ずっと同じ企業が続きがち…「指定管理者制度」の問題点

*2021/12/2&12/8、練馬区議会・都市整備委員会のレポートです。

「指定管理者制度」の問題点

毎年12月の議会は、その年度で更新になる、指定管理者の選定の議案が出てくるのがパターンです。

「指定管理者制度」とは何か?

というと……

簡単に言うと、民間企業に、区立施設をおまかせしていく制度です。

【参考】指定管理者制度の概要・基本方針(練馬区HP)

 

私の所属している都市整備委員会で今回出た議案だと、

たとえば、4つある練馬区の駐車場は、五十嵐商会にお願いするよ、という議案です。

★練馬区の場合

5年間が基本です。

  • その5年間、問題がなければ
  • →そのままこの業者にお願いします
  • …と、5年追加(公募なし)

*「特定」と呼ばれます

  • また5年たった時点で
  • 「公募」になります

…というサイクルです。

つまり、5年→特定→5年→公募………ということですね。

施設によっては15年まで(特定が2回)やれるところもあったりします。

★問題点は?

何が問題かというと……

この指定管理者制度が、2003年の地方自治法の一部改正で導入され、練馬区で始まってから……

多くの施設で、同じ業者が続いている、という点です。

民間にまかせるメリットの一つに、民間だから競争性が働いて、より切磋琢磨して、いいサービスになっていくだろう……という制度のねらいがあるわけですが、

大規模な会社のほうが、人材確保等の点で有利ですし、会社が大きくないと引き受けられない施設もあります

プロポーザルでは、区内事業者優先の評価もありますが、一方で、小規模の中小企業が多い練馬区において、それができる事業者自体が少ない

東京都全体でいっても、区営アパートは東京住宅供給公社(JKK)がずっとやっています。

結局は同じところが、ずっとやることになる……

であれば、制度のねらいである

「民間の活力」とは何だろうか?

という問題になってきます。

どこの事業者が問題、というのではなく、制度の問題として、

指定管理者制度全体を考える上で、避けて通れない問題だと思っています。

その点を、議会で意見したうえで、議案自体には賛成しました。


まどぐちは、こうぐち!
高口ようこでした。