【決算】”持続可能”な産後ケアのために…【高口質疑】

※2022/9/27、練馬区議会・決算特別委員会、「保健福祉費」での高口質疑2です!

①    施設は増えたが…実際は?

産後ケアのなかでも、ショートステイのニーズは高く
昨年度の利用者は、のべ831日。

コロナ禍で里帰りできない、手伝いがないなか

  • 産院を出てすぐショートステイをしたい、
  • 育児不安、疲れから、産後数か月して利用したい

…など、コロナの閉塞感の中、ママたちの切実なニーズがあります。

 

練馬区では

  • 2021年度、順天堂練馬病院が加わったものの
  • 2022年度に増えたショートステイのできる3施設は、すべて区外です。

うち、練馬光が丘病院など2病院は
「そこで産んで引き続き利用する方だけ」と限定的

一方で、練馬区で産後ケアをはじめたパイオニア
「ねりじょはうすLuna」は今年3月でショートステイをやめました

 

②    産後ケアは究極の個別ケア

産後ケアはとても難しいケアで、

産後一番弱り、ピリピリしている利用者が、
どんな人かをつかむところから始まり、
ショートステイなら最長7日間。

「助産所ならうまく授乳ができるかも」
「言いにくいことが相談できそう…」
と、期待値は高いけれど、原則一人シフト

  • 相談しやすい優しい雰囲気
  • 様々なお母さんに対応できる心の広さ
  • 豊富な生活体験
  • 家事、ケア、相談能力

…など、高い専門性、幅広い知識と能力が求められます。

継続フォローが必要な方には、
区との連携という役割も担います。

にもかかわらず、売上は出来高払い
利用者数に左右されるため、運営が安定しません

Q1:利用者に左右されない、運営費自体の補助を&家賃の保証を!

区内助産師による質の高い産後ケアが安定して続くためにも、
運営費自体の補助が不可欠です。

物価高騰への緊急支援も必要ですが、
家賃が大きな割合を占めるため、せめてその保証をと思います。

  • 区内産後ケア施設の費用面での区の課題認識について
  • 運営費、特に家賃の補助について

答弁を求めます。

練馬区A
  • 産後ケア事業は、平成28年度の事業開始以来、多くの母子の方にご利用いただきまして、ゆっくり休めるなど、お母さん方から高い評価をいただいております。
  • まず費用面のことです。
  • 母子ショートステイ、デイケア、産後ケア、必要な委託料は委託事業者に支払っております。
  • 母子ショートステイの場合ですと、1泊2日で施設には5万4千円の委託料を支払っております。
  • そのため利用者につきましては1万2千円の支払いで利用できることになっており、
  • 施設には合計で6万6千円支払われることになります。
  • 母子デイケアの場合ですと1日1万6千円、産後ケアは1回1万2千円が施設に支払われることになります。
  • 運営費は基本的に委託事業者が責任をもって行うものであり
  • 区としては運営費の補助は困難と考えております。
  • また今後の区の課題でございます。
  • これまでも助産師会の方々とは健康部長同席のもと、直接会って情報交換を行っております。
  • 現場での課題ですとか、コロナで大変苦労していることなどお話しいただいております。
  • 引き続き、情報交換を積み重ねながら事業で改善する点があれば検討してまいります

 

③    練馬区の産後ケア、どこに向かっていくのか?

コロナ禍で、いろいろと物価高騰もしておりますので、そちらの対応もお願いしたいと思います。

仮定的な雰囲気が落ち着くなど、病院とは違う環境で
助産所の産後ケアを求める利用者は多いですが、

現在区内でショートステイのできる助産所は、
ぱお助産院のみとなりました。

しかも、放射35号線の立ち退き区域にあり、
自己資金300万円をかけて開業したため、
今後立ち退きとなっても、移転する余裕はないと聞いています。

Q2:練馬区は今後、どんな産後ケアをめざすのか?

少子化に加え、不景気、コロナ禍、就職さえ危うい状況で、
自費で数百万円をかけてまで開業する施設が
今後、Lunaやぱおに続いて出てくるかというと
経済的に厳しいのではないでしょうか。

運営費自体の補助をしないなら、練馬区の産後ケアは先細りではないか。

開業できる助産師がいなくなったあとどうするのか。
すべて病院や、区外にまかせていくのか。

練馬区が今後どのような産後ケアをめざすのかが問われています

  • 区内助産師会等と相談しながら、長期的な産後ケアについて、
    今からビジョンや施策を考えていくべきですが、その見解
  • また、家賃だけでなく、場所の問題が大きく、産後ケア施設というだけでなかなか物件が見つからないとのこと。地域の助産師の経験や能力を活かしながら、ベッド数を確保する意味でも、区立産後ケアセンターの設置も重要と考えます。

2点伺います。

練馬区A
  • 令和3年度に母子保健法が改正されまして
  • 対象は産後の4か月から1歳未満の母子となりました。
  • 産後ケア事業は、全国の自治体の努力義務になるなど、国も進めているところです。
  • 区では、病院や助産院など様々な機関にご協力いただきまして実施しております。
  • 委託や運営費など、引き続き現行の事業スキームで実施してまいりたいと考えております。
  • また、区立の産後施設につきましては現在のところ考えてございません。

現行のスキームだと先細りの実情があります。

練馬区には現状を見つめ、しっかりと方針をたて、事業者を支援頂きたいと思います!

また、利用料についても、非課税世帯等に減額があるとしても、非課税にはならないまでも生活に苦しい方はたくさんおり、利用料の補助拡充も、あわせて求めていきます!