【高口一般質問2021-4】性教育とジェンダー平等
※2022/2/8、練馬区議会・高口ようこの「一般質問」4つ目です。
①ユネスコ国際セクシュアリティ教育ガイダンス
世界のスタンダードとして定評のあるユネスコの「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」改訂版には、キーコンセプトが8つ掲げられています。
1:人間関係
2:価値観、人権、文化、セクシュアリティ
3:ジェンダーの理解
4:暴力と安全確保
5:健康とウェルビーイングのためのスキル
6:人間のからだと発達
7:セクシュアリティと性的行動
8:性と生殖に関する健康
各項目を、5~18歳以上の4グループに分け、各発達段階にあわせて教えます。
日本の性教育の中心である発達や生殖を理解するためには、まず、寛容さ、人権、ジェンダー平等といった基礎を、5歳から教えることが必要なのです。
Q1
このガイダンスに対する区の見解を伺います。
練馬区答弁
【教育振興部長】
現在、区立小中学校では学習指導要領に基づき、望ましい人間関係や体の発達など、発達段階に応じた性に関する正しい知識や考え方を身に着ける学習を行っています。
また、あらゆる教育活動を通じて、互いの人権や自他の生命を尊重する心情を育てており、国際セクシャリティ教育ガイダンスが示すコンセプトと同様の内容を学んでいます。
学習指導要領に示されていない内容を扱う場合は、児童生徒の身体的・精神的発達や、個人差に十分配慮し、保護者に丁寧な説明をしたうえで実施するなどの慎重な対応を促しています。
- とても、世界標準にふさわしい内容とは思えないのですが……汗
- この認識を改めるところから、引き続き働きかけていきたいと思います!
②性教育は護身術
「性教育は護身術」でもあります。
自分のからだは自分だけのもので、親でも誰でも、許可なく勝手に触らせてはいけません。
それを知らなければ、誰かに触られたとき、「いけないこと」と気づくことも、大人に相談することもできません。
知識こそが身を守る。
防犯の観点からも、「プライベートゾーンは触らせない」などの知識を、小さいうちから教えることが重要です。
Q2
低学年までの子どもも含めた、こどもの性被害の防止策の拡充について、伺います。
③ 男の子も被害にあう
男の子が性被害にあうケースでは、
「男だからうれしいだろ」
「男なのになぜ反撃しないのか」
といった周囲の思い込みにとらわれ、言いづらく、顕在化しにくい面があります。
「男の子なのに」「男の子なんだから」という生きづらさは、
女の子の生きづらさともつながるジェンダーの問題です。
Q3
- 子どもが性被害にあった際、打ち明けやすくする工夫
- 被害防止のためにも、ジェンダー平等の教育が重要なこと
2点、見解を伺います。
練馬区答弁
【教育振興部長】
性被害防止については、国が作成した資料「生命(いのち)の安全教育」を活用して学習を進め、悩みを抱えた子供に対しては、いつでも相談できる環境を整えています。
- 相談しやすい環境とはなかなか言えません
- より実効性ある防止策を導入すべきです!
④練馬区の女性管理職
ジェンダー平等の観点から区政を見直すと、前川区長の就任後、
- 2015年で4名いた女性の部長級が→2021年には3名と後退。
- 課長級では、男性は14名も増えたのに、女性の増加は5名。
- 課長級ではわずか1%の増で、部課長級あわせても、7年で3%の増加にとどまっています。
区長自ら選任できる副区長2名も、女性は一人も起用されませんでした。
また、2015年は一般職は女性がわずかに多く、51%でしたが、2021年は、男性が51%と逆転。
これは主任にあがった女性保育士が多いためですが、保育士は園長でも係長級で、管理職にはなりません。
また、正規の一般職147人の増加に対し、女性が9割を占める非正規職員(会計年度任用職員)は約4倍、547人も増加しました。
Q4
- 前川区政7年間の女性管理職の増加は十分か
- 今後増やすためにどのような方策をとるのか
伺います。
要望
非正規職員の増加など、むしろジェンダー不平等を招いた区政であり、
会計年度任用職員の待遇改善と、練馬区の「ガラスの天井」を壊すことを求めます。
練馬区答弁
【総務部長】
区長は日頃から、職員の任用は、「性別や職種を問わず、能力・実績のある職員を登用しなければならない」と指示しています。これまでも、公平・公正な昇任選考制度に基づき、職員を任用してきました。
当然ながら、女性だからという理由で不利益な扱いをすることはなく、優遇することもありません。
あくまで能力、実績に基づく任用を徹底しており、それは現在の職員配置を見ていただければ一目瞭然です。
今後とも、男女を区別することなく、公平、・公正な任用を行ってまいります。
- 女性管理職が少ない現状と、「能力、実績」に基づく任用、という理屈をあわせると「女性は能力が低いから、女性管理職が少ない」という差別的な結論となってしまいます。
- 女性がケア労働を担っている現状などをしっかり踏まえた支援をしなければ、女性管理職は増えようがありません。
- 練馬区にはまず認識を改め、女性管理職が増える方策を考えていただきたいと思います。
※管理職の変化を示すデータ