練馬区議会2020、高口ようこ一般質問!【5】まちづくり(石神井公園再開発,放射35号線,補助172号線,としまえん)
【テーマ5】まちづくり×子ども視点
分散型社会への移行
新型コロナは、東京一極集中の問題を改めて示しました。
練馬区の人口増は、地方衰退とセットで進んできました。在宅ワークが進む今後、分散型社会、地方との共生をめざすべきです。実際に8月は、東京の人口が8年ぶりの前月割れで、5903人減少しました。
そんななか、現在でさえすでに、東京の住宅は供給過多と言われています。タワーマンションについては、投資物件と化す、学校の過大規模化等の問題の他、災害への脆弱性や、数十年後の廃墟化等、潜在的なリスクも指摘されています。まちづくり全体、福祉サービス全体、そしてコロナ後の社会を見据え、住宅の過剰供給を見直す時に来ているのではないでしょうか。
Q10:超高層マンションは、もういらない
タワーマンションが林立する武蔵小杉駅周辺では、地元市民団体のアンケートに、「超高層マンションはもういらない」と8割もの住民が回答。同団体は「ビル風や駅の混雑等多くの課題がある。将来の人口減も見据えた都市計画にすべき」と指摘しています。
石神井公園駅前再開発は、約200戸・600人を見込む高層マンションで、同様に心配の声が多数ありますが、タワーマンションの諸課題に対する区の見解を伺います。
A:区答弁
- 駅前のような利便性の高い地区においては、高度利用により、土地の有効活用を図ることが重要です。
- 臨海部や、武蔵小杉周辺など、高層マンションが林立する地区、みどり豊かで良好な住宅地である練馬区の利便な地に位置する本地区においては、今後も、従来と変わらぬ住宅需要があると考えます。
- 多くの方が住まい、多様な人が利用する施設を集約的に設けることにより、まちに活気が生まれ、引き続き発展していくもの
と考えています。 - 高層建築物の建設・管理に係る様々な事項については、関係法令の規定に基づき、適切に実施していきます。
(*課題については回答なし…)
Q10-2:「聖域のない事業の見直し」をするんじゃないの?
また、区長は所信表明で、区の財政危機を訴え、コロナによる難局を乗り超えるため聖域のない事業の見直しを明言されました。反対の根強い石神井公園駅前再開発は進める理由を、コロナ禍とその財政難を踏まえてご説明ください。
A:区答弁
- 厳しい財政状況下にあっても、必要なサービスを確保し、持続可能な財政運営を堅持するため、第2次ビジョンアクションプラン、公共施設等総合管理計画事業などの見直しを進めています。
- 都市インフラや区民が利用する公共施設は、区民の日常生活、安全・安心な暮らしを支える上で欠くことのできないものです。
- 整備には長い年月を要し、時期を逸することなく計画的に取組を進めることが必要です。
- 石神井公園駅南口西地区の再開発事業をはじめ、それぞれの事業について、事業規模、事業費、スケジュールなどを精査の上、取り組んでいく考えです。
(*公共施設の整備が必要なのは、どの施設も同じ。石神井公園駅再開発が重視される合理的な理由、説明はナシ。
とはいえ、石神井公園駅再開発も、見直しを示唆したことは、一歩前進!)
新しいまちづくりは、子ども視点で!
今年、国交省が示した新しいビジョン「2040年、道路の景色が変わる〜人々の幸せにつながる道路」は新鮮な内容でした。
まちの中心部への通過車両を迂回させ、人中心の空間として再生させたドイツの「遊びの道」や、「まちのメインストリートを、車中心から人中心の道路空間に再構築」という大阪府大阪市の事例も紹介しています。
20年後の道路は、単なる歩車分離を超えた、ひと中心の空間だと示唆しています。
これを受け開催された「2040年の道路を面白がる会」では、国土交通省・道路局企画課の方が、「道路が子どもの遊び場でなくなった」というデータを参照し、「子どもたちが道で遊べるように、大人が井戸端会議できるように、人々が交流できるような道に回帰していく」と語りました。
Q11:20年後を見据えた、道路事業の見直しを
20年後を見据え、未来の、特に子どもの視点からの道路事業の見直しが求められていると言えますが、この国交省ビジョンについて、練馬区の見解をお聞かせください。
A:区答弁
- 練馬区では、区民とまちづくりの方向性を共有し、ともに取り組むため、目指すまちの将来像として、平成
30年に「グランドデザイン構想」を策定しました。 - この中で、道路については、「みどり豊かで快適な空間を演出する道路」を将来像として掲げ、「多様な交通を支える」ことに加え、「区民が集い活動する」等の道路のあり方を示しています。
- 車や人等が通行する道路の基本的な機能に加え、子どもをはじめ、地域の方々の活動の場となる公共的な空間となるよう、取り組む
こととしています。 - 国の社会資本整備審議会が提案した「2040年 道路の景色が変わる」においても、「グランドデザイン構想」と同様の道路政策の方向性が示されていると認識しています。
- こうした良好な都市環境を次世代に引き継ぐためにも、練馬区で遅れている道路整備を積極的に進めることが必要です。
(*今の練馬区がやろうとしている道路事業を見ても、子どもが遊べる道路になるとは思えないのですが…とはいえ、その方向性だとの答弁は、活用したいと思います!)
