練馬区議会・第三回定例会、閉会。陳情の討論が大荒れ!?賛否は…?
※2023年10月13日、練馬区議会・第三回定例会最終日のレポートです。
練馬区議会・第三回定例会、閉会
始まったのは、9月頭、まだまだ猛暑の日々。
そして終わったのが本日10月13日、すっかり秋の涼しさ……
9-10月議会(第三回定例会)は、
いつも「いつの間にか、夏から秋になったなあ」と感じる議会です。
そんな、長かった決算特別委員会の議会が、終了しました。
最終日は、討論が多く、いつもより長時間に。
そのポイントをお伝えします!
ヤジがひどい!!!
①区民から、ヤジをやめさせて、と要望書が出るほど…
もともと、ヤジ(不規則発言)がひどいことで一部では有名な、練馬区議会。
ついには区民から議長あてに、
「聞くに堪えないひどいヤジによる議事の妨害、練馬区議会の品位の棄損の再発防止に向け、議員各位をご指導賜りますようお願いいたします」
という要望書が出てしまいました(10月12日付)。
「練馬区政に関心がありながら、特定の議員の威圧的で口汚いヤジを聞くのが嫌さに、傍聴自体をためらってしまう」
という方もいらっしゃり……
忙しいなかで、わざわざ傍聴までお越しくださった方に
「もう来たくない」なんて思いをして頂きたくありません……。
②最終日も、やっぱりヤジがひどかった。
にも関わらず、最終日の討論の最中も、質疑がきこえない程のヤジが飛びました。
議員はそれほどのヤジをする一方で、傍聴者は発言や拍手ができないルールがあります
(黙って聞かざるを得ない、心ある方は、さぞ苦しいでしょう……)。
議員のヤジの中、傍聴者が思わず発言や拍手をすると、後ろを向き、
傍聴者に向かって厳しい言葉を放つ場面も、多々ありました。
議員が黙っていれば、傍聴者も黙って聴いてくださると、私は思うのですが……。
1.陳情への討論が多数!
さて、ここからは、議会の中身に入っていきます。
これまでは、議会の最終日は、予算・決算に対する討論くらいなのですが。
今期から陳情の審査が行われることとなり、陳情に対する討論が多数!
陳情への討論から、練馬区議会の状況が見えてきました。
陳情討論の特徴
①討論されたのは、すべて否決された陳情(6本)
実は他にも、可決(採択)された陳情もあります。
ただ、討論(=なぜ賛成or反対なのか、本会議で意見を述べよう!)
までしたのは、すべて、否決された陳情でした。
②陳情に「賛成」する討論が、ほとんど
- 陳情に「賛成」の討論…9人
→共産党、インクル(高口所属)、生活者ネットワーク、他 - 陳情に「反対」の討論…1人
→自民党のみ
陳情は否決されたけれど、
討論までして訴えたいという会派は、
ほぼ、陳情に「賛成」という状況。
討論する会派は、ほぼ野党です。
高口も、会派を代表し、討論を2回、行いました。
→でも、陳情は不採択…
不思議ですね…
③国政に関わる陳情の討論も
これまでは、陳情審査がなかったので、国政に関わることは、「区政には関係ない」として、議論しづらい状況にありました。
国政に関わる陳情が出され、審査されることになり、議論しやすくなりました。
しかし、そこでのヤジが、ひどくなる傾向にあります。
陳情の賛否、結果は…
①陳情に「賛成」の会派
- 共産党
- インクル(高口所属)
- 生活者ネットワーク
- れいわ等、1人会派2つ
②陳情に「反対」の会派
- 自民党
- 公明党
- 練馬会議(都民ファースト3人、無所属議員2人、国民民主党1人)
- 維新の会
- 参政党
③賛否を分けた会派=立憲民主党
立憲のみ、陳情ごとに、賛否を分けました。
- 核兵器禁止条約の署名・批准を求める陳情
- 防衛費のための増税に反対する陳情
- 練馬区立美術館の建替えの見直しを求める陳情
→反対
- インボイス反対の陳情
- 軍事大国化に進もうとする姿勢に反対の陳情
→賛成
ややこしい、陳情採決での「起立」
ちなみに、ややこしくて混乱しがちなのが、「起立採決」。
「委員長報告に賛成」する議員が「起立」します。
委員長報告では、陳情は「否決」されているので、
- 起立する=委員長報告に賛成=陳情に反対
- 起立しない=委員長報告に反対=陳情に賛成
ということになります。
