「健康格差」対策を~有機給食・がん教育/練馬区予算委員会・高口質疑
2021/2/26、練馬区議会・予算特別委員会「教育費」での、高口の質疑です。
【Q1】「健康格差」対策としての有機給食
「生活が苦しく、余裕がなく、子どもにカップラーメンを食べさせるのがやっと」
……という話を、最近、区民の方から伺いました。
野菜が体にいいのはわかっているけれど、高くて買えないなど、経済格差による健康格差が存在します。
書籍「子どもの貧困と食格差」では、低所得家庭の子どもほど肥満割合が高いなど、経済格差が将来にわたり健康に与える影響を分析。啓発事業は意識の高い層に効果が偏るとのデータもあります。
健康格差対策としても重要なのが学校給食です。
一方、気候危機によるフードショック、食糧危機のリスクが高まる中、今後は小規模農家による持続可能な有機農業が鍵と言われます。
一昨年の都市農業サミットで招聘したソウル市のカン氏も、「ソウルの小中学校では給食での無農薬米の使用が法律で義務づけられている」と発言されました。
練馬区でも有機農業を支援し、地産地消の有機給食の取組を始めるべきと思います。
また、地産地消の有機給食を40年も前に始めた愛媛県今治市が有名で、農業者や学校、地域など、多様な団体が連携し、有機給食がまちづくりの核になっています。練馬区も、まずは学校とJA等各団体をつなぎ、理解をすり合わせる場を設けるべきと考えます。
<保健給食課長>
- 有機栽培は、現時点では、非常に高価格という問題
- 農作業の負担が非常に増大
- 有機栽培の推奨、農林水産省も、実際、法律を作って行っている
- 国も、JA、自治体、生産者が協議を行いながら、有機栽培の野菜を広めていくよう言っている
- そうした協議も進めていきたい
【Q2】がん教育は、患者や家族への配慮を
子どもの健康の関連で、2006年がん対策基本法、2012年がん対策推進基本計画の下、学校での「がん教育」が推進されています。
練馬区では、生活習慣病との関連で、保健体育で教えています。
がん患者の遺族として気になるのは、そもそも生まれ持った体質は個人差が大きく、がんの種類も原因も様々で、生活習慣だけが原因ではありません。
私の夫は酒もたばこも一切やらず、毎年、検診も受けていましたが、がんになりました。
また、最近、知人の子どもが、たった3歳で小児がんになり、治療中です。
患者や家族に対し、授業での配慮を要望します。
<教育指導課長>
- 実施上の配慮に何点かある
- 家族にがん経験者、がんで亡くした児童・生徒がいる場合、本人が小児がんの当事者である場合を踏まえて指導することが大切
- 生活習慣が主な原因とならないがんもある
- 重病、難病等の場合にも配慮が必要
- 情報は学校が全て把握しているとは限らない
- 保護者会などで事前に学習内容を周知、個別に対応などで、進めている
【Q3】自己責任にしないがん教育を
がんは誰もがなる可能性のある病気であり、生活習慣が悪かったから病気になったなど、自己責任にしないがん教育が重要ですが、見解を。
<教育指導課長>
- 自己責任であるという形にはしていない
- 生活習慣病の学習の中で、脳卒中や脳梗塞、がんもあるという授業の流し方
- まさに知識をここで学ぶという狙い
<高口>
生活習慣病が、ダラダラしているせいだとか、そういうことではなく、健康格差の問題もあります。
安心して治療を受けて社会復帰できるためには、社会の理解が進む必要があります。その教育を要望します。