タテ3、補助172号線の問題
一方、練馬区にはいまだに、2040年にふさわしいか疑問の、古い道路計画が数多く残っています。
Q12:補助172号線は大きく後退!
新型コロナを受け、「不要不急」の事業を見直すよう東京都から依命通達が出たなか、実際、江古田駅周辺は、都の都市計画変更原案において、「補助172号線の整備」の文言がはずれ、道路事業が後退しました。
Q12-2:タテ3は、4車線は難しい!?
この補助172号線が交わる放射35号線の延伸部分、通称「タテ3」の予定地は、東京都の交通量推計調査の結果、4車線の前提となる1日22000台に達しないことが判明しました。
以上2点を、区はどう評価しますか?
Q12-3:都との話し合いを!
タテ3が2車線に変更となれば、幅員や立体交差など、都も計画の見直しに迫られます。練馬区のまちづくりとも直結するため、都との話し合いを進めるべきですが、区の見解を伺います。
A:区答弁
- 放射35号線及び補助172号線については、平成28年に東京都と区市町が策定した「東京における都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)」において、両路線とも整備が必要であることが確認されています。
- 放射35号線の車線数については、現在都市計画に定められていません。
- 都市計画道路は、ネットワークが築かれることによって十分に機能を果たすものであり、施行者である東京都が、事業化に際して、適切に検討していくものと認識しています。
- 放射35号線の整備の具体化に際しては、東京都と協議を行い、その進捗にあわせ、地域の皆様のご意見を伺いながら検討し、沿道のまちづくりに取り組んでいきます。
としまえん
両道路事業の必要性は薄れていると申し上げ、
最後に、練馬区民の思い出が詰まった、としまえんについて伺います。
94年続いたとしまえん。正門前に鎌倉街道が通っているように、昔は練馬の中心地の一つでした。この景勝地を別宅としていた財界人が、関東大震災後の大正15年、市民に公開したのがはじまりです。
運営が西武に変わったのちも、「木を1本伐ったら2本植える」の方針で、緑と生態系ゆたかな場所に育ちました。石神井川と湿地帯による池を活かしたウォーターシュートが人気で、のちにフリュームライドができました。
私自身、親子4世代にわたる思い出の場所です。石神井川が形作った地形、川とともにあったくらし、それらの歴史の上にあり、幼い時も若い頃も年をかさねても、家族、友達、恋人、だれと来ても思い出がつくれる場所…それが「としまえん」ではないかと思います。
Q13:カルーセルエルドラドを、どう残す?
そのためには、プールを残す、カルーセルエルドラドの移設等が考えられます。練馬区も、エルドラドを残す要望を都に出していますが、区として残すためにどう努力しますか?
Q13-2:せめてプールを残して!
区民からは、「せめてプールを残して」との声も多数あがっています。プールに使えるほど井戸水が豊富で、練馬区の防災井戸も園内にあります。プールを残しつつ、井戸水を活かした石神井川との親水公園にする案は、「水とみどりのネットワーク」「にぎわい」「防災」という区の方針ともつながりますが、いかがですか?
Q13-3:進め方の順番が違う!
公園計画には、何よりも区民、住民の意見が重視されるはずが、ハリーポッターの施設だけが先行しています。防災の観点では、区民の安全と生命がかかった地域でもあり、まず区民の意見を聴き、それを反映した全体的な公園計画ができ、それに沿った開発がされるべきではないでしょうか?
以上3点、区の見解をお答えください。
A:区答弁
- 都は6月、練馬城址公園について、整備計画を公園審議会に諮問しました。
- 来年1月に中間のまとめを行い、
都民意見を募集したうえで答申を受ける予定と聞いています。 - 区は都に対し、水とみどり、防災、賑わいの機能を備えた公園の実現に向け、要請書を提出しています。
- あわせて、整備計画をまとめるにあたっては、公園の具体的機能、整備プロセス、スケジュールを早期に公表し、区民への十分な説明と意見聴取を行うよう要請しています。
- 引き続き、都が策定する整備計画に区の要望が反映されるよう、協議してまいります。
(*全然回答になっていない、まともに回答していないことがおわかり頂けると思います)
としまえんを愛する一人として、新たな公園も「としまえん」と名付けてほしいと希望を申し上げ、一般質問を終わります。
区長答弁
私は長い間行政に従事して、身に沁みていることがあります。私たちが生きている現実は多面的であること、そしてこれに対応して、人々には様々な意見があることです。例えば、子どもについても、自由にのびのびと成長させるべきという意見と、守り、育てるべきという意見とがあります。これをどう調和させ、具体化するかは難しい課題です。
多様な意見を、住民全体の福祉の増進という見地から、具体的な政策に収斂させることが、私たちの責務です。殊に住民に最も身近な地方自治にあっては、これが根幹だと思っています。
そのためには、多くの人々の議論を経て、妥当な政策に達するというプロセスが必要になります。引き続き、区議会での活発な議論、そしてまた、区民の皆様の参加と協働を大切にしていきたいと考えています。
(*すみませんが、区長が何を言いたいのかよくわかりません…現実が「多面的」なんてことは当然わかっていますよ。私がわかっていないと言いたいのでしょうか?
調和、具体化はもちろん難問です。それが区長の仕事です。
区長とは考えの違う「多様な意見」を、区長が聞いてくださっていると思えないから、質疑をしています。
今後も質疑し続けていきますので、ぜひ「大切に」していただきたいと思います)