内事業者は入札できない、もしくは辞退となりました。

券売機の扱い自体は、区内に9社あるものの、
うち、キャッシュレス券売機の対応できるのは、
区内で2社のみ。
今回は区外事業者の入札を可にし、
区外の受注となりました。

今回のキャッシュレス決済の機器の導入にあたり
地域の方からご意見を頂きました。
「お金を扱うことになり、夜間の当番が心配」とのこと。

大金は扱わないと思いますが、
金額の多寡に関わらず、何があるかわからないので、
ぜひ不安が解消されるよう、対策を講じてほしいと要望しました。

★回数券の使用期限にご注意を!

新たな券売機導入にあわせて、回数券が発行停止になります。

発行停止:11月1日
使用期限:2026年10月31日
還付期限:購入日から5年以内、2030年10月31日まで

期限を超えると利用できなくなるので、どうぞご注意ください!

✳︎議案第62号 練馬区立地区区民館条例の一部を改正する条例

【工事費増額】中村橋区民センター

第89号 練馬区中村橋区民センター大規模改修工事請負契約の一部変更について
第90号 練馬区中村橋区民センター大規模改修機械設備工事請負契約の一部変更について
第91号 練馬区中村橋区民センター大規模改修電気設備工事請負契約の一部変更について

いわゆるインフレスライド。
労務単価の上昇などによる、工事費の増額です。

【契約相手】
建築:吉原・チョウトク建設共同企業体
機械設備:富張・千進建設共同企業体
電気設備:小松・小池建設共同企業体
*工期:2025年9月30日まで

中村橋区民センターは、サンライフ練馬で廃止される施設の移転も関わっている工事。
*こちらでも解説
リンク先

工事費の増額となる「インフレスライド」
→今回ですでに増額の議案は、2回目。

高口Q:去年の最初の議案から、何%、いくらあがっているか?

A:2回目の変更
当初からの状況
建築:9億5千→+3293万円増、103.46%
機械:5億9千→+4049万円増、106.79%
電気:3億6千→+2582万円増、107.12%

*平均約105%、約9900万円

どんどんあがっていますね…。
特に、電気工事は107%で、上がり幅が高い!
美術館改築も、どんどん上がるのだろうと、推測できます…

③給付金の誤支給→事業者を提訴

第92号 給付金の誤支給に係る損害賠償請求に関する訴えの提起について

提案の理由

・2023年度、「電力・ガス・食料品等価格高騰支援給付金」を2回支給
・同じ事業者に委託(株式会社アクト)
・1回目と2回目で、支給の判定日が変更されなかった
・その結果、誤った判定日で支給
・その間に亡くなった単身者244件、総額1708万円が誤支給
・相続人*に返還を依頼→一部回収
*相続人が不存在50件、相続人がいる40件
・未回収分を、事業者に損害賠償請求
・事業者は「半額なら払う」と回答
・区は交渉を続けてきたが、事業者の考えが変わらず、提訴に踏み切る
・金額は、損害額(事務費・人件費含む)から返還分を除いた831万円

質疑

Q:そもそも、アクトに委託することになった経緯

A:当時、速やかに3万円支給する必要があった
→迅速かつ効率に処理するため、2022年度に実施した同様の支援給付金の管理システムをベースに構築し、一体的に運用することが当時効率的と考えていた
システムを担えるのが、2022年度にシステム委託した株式会者アクト→随意契約
・その後、国の通知で新たに7万円を給付→アクトと契約
・現在、別のシステムにする計画

Q:アクトについて、区の見解
A:初歩的なミス、許し難い
・区でチェックをしなくてはならないと事業者は言っているが、
死亡者の確認まで区の工程に入っていない
(*しかも、区のチェック期間は1日程度しかなかった)
・システムは委託するが、
→誤作動しないか検証期間を十分にとることが必要
→本件は、同じ対象者に給付。一部の設定変更のみ、一から作るものとは違った
・今回と同じ環境が起こったとして、再発防止策は
→事業者職員が、制度を正しく理解することを徹底いただく
・給付金システムの判定日は、区の職員が直接作業できる仕様に変更
・委託事業者への確実な理解を求める

高口Q:アクト→他自治体でも給付金事業を担っているのか?
A:給付金事業、他自治体でもいくつか受注

高口Q:給付金事業のシステムを担える事業者、他にたくさんあるのか?
A:アクトとの契約になるかどうかについては、金額の面だけでなく、履行に対してきちんとできるか、プロポーザル方式で選定する方法もある
・都内事業者なら、数社ある
→適切な事業者を選んでいきたい

国の給付金事業の問題

といっても、「数社」しかないので、それほど選べない状況なのかな、とも感じます。

国の給付金事業によって、区、自治体が振り回されている状況も見えてきます。
「迅速に給付」という裏側で、
その大変な事務作業を担う自治体の大変さ。
その結果、ミスが起きれば、余計大変な事態になる…

今も、国が選挙対策と目されている「2万円給付金」を掲げていますが、
「給付金事業」の是非が、やはり問われます。

④職員の育休等、制度の改正

93号 練馬区職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例
94号 練馬区職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例
95号 練馬区立幼稚園教育職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例の一部を改正する条例

区長が新しく変わった品川区が先行して始めたことで話題になった
「子育て部分休暇」。
練馬区でも導入したばかりですが、さっそくの改善です。

今回は、国の法改正+各区の判断による改正です。
条例は3つにまたがりますが、内容はすべて同じです。

主な変更点

★1日2時間の取り方が柔軟に

改正前:朝か夕のみ(勤務の始めか終わりのみ)
改正後:①②どちらかを選べる
①1日2時間以内ならどこでもOK
(例)中抜けOKに
②年度ごとに10日相当
(例)1日3時間でも、丸一日でもOK

*他休暇制度との併用はできない
*その年度で①を選択したら、その年度は②は使えない
*すべて無給、有給ではない
*子どもが何人でも、職員1人につき2時間

Q:他区の状況

・子育て部分休暇自体は、23区はほとんどやっている→22区
・各区事項(各区の判断で決められる)
・対象を12歳、障害ある子18歳まで伸ばしているところ→9区
・障害ある子が小学生まで、中学生まで、等、区によって異なる

無給のため、基本的には有給(年休)を使い、
それを使い切ってから使う…という状況です。
実際に、部分休暇を利用しているのは、年150人程度。
年休を使い切って…というケースは、年30人程度。
今回の改正でも、利用状況が急増することは、あまりなさそうです。

結果

89−91号中村橋区民センターの工事に関する議案のみ、
一部会派から議案への反対が出ました。
(「一部反対」という形)

高口の会派も、練馬区立美術館改築やサンライフ練馬の廃止を
伴う工事であり、その点は反対。見直しを求めつつ、
今回の議案はインフレスライドによる
工事費の増額のため、可決としました。

他の議案は、全会一致で「可決」となりました。

 

陳情

陳情103号 選挙における郵便投票の対象基準の拡大と手続の簡略化を求めることについて

署名:74人(6月17日時点)

今回は、資料請求のみ。

高口からは、
①練馬区の郵便投票の対象者数
②最近の選挙での利用者数、率
③陳情に「書類が大変多く、同時にわかりにくい」とある
どのような手続きとなっているか、必要な書類など

を請求。

他、1会派が
・障害区分ごと、直近の総選挙等での数
を請求しました。

質疑・審査は後日となります。
質疑があったら、またレポートします!