小竹図書館指定管理から考える……図書館、指定管理の問題点
2018年4回目の議会(第4定例会)にて、高口の所属する「文教児童青少年委員会」に付託された議案。
「小竹図書館の指定管理の更新」です。
小竹図書館、指定管理~更新の経緯
- 5年前、指定管理館に。
- 「ハートフルサポート共同事業体」が委託。
- ハートフルサポート共同事業体は、テルウェル東日本株式会社(NTT系列)と、五十嵐商会(区内の清掃等の会社)の2社で構成。
- 5年後、公募をせずに、更新をするかどうか→今回の議案。
- 公募せずに選定できるのは、今回の1回限り(次回からは公募→ハートフルサポート共同事業体も応募できる)
選定理由「有資格者80%」の問題
- 小竹図書館の有資格者率は、5年前は80%という高い目標設定を掲げたことが評価され、選定された。*参考「平成25年12月5日文教児童青少年委員会」議事録
◎教育振興部長 5年間の中で司書率を80%まで持っていきたいという提案でございます。
◎光が丘図書館長 今回の提案では、司書有資格者率の高い目標設定ということで、区が求めているところは50%以上でございましたが、80%以上を設定する - 実際、選定直後は、有資格者80%(20人)を達成していた。
- しかし……5年後の現在は、60%!
→5年かけて、目標が落ちている! - しかもその点を、区は、今回の選定に、評価に反映していなかった…。
司書の入れ替わりが激しい…
- 国が、「図書館に指定管理がそぐわない」理由としてあげているのが、人材を継続的に雇用できなくなること。
- 経験、蓄積がなければ、いい仕事ができないのが図書館。
- 5年間で、継続して働いている司書は、8名のみ……。
- 離職率について尋ねたところ、「名簿を一つひとつ調べないとわからない」とのこと。
→つまり、離職率を普段は把握していないということが、言えます。 - 図書館運営で、司書が入れ替わらないことは、当然大切ですが、そもそもその点を、区が重視していないのではないかと思います。
レファレンスカウンターのあり方
- 5年前、ハートフルサポート共同事業体が選定された理由に、「なんでも相談窓口」設置の評価があった。*参考「平成25年12月5日文教児童青少年委員会」議事録
◎光が丘図書館長 「なんでも相談窓口」ということで、あらゆる相談にも対応していきたいというご提案がございましたので、評価させていただいたところでございます。 - 実際に小竹図書館に行ってみたが、「なんでも相談窓口」という表示も場所もなかった。
- 通常のレファレンスカウンターはあった。
……が、2階の奥まったところにあり、しかもガラス扉がしまっており、ピンポンを鳴らさないといけない
→「なんでも相談」できる雰囲気ではなかった。 - そういったことも、今回の選定の際に、重視していない。
区の管理がルーズ…図書館に、指定管理は合わない!
- 今回、公募を行わない以上は、少なくとも、5年前の提案を守っているかどうかを、再選定にあたり、評価に反映させるべきではないでしょうか。
- 小竹図書館に限らず、図書館の指定管理にあたる区の姿勢がルーズだと感じます。
- 図書館を大切にしているとはいえない、図書館行政にふさわしくない……という立場で、今回の議案に反対しました。
- 指定管理にすれば、結局は区の管理が及ばなくなる、約束を守らせることができなくなる、といった、指定管理自体の問題をはらんでいます。
- 直営に戻す自治体も出ているなかで、図書館の指定管理自体を見直すべきではないかと思います。