練馬区議会2020、高口ようこ一般質問!【1】新型コロナウイルスと子どもたち

年に1回、テーマ自由で区に質疑できる貴重な機会。

2か月かけて命をこめて準備するのですが…
練馬区の答弁は、はぐらかしばかりで、本当に残念…
あえてイヤミを付け加えたりするのも残念…(今回は少なめでしたが)

与党・野党という、立場を分けるって……子どもにも「それが正しいことだよ」と、胸を張れること、顔向けできることでしょうか?
子どもには、「どんな人とも仲良くしようね」「ちゃんと聞こうね」って教えませんか?

どの議員も、それぞれ区民の思いを背負って、区民の代表として質疑するのですから、誠実に答弁いただきたいなと、いつも思います。
その先に、いい練馬区政、いい練馬区があると信じています。

…という思いを語りつつ、ぜひ高口の一般質問、長いですがお読み頂けたらと思います!

↓動画はこちら

 

【テーマ1】新型コロナウイルスと子どもたち

子どもたちにしわよせが…

新型コロナウイルスは、子どもたちにも多大な影響を与えています。
突然の休校で行き場をなくし、友達にも会えず、公園であそべば怒られ、マスクをしろと怒鳴られ、学校に通報される…。
社会のパニック、ストレスが、子どもたちに向けられています。

国立成育医療研究センターの7~17歳への調査では、72%が新型コロナに関わるストレスがあるとの結果。
「先生がこわい。友達と遊ぶと怒られる」という小学校低学年の回答も深刻です。

練馬区は学校再開にあたり、感染対策や差別禁止の「指導例」をつくり、全校で授業を行いました。重要なテーマですが、例の中で、感染の不安等は「マイナスの考え」だと記されています。ただでさえストレスを抱える子どもが、「不安を感じてはいけないんだ」と、ありのままの気持ちを抑えこんでいないか、心配です。

今学校は、行事は中止か縮小、給食は黙って食べ、友達とも触れ合えない。ダメダメばかりのなか、授業は詰め込みとなり、教員の負担やストレスも増加。先生が怒鳴る、手をあげてしまった話も、残念ながら届いています。

今の学校は、居心地のいい場所でしょうか?

教員への支援を手厚くしながら、“子どもが主役の学校”を、このコロナ下でどう実現していくのか。まさに今、区の対応が試されています。

Q1:子ども自身が考えるプロセスを大切に

今の社会の現実をリアルタイムで学びながら、感染や差別にどう立ち向かうのか、子どもたち自身が考えるプロセスが重要です。答えのない問いの実践であり、今しかできない教育のチャンスとも言えます。
道徳や総合の時間を活用しながら、子どもたちが今とこれからの社会について考え合う時間を積極的にとるべきと考えますが、練馬区の学校現場での取り組みの現状と、区としての見解をお答えください。

A:区答弁
  • 学校では長期休業明け直後に、区独自の教材を用いて、感染症を正しく理解する授業や、差別や偏見を生まないためにはどうするか、子供たち自身が考える授業を全校で行いました。
  • また、答えがなかなか見つからない問題を、皆で考え話し合う授業も、様々な教科指導の中ですでに行っています。
  • 引き続き取り組んでまいります。

(*今このコロナの社会についての質問ということはわかると思うのですが、その点の回答はありませんね…)

「子どもアドボカシー」の導入、体制構築を

練馬区は、スクールカウンセラー等によるケアの体制をとっています。

しかし、うまく言語化できる、悩みを語れる子ばかりではありません。突然の休校で、変化に対応できない子どもも多くいましたが、先生からのケアは限られ、電話は1~2週間に1度、5分程度でした。

そこに欠けていたのは、「当事者=子どもの声を聴く」「子どもアドボカシー」の視点です。

アドボカシーを行うのは、「かわいそうだから」ではなく、子どもの声が、制度や社会をよりよく変える可能性を秘めているからです。コロナのような緊急事態でこそ、子どもの声をじっくり聞き、それを施策に反映することが、子どもを守ることにもつながります。

アドボカシーの最先端、カナダのオンタリオ州では、「アドボカシー事務所」を、州議会の公的機関として設置。子どもに関する政策決定には必ず子どもを参画させ、政策決定者に直接声を届け、制度・規制・予算などに改善勧告を行います。子どもを「手をさしのべる対象」ではなく、一緒に問題を解決する「パートナー」ととらえるのもポイントです。

日本では、2016年、児童福祉法改正の付帯決議で、「子どもの権利擁護に係る第三者機関の設置を含めた実効的な方策を検討すること」と記されました。

設置自治体に、兵庫県川西市「子どもの人権オンブズパーソン」、札幌市「子どもアシストセンター」等があり、問題の調査や改善、報告書の公表などを行っています。

世田谷区では、区独自の第三者機関や、世田谷区子ども条例のほか、一時保護所の第三者委員の設置や、所内の基本ルールを子どものみで話し合う等、子どもの権利擁護に力を入れています。練馬区に第三者機関はなく、児童相談体制でも、子どもの声を反映した事業や施策は行われていません。

Q2:子どもの声を施策に反映する重要性

子どもに関する施策で、当事者の子どもの声を聴き、施策に反映する重要性について、区はどう考えますか。

Q2-2:第三者機関の設置が重要

そのための制度として、第三者機関の設置が重要と考えますが、2点、区の見解を伺います。

A:区答弁
  • 子どもに関わる施策や事業を企画・実施するにあたり、子ども自身の声に耳を傾け尊重していくことは重要です。
  • 区としても、子ども議会での中学生の政策提言を区政に反映させている他、児童館事業等でも子どもの意見を取り入れるなど、子どもの声の反映に努めています。
  • 子どもの声を聴いていないかのようなご指摘は、あたりません。

(*「児童相談体制で」実施していないという事実を指摘しています。ごはん論法はやめてください)

  • 現在、国は、児童福祉法の改正等を受けて、子どもの権利擁護について、ワーキングチームを立ち上げ検討を進めています。
  • その中で、一時保護や施設入所等、児童相談所の措置に関し、子どもの意見表明権を保障する仕組みとして、都道府県児童福祉審議会の活用等を示しています。
  • 都児童相談所では、既に、「子供の権利擁護専門相談事業」を実施し、子どもの立場に立った相談支援を行っており、必要に応じて児童福祉審議会への諮問を行っています。
  • 区では、第三者機関の設置は考えていませんが、
  • 引き続き、国の動向を注視するとともに、都区の緊密な連携のもと、子どもたちの権利擁護に取り組んでまいります。

(*本気で取り組むなら、第三者機関は必須です。それから、意見表明と、「子どもアドボカシー」は違いますので…)

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