危険なブロック塀の撤去。練馬区の進捗は…3%
*2021/1/22、練馬区議会「総合・災害対策等特別委員会」のレポートです。
平成30年の大阪北部地震で、ブロック塀が倒れてお子さんが亡くなられた、痛ましい事故……それを受け、練馬区では、民間のブロック塀の状況を調査し、撤去を進めています。
しかし、残念ながら、その撤去は、なかなか進んでいません。
*区立施設については、危険な塀はすべて撤去済み
★危険性が高い「Aランク」…約3%
- 約1600件中「58件」
- Aランクのうち、特に危険な「300件」
- そのうち、撤去できたのは、わずか「8件」*令和元年度1件、2年度7件
★安全性に疑いがある「Bランク」…約0.3%!
- 約16400件中「55件」
★撤去の助成制度→Aランクには上乗せ
練馬区は、ブロック塀の撤去の費用を助成しています。
- Aランク:1mあたり17000円(令和4年度終了)
- Bランク:1mあたり8000円(終了時期未定)
*一般的なブロック塀の撤去が、18000円/mによるところから設定した金額
★目標は、あと2年で、Aランク全件撤去だが…?
練馬区は、令和4年度までに、Aランク(残り約1542件)の全撤去を掲げています。
方策としては、
- 新たなチラシを作成、配付し、リスクを周知
- Aランクの所有者に、個別訪問による働きかけ
- 密集住宅市街地整備促進事業の実施地区と、防災まちづくり推進地区で、重点的な働きかけ
の3つをあげています。
しかし、1年半でたった3%しか進んでいない現状…。
練馬区長は「攻めの防災」を掲げ、区も繰り返し「1つでも多く撤去」と答弁しましたが、正直、かなり厳しい状況ではないでしょうか。
23区の他の区でも、取り組みが進んでいない状況とのこと…。
★撤去が進まない原因
撤去がなかなか進まない理由と対策として、練馬区の分析は以下のとおりです。
【原因1】費用がかかる
大きな塀だと割高、全撤去でないと対象にならない…など、助成制度にも課題が。
→【対策】高さを考慮した助成制度等を検討
【原因2】所有者の危機意識が少し足りない?
→【対策】
- 個別訪問で、一歩踏み込み、放置するリスクを説明
- 他者への危害、賠償請求の可能性…等
【原因3】家の建て替えにあわせてやる
→【対策】不明
【原因4】Bランクは知らない方が一定数いる
- Aランクは個別に周知しているが、Bランクにはしていない
→【対策】
- 区報やHPやSNSで広報している
- 個別の通知は、母数が多いので…検討
★もっと対策が必要!
1年半かけて、3%しか進まなかった撤去。
練馬区も「全力で取り組む」と答弁していますが……。
残り2年で撤去を終えるには、たとえば、撤去助成や生け垣助成の拡充等、制度をより充実し、使いやすくしていくことが求められます。