水とみどり×としまえん問題/練馬区議会・決算、高口質疑!
*練馬区議会・決算特別委員会「環境費、経済産業費」の高口質疑Part2です
水とみどり×としまえん
★18495㎡もの伐採届。みどり激減の危機…
現在、解体が進むとしまえんでは、「みどりを守り育む条例」に基づき、18495平方メートルもの伐採届けが出され、始まっています。
【Q1】同じみどりは、失ったら二度と戻らない
2012年の練馬区環境調査報告書では、としまえんには、363種、練馬区の約3割の植物と、169種、区の約23%の昆虫が確認されています。ほ乳類、鳥類、爬虫類、両生類など多様性に富み、重要種も多く、区内初観察のムシや、絶滅危惧種も見つかっています。シジュウカラの回廊という資料もあります。
よそから持ってきた草木を新たに植えれば問題ないというのではなく、「失ったら二度と戻らない」という認識で、今あるみどりの保全に努力していただきたいのですが。
練馬区として、貴重な18495㎡ものみどりと、多様な生態系を失うことへの見解を伺います。
【Q2】アジサイ園は?
また、アジサイ園は残ると聞いていますが、日照や管理などが気がかりです。
練馬区として適切な育成を、どう求めていきますか?
【区回答】(企画課長)
- ワーナーのスタジオツアー施設の整備がこの場所に決定したのは、みどり豊かな環境がハリーポッターの世界観と合致していることが大きな理由と伺っている
- ワーナーブラザーズのCEOも、「としまえんは緑地の美しい観光地として定評があり、スタジオツアー東京の建設場所として理想的な環境を備えています」「この開発計画が地域社会の皆様のご意向を汲んで進められることが大変重要であり、私たちも地域環境との調和を大切にこの素晴らしい取り組みを実現できることを楽しみにしております」とコメントしています。
- 施設の建設にあたって伐採する樹木はありますけれども、
- 既存の樹木などについては調査を行い、残せるみどりは極力残しながら、新たな植栽なども行い、みどりに囲まれた施設とすべく準備をすすめていると聞いている。
- 練馬城址の整備、既存樹木などを生かした整備を求める請願が先日の企画総務委員会でも採択
- 区も同じ考えのもと、東京都と協議
- 全体として、みどり豊かな環境が創出されるものと考える
【Q3】「水とみどりのネットワーク」イメージとは?
みどり豊かな環境が合致してこの土地が選ばれたといいながら、18000㎡以上もの伐採が行われ、極力残すといってもどのくらい残すか具体的な計画もでていない。とても残念だなと思います。
地域社会の意向ということですが、まさにたくさんの「としまえんを残して」という陳情がでていることも、しっかり受け止めていただきたいと思います。
また、練馬区は、練馬城址公園に対して、「水とみどりのネットワーク」という機能も、求めています。
これはいわゆる親水公園のことだと思いますが、具体的に、どのようなネットワークの、どんなイメージか伺います。
【区回答】(みどり推進課長)
- 区の想定する「水とみどりのネットワーク」は、「第2次みどりの風ふくまちビジョン」にお示し
- ひとつは拠点となる大規模で特色のある公園、これを、みどり豊かな幹線道路や河川で結んでつなぎ、形成するネットワーク
- 練馬城址公園の整備で東西の通り抜け等が実現することにより、石神井公園から練馬城址公園、練馬総合運動場公園を経て、城北中央公園に至るような石神井川と桜並木によるネットワークの形成につながると考える
- 親水の機能は、水とみどりを生かした公園として、石神井川や地形を生かした流れの活用など、様々な整備形態が考えられる
- 水とみどりとにぎわい、防災の機能を備えた公園としてよりふさわしい整備の内容となるよう、区としても都に働きかけを行う
★民間施設が水辺ギリギリ→親水整備は難しく…
いま、地形と流れを活かすといったお答えをいただいたのですが……。
「石神井川河川整備計画」でも、「公園などとの一体的整備による親水整備」「生物の多様性の創出」などをテーマに掲げて、「本来の川らしい自然環境の保全・再生を目指していく」とも示されています。
一方で、あの場所は南側が崖で、崖の林の崖線林のため、北側を広くとるしか親水性を確保できないのですが、現在の計画では、ハリーポッターの施設が川沿いギリギリまで建つ計画。
水とみどりの親水性という観点からも、地形と流れを生かすという観点からも、民間施設が先行してしまうことの問題を大きく感じます。
今「働きかけ」と仰っていただきましたが、区としても、川辺が地域住民の憩いの場となるよう交渉など頑張っていただきたいと要望します。