【高口一般質問2021-7】新しい働き方と工賃のあり方

※2022/2/8、練馬区議会・高口ようこの「一般質問」7つ目です。

 

新しい働き方

最後に、働き方について伺います。

コロナ禍は働き方を変え、在宅ワークを常識にしました。

「職住近接」という点では、地域経済にとってプラスとも言えます。

私は仲間と、子ども連れで来られる「親子コワーキング」に取り組んだことがあります。

コロナが終息したのちは、地域で集い、交流するコワーキングスペースのような働く場づくりが必要ではないでしょうか。

Q1

  • コワーキングスペースと
  • 「職住近接」

の意義について、区の評価を伺います。

練馬区答弁

【総務部長】

 長引くコロナ禍によって、住宅でのテレワーク需要や、身近な場所で利用できるシェアオフィスやコワーキングスペースなどのニーズは高まっているものと考えます。

 また、国では、コロナ禍を契機に、都市におけるオフィス等の機能や生活圏の今後の方向性として、職住近接の推進が検討されています。

 通勤時間の短縮や満員電車の解消、ワークライフバランスの向上などにおいても効果があるものと考えます。

  • コワーキングスペースや職住近接の意義について、前向きな答弁!を引き出すことができました!

工賃のあり方

また、練馬区は来年度予算で、障害者施設の工賃向上を掲げています。

しかし関係者からは、

生産性が求められ、企業化しているB型作業所もある
生産性向上は支援者の努力が大きく、
中には、疲弊したスタッフが怒鳴ってしまい、通えなくなる利用者も出ている」

との実態を聞きました。

もちろんそのような事業所ばかりではありませんが、

当事者が真に「自立」するためには

「どんな仕事がしたいか」
「なぜ働くのか」
「働いたお金で何をしたいか」

を考え、自己決定できること。

そのために、社会に出る前に、失敗も含めて経験できる場や情報が必要です。

しかし今の施策ではそれが難しく、

「働く」のではなく「働かされた」のちに傷つき、自信をなくし、社会をおそれるようになった当事者がいます。

Q2

そのような方にとっては、
生産性を求められ、働かされて工賃が上がるよりも
まず、安心して回復できる場所と時間が必要です。

誰のための工賃なのかに立ち返るよう求めますが、
見解を伺います。

誰もが自分らしく、心地よく暮らせるまちになることを願い、
一般質問を終わります。

練馬区答弁

【福祉部長】

 福祉的就労には、障害特性や個々の能力に応じた多様な働き方のできる場が必要です。

 障害者施設には、利用者の個々の状況に応じて、やりがいを感じることができる作業の充実が求められています。

 令和元年度に実施した障害者基礎調査では、個々の状況に応じた多様な働き方を求める回答や、収入増を求める多くの声が寄せられました。

 都内では、産業集積のある区の平均工賃額が比較的高い傾向にあり、住宅都市の性格のある区は低い傾向にあります。

 練馬区の平均工賃額が都内平均を下回っていることは課題と認識しています。

 利用者が適正に応じて能力を発揮し、働いた対価が実感できるよう、区は、本年6月から経営コンサルタント派遣事業を開始するほか、障害者施設のECサイトを集めた「ねりいちポータル」を開設し、商品開発力や販売力の強化を支援します。

 昨年の報酬改定では、工賃向上とともに、多様な就労ニーズに対応するため、従来の平均工賃月額に応じて評価する体系に加え、新たに利用者の地域活動等への参加支援などについて評価する仕組みが導入されました。

 新しい報酬体系を希望する事業所に対して、加算の動向などの情報を提供し、個別の相談に対応しています。

 引き続き、利用者一人ひとりの適性や希望に応じた就労支援を進めてまいります。

  • 工賃が低いことはもちろん課題なのですが、それによる弊害(生産性優先)について質疑したのですが、答えを頂けていないな、と思います。
  • コンサルタントなどの区の施策は、むしろ生産性重視の方向を強めるのではないか、と危惧しています。
  • 今後も、「生産性」よりも、当事者に寄り添う施策となるよう、求めていきたいと思います。