学校での性暴力、性被害・性加害防止策、徹底を!【練馬区議会議員・高口ようこ質疑】

2023/2/27、練馬区議会・予算特別委員会より、高口ようこの質疑です!

Q1:現状の取組は…

現在、文科省でも取り組みをはじめていますが、
まず、現在、練馬区が行っている対策を教えてください。

参考文科省「性犯罪・性暴力対策の強化について」

A:教育指導課長
  • 性暴力防止法制定
  • 第三者窓口設置
  • 教員への研修、アンケート、セルフチェック等を実施
  • 区独自のマニュアル作成
  • NPO法人による研修
  • 毎月5月に強化月間

※答弁の詳細は、後日UP(他同)

★まずは入口で止める

ほとんどの教職員の皆様が、きちんと子どもに接してくださっているという
大大大前提の上で、伺っていきます。

★子どもと接する職場では高まる

性障害専門医療センター代表理事・福井裕輝氏によれば、

  • 海外の調査では、子どもに性的関心を持つ男性は人口の5%、女性で1-3%。
  • 子どもと接する職場では高まり、男性では一般に教職員の1割と考えられ、
  • 福井氏は2割いてもおかしくないと推測しています。
  1. こどもしか対象にしない型と
  2. 成人に関心があるのにコミュニケーションに自信がない等の理由で、

があります。比較的抵抗の少ない子どもに関心を向ける型

性的嗜好と加害は別物で、小児への性的嗜好があっても
加害を行うわけではないことを強調しておきます。

だからこそ、入り口として、小児への性的嗜好のある者を、
子どもに関わる職につかせないことが重要
です。

正規職員はデータベースがありますが、
疑いのケースでは掲載されない課題もあり、改善を求めます。

Q2-1:非正規職員への対応

現在の対策では不十分なのが、非正規職員です。

練馬区で、2021年12月に起きた盗撮事件も非正規職員で、
裁判では2019年にも盗撮で検挙され、罰金50万円が科せられていたと
明らかになりました。

詳細「感情が抑えられなかった」練馬の小学校職員、スマホで児童らの着替え盗撮

現在、学校では、非正規職員をどんどん増やしています。

正規化がこの点でも重要ですが、

  • 他区との連携
  • 練馬区内でも学校以外の保育、学童等子どもに関わる部署とも連携し、
  • 採用時点での防止策をとるべきです。

Q2-2:採用時の対策を

また、採用時に、自己チェックシートを用いる等対策をすべきです。

A:教育指導課長
  • 面接でみる、校内の様子を観察などで対応
  • 非正規→個人情報のため連携が困難
  • 対策、検討する

★加害を起こさない環境づくり

採用後は、加害を起こさない環境づくりが重要です。

練馬区でも、死角をつくらない等の対策(※)を各校に求めていますが、
全校で確実に行われることを要望します。

※毎月安全点検で、チェックリストの項目に入れている
(1対1の指導をしない、SNSしない等)

★教員のストレス軽減

また、加害は性的欲求よりも、支配欲や認知のゆがみによるものと言われています。

その点でも、教員のストレス軽減、多忙化解消も重要であり、さらなる改善を求めます。

Q3:被害児童へのケア

もちろん、被害児童への丁寧なケアを強く求めます。

性暴力は特に「被害者にも落ち度があった」「先生は悪くない」といった
2次被害が起こりやすく、

周囲の児童保護者を含めた二次被害の防止策が必要ですが、その点を伺います。

A:教育指導課長
  • 速やかな支援が最重要
  • 本人、保護者の思いを聴き取り、個々に対応
  • 被害者→無力感、罪悪感を抱く場合も
  • 専門家と連携

Q4:加害児童への対応

現在の区のマニュアルに入っていないのが、加害者が児童生徒の場合で、
より対応が困難となります。

被害・加害児童生徒が学校に在籍している場合の危機対応手引き』などがあり、

区としてしっかりマニュアル、研修等整備すべきですが、見解を伺います。

A:教育指導課長
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構の手引きを基本にする

Q5:性教育

文科省提唱の「生命(いのち)の安全教育」を、
練馬区も来年度から、全校全学級で行います。

いわゆる性教育と重なる内容で、プライベートゾーン等、単に自分を守る対策だけでなく、

  • ジェンダー平等や、
  • 自分のからだのことは自分できめるリプロダティブヘルス&ライツ

の考え方に、つながる内容です。

その点をしっかり意識して教えなければ、支配の構造をもつ性暴力の防止にはなりません

見解を伺います。

A:教育指導課長
  • 男女平等教育、男女共同参画社会の形成という視点から、男女混合名簿推進、中学校保健体育の男女共修に取り組んでいる
  • 生活指導担当者連絡会や、各校の人権教育担当教員、中堅教諭対象の人権教育研修会(年2回)で、男女平等教育について取り上げ、啓発
  • 全学校が人権教育を進めるための指導計画を作成
  • 各教科や日常的な指導のなかで取組を進めている
  • 性暴力の未然防止の観点からも、今後も引き続き人権教育に取り組む

 

★担任に課題がある場合…

この授業は担任が担当すると思いますが、その担任に課題があることも考えられます。

複数の先生で授業を行うなどの配慮もするよう、要望します。


参考高口主催講座:まだまだ…だけど、変わりつつある社会/2/23(日)「性暴力のない社会をめざして」レポート