個人事業主・フリーランス支援×地域経済/練馬区議会・決算、高口質疑!

*練馬区議会・決算特別委員会「環境費、経済産業費」の高口質疑Part1です

個人事業主、フリーランス支援×地域経済

★借り入れが厳しい現実

私自身、10年以上練馬区でフリーライターとして活動し、練馬区で行う中小企業支援から、フリーランスが漏れていると感じることが多々ありました。

試しに、練馬区のHPで「フリーランス」と入力したところ、事業としての該当は「0件」。

今、ただでさえ不安定な業態のなか、コロナにより収入が激減し、
「国や都の給付金が尽きれば、廃業、転職しかない」という切実な声も聞いています。

周りの方に複数ヒアリングしたところ、区の貸付については
「借り換えは聞くが、新たな運転資金に融資を使った話は聞かない」
「雑収入で確定申告しているから、申請できないと思った」
「金利が低くてもあまりお金を借りたくない」
「家賃援助の効果の方が大きい」
との意見でした。

【Q1】個人事業主、フリーランスも対象と明記を!

また、今回の「ウィズコロナサポート事業」のチラシをお見せしたところ、
「フリーランス」や「個人事業主」と書いていないため、自分が対象だと思えないとの意見がほとんどでした。

「助成金も沢山種類があり、判断が難しい」
「今は事業を止めない工夫に精一杯で、分かりづらいものへ時間を割けない方が増えている」
という声もあり、まさに中小企業診断士のアドバイスが必要だと思うのですが、

そのためにも、

  • チラシやPRの際、「個人事業主やフリーランスも対象」という点をしっかり明記するか
  • 個人事業主・フリーランス向けのチラシを別途つくり支援が届くようにすべき

と思いますが、見解を伺います。

【区回答】(経済課長)
  • 今ご指摘のあった区の支援は、基本的に個人事業主も対象
  • パンフレット・チラシなどは、記載を工夫することも含めて、個人事業主を対象とする支援の周知に努める

フリーランサーの力を活かす地域経済

実際にネリサポユーザーの方からは、「信頼できる中小企業診断士との出会いはとても心強い」との意見をいただいていますので、つながるようにPRいただきたいと思います。

また、直接の支援だけでなく、「次の仕事につながる」施策を望む声がありました。

フリーランサーへの施策を別の観点から考えたとき、「まちへの愛がある」「地域につながる仕事がしたい」というフリーランサーは実はたくさんいて、彼らが行政とつながることで、地域経済に生かせるのではないかな…と考えます。

墨田区の「すみだクリエイターズクラブ」は、プロデューサー、ディレクター、デザイナー等多岐にわたるクリエイターが所属し、行政から仕事をうけおい、プロジェクトチームを作って動かす形ができています。

福祉作業所のプロダクトデザイン、商品開発という、障害者福祉課との協働。
特別支援学級の子どもたちとアニメーションをつくる「みんな北斎プロジェクト」などが一例です。

代表の方に取材したところ、「地域への愛情が大事!」とのことで、強みであるSNS等での発信力、表現力を、自発的にやれるのも、地域の仕事だから。行政職員と勉強会をしたり、相談を受けたりもしているそうです。

行政のほうも、「地域の方とやりたい」というニーズがあり、うまくマッチングできているケースといえます。

【Q2】行政と協働する体制づくりを

練馬区でも、ネリサポの創業塾のつながり等を生かしながら、このようなフリーランスのグループづくりを支援する、登録制度を設けるなどして、「地域の仕事を受けられる体制」「行政と協働する体制」づくりをめざしてはいかがでしょうか?

【区回答】(経済課長)
  • 墨田区では平成25年から平成30年に中小企業者が墨田区内事業者と連携して新しい製品・技術・サービス等創出するための場として新ものづくり創出拠点の整備に取り組んだ
  • この取り組みをきっかけにフリーランスなど横のつながりができたと伺っている
  • 墨田区ならではの取り組みと考える
  • 一方練馬区の場合、住宅都市であり特徴が異なる
  • 引き続き練馬ビジネスサポートセンターとも協議しながら、住宅都市練馬の特徴を生かした産業振興に取り組む

★住宅都市・練馬だからできること!

まさに、練馬が住宅都市であるというその特徴が、在宅のフリーランスが多いのではないか、ということです。

その力を是非、区や地域等の協働で活かせるように考えていただいたいと思いますし、
そういう力が集まることで、面白い展開、まちづくり、地域経済活性化も期待できると思います。

検討を要望いたします。