エコ&健康!自転車、もっともっと推進を!「第3次練馬区自転車利用総合計画 (素案)」

*2021/12/8、練馬区議会・都市整備委員会のレポートです。

「第3次練馬区自転車利用総合計画(素案)」

今、パブリックコメント、意見募集中です!
2022年1月17日まで。

この動画&ブログを参考にして頂きつつ、ぜひご意見を送ってください!

【参考】計画素案はコチラ(練馬区HP)

どんな計画?

簡単に言えば、その名の通り自転車の利用に関する総合的な計画です。

安全教育、ルールを守ること、放置自転車、駐輪場、それから自転車道の整備…などがメインです。

どれもとても!!大事なことですが、一方で、もっと先進的な計画にできるんじゃないか?と、私は思っています。

問題点はどこ?

★将来イメージが非現実的!

↓「グランドデザイン構想」の「イメージ」が載っているのですが……

専用バスレーンに、みどりバスと思われるバスが走っています。
これはあくまで架空の構想なのですが、ここでは、自転車レーンが1つ。

実は、現実の世界最先端の自転車都市では、「3レーン」!
2レーンは並走し、おしゃべりしながら走ることができ、1レーンが、スピードを出したい人のための追い越し車線です。すごいですね……!

さすがに練馬区で3レーンは無理かもしれませんが、架空の構想なら、そのくらいアイディアを膨らませてもいいのではないでしょうか。

自転車をどのくらい推進したいか、という姿勢が、問われていると思います。

★エコ&健康面をもっと打ち出すべき!

自転車はCO2を出さないエコな乗り物であり、健康にいい!

たとえば、高齢者向けの電動自転車も増えています。高齢者が免許返納した後の”足”として……地域にもっと出ていける、ひきこもらずに済むような政策にも役に立つと思います。

私自身、車がないので、電動自転車ヘビーユーザーです。実は、電動自転車でも、普通の自転車と比べ、運動量は7分の6! 電動でも、十分運動になります。

今回の計画で、練馬区が出している施策は、健康アプリ「ねりまちてくてくサプリ」と連携……という程度。
もっと具体的に、自転車を健康に活かしていけるはず!

たとえば、まずは練馬区職員に対し、自転車通勤の推進(自転車通勤手当)……などが考えられます。

★新しいタイプの自転車への対応を

他にも、いろいろなタイプの自転車が出ています。

カーゴタイプ、高齢者でも安定して乗ることができる三輪タイプ、それから双子さんを乗せられる自転車もあります。

今回の計画で、「自転車の大型化→車種に応じた駐輪スペースの確保」を打ち出しているのは、いいですね。
整備台数も示しつつ、しっかり増やして頂きたいと思います!

一方、国の計画では、「高い安全性を備えた自転車の普及促進」「多様な自転車の開発・普及の促進」、都の計画でも「安全性の高い自転車普及の促進」とあります。

練馬区の計画にはありません。

★災害時の活用を

帰宅困難者対策等、災害への活用、という視点も重要です。

計画では「区保有自転車等の適切な運用ルールの検討」
とあり、検討状況を注視したいと思います。

★自転車レーン等の整備、本気で!

自転車専用道、自転車レーン等の整備も、皆さん求めるところだと思います。

しかし、今回の計画を見ると、
「新しい道路ができたら一緒に……」
というような姿勢が目立ちます。

何年後、何十年後の話でしょうか?

自転車より車が優先してるのでは……?
と感じてしまいます。

また、自転車レーンがせっかくできても、そこに路駐されていて、車道を入らなきゃいけないので「危なくて心配で通れない」といった声も頂いています。

この問題も、議会で指摘し、改善を求めました。

★具体的な数値目標がない!

公共機関において、電車が何%、車が何%…といった「分担率」というものがあるのですが、それに占める自転車の割合をもっと高めていこう、といった、実質的な数値目標も重要です。

しかし、そういった具体的な数値目標は、この計画にはありません。

「PDCAサイクル」で検証するとも書いてありますが、数値目標がないため、何をもって検証するのか自体があいまいです。

★行政のタテ割り

「はしる」「まもる」「とめる」
といった項目の分け方自体も、練馬区のタテ割り……

部署ごとの割り振りになっていると思います。

もっとヨコの連携をして、練馬区全体で自転車利用を高めていく推進策が必要ではないでしょうか。

★「自転車をもっと使いたい!」と思える計画に

自転車の推進に関しては、「区広報メディア、交通公園の情報提供を活用」という程度にとどまっています。

マナーやルールもとても重要ですが
「自転車をもっと使っていってほしい!」
という、ポジティブな計画にしていくべきだと思います。

計画のまとめ

以下は、計画のポイントをざっとまとめたものです。

①駐車場

【現状】

  • 1438台増やしたけれど
  • 22か所中、9か所の駐輪場で減少
  • 需要に対し、台数が不足している駐輪場は、7カ所
  • 不足したうえに、減少した駐輪場は3カ所(富士見台、平和台、光が丘)
  • 民営駐輪場は、ほぼ全駅で増加(11228台)

②ねりまタウンサイクル

【現状】

  • 老朽化、利用者減少の課題
  • 大泉学園駅北口・南口、石神井公園、上石神井
    →「当日利用」を休止(定期利用のみ)

*定期利用ばかり=駐輪場がわり、という実態

  • 最大利用率は「200%」
    →うち目標は「できるだけ高く」(曖昧)

「事業の見直し」

「シェアサイクルの状況にあわせて」「当日利用の休止」

→明言していませんが、今後、廃止や別機能への転換などが考えられます。

 

③放置自転車

【現状】

  • 放置自転車は大幅に減少
    • 午前:2011年1867台→2019年769台
    • 午後:2011年4226台→2019年1404台
      →午後が多い
  • 撤去台数も減少
  • 保管費用は増加
    *1台あたりの撤去・移送・保管費用

    • 2011年9678円
    • 2019年23099円

【施策】

  • 駐輪場の整備
  • 駐輪場の利用料金の見直し
  • 放置自転車撤去の強化
  • 撤去業務の効率化
  • 集積所の規模適正化

④安全対策

【現状】

  • 自転車事故が多い=交通量の多いところ
    • 谷原交差点
    • 中村橋(千川通り)
    • 千川通りと目白通りの交差部

【施策】

  • 安全教育(保護者、乳幼児、小~大学生、高齢者、企業)
  • 点検整備の促進
  • 自転車保険の加入促進

⑤自転車道、自転車レーンの整備

【現状】

  • 整備した部分もあるが…
  • ネットワークになっていない

【施策】

  • 10年間の整備予定
    *自転車専用道は、住民から根強い反対のある道路も含め、新しい道路とセットになっています…

  • 将来イメージ↓
  • 広域+地域ネットワークの合わせ技(光ヶ丘、練馬、石神井、大泉、上石神井)

⑥新型コロナの影響

  • 駐輪場、放置自転車→大幅に減少
  • 通勤・通学等の新たな利用
  • デリバリー自転車の事故が新たな問題に
  • 「自転車利用を増やしたい」ニーズが見られる

⑦その他

  • シェアサイクル
  • →隣接区とのそうごのりいれ、公共用地のポート貸与
【参考】自転車に関する他の施策
  • 練馬区自転車走行環境整備指針(2013年)
  • 第10次練馬区交通安全計画(2016年)

があります。


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