高口も、間違えないように、いまだに気を付けています(;^^)
2.否決された陳情と、除外された陳情
討論のあった陳情とは別に、高口が気になった陳情2件について、ご紹介します。
①「区民に分かりやすい適切な陳情審査を求める」陳情が否決に…
もうこのタイトルを見ただけで、賛成でしょ?と思うのですが…
陳情の要旨は、
- 陳情は、住民の切実な要望・意見。時期を失することのないよう、早期に審議し、結論を出してほしい。
- 賛成反対の議員名と理由の公表を。
- 審査の際、委員会において、陳情代表者が補足説明する機会の保障を。
- 傍聴しても資料がなく内容が分からないため、陳情審査の資料を、事前にインターネットで公開を。
- 区政・都政の問題も、住民に身近な問題。区外在住者等から提出された陳情も、すべて審査を。
……どれも、そうするべき!と思う内容なのですが、
……否決されました……
②審査除外された陳情
選挙前の前期まで、練馬区議会では、区外の方からの陳情もすべて受けていました。
(そのかわり、陳情審査はほとんどしませんでした)
選挙後の今期から、陳情をすべて審査することになったかわりに、区外在住・在勤の方からの陳情は、受け付けないように変更しました。
ただし、区民生活に関わりの深い陳情は扱うこととして、その判断は、幹事長会(非公開)で行われます。
今回、その規定に引っ掛かり、初めて、審査除外、つまり受け付けなかった陳情がありました(陳情32号→欠番に)。
その問題を会派として、議会運営委員会で意見しました(会派の岩瀬さんがまとめた意見を、高口が発言しました)。
以下が、その要約です。
区民の生活に直接関わりがあるかを、公で議論できない
- 陳情32号は、「区外在住・在勤の方からの陳情で、区民生活に直接関わりがあるか疑義がある」とのこと。
- 幹事長会での審査を継続するかは「議会運営委員会の了承を得る」ことが求められているにも関わらず、陳情の内容すら、委員会では明らかにされず。
- そして今回、審査除外になることが、幹事長会で決定。
- そもそも、なぜ議会運営委員会で、陳情が「区民生活に直接かかわりがあるか」を議論できず、非公開の幹事長会で決められてしまうのか?
- 申し合わせの中には、幹事長会で議論を行う前提として「議会運営委員会の了承を得る」と明記されている。
- 議会委員会で中身にも触れられないということ自体、非常に問題。
今回の陳情も、区民生活に深い関わりがある内容
- 事前に陳情の内容を確認したところ、明らかに区民生活に直接関わる内容。
- 与野党を問わず決算特別委員会や一般質問でも議論をしてきた内容。
- もし区民生活に直接関わらないと判断するのであれば、今まで議員が質疑してきたことは何だったのか、自己否定にもなりかねない。
- だからこそ、審査除外にすべきではない。
- 今後も同様の問題が起こりかねないからこそ、議運での、区外からの陳情の取り扱い方の見直しが必要。
3.新しい教育委員が選任
坂口節子氏が任期終了となり、
新しい教育委員に、森山瑞江(もりやまみずえ)氏が選任されました。
参考練馬区HP:教育長および教育委員の氏名等
こちらは全会一致で、高口の会派も賛成しました。
※ちなみに、「教育長」の選任では賛否はいつも割れますが、「教育委員」の選任では、全会一致のことが多いです。
森山さんは、「練馬手をつなぐ親の会」の代表で、自身も知的障害のあるお子さんを育てられました。
福祉と教育についての知見に期待されての、選任ではないかと思います。
4.意見書2つ
意見書が2つ、提出されました。
- 固定資産税及び都市計画税の軽減措置等の継続を求める意見書
- こちらは定期的に、同じ主旨の意見書をあげています。
- 練馬東青色申告会、練馬西青色申告会の2団体から陳情が出て(署名は0人)、即可決に
- その後、同主旨の意見書が提出される、という流れです。
- (仮称)オーケー大泉町店の出店における交通渋滞発生防止策を求める要望書
- 現在出店準備中の店舗の状況で、渋滞が予想されることから、車両出入口の位置の見直しなど、渋滞防止策を講じるよう、求めるものです。
今回の定例会については、10月22日のオンライン区政報告会でも解説していきます!