7/12-13ベルデ武石&軽井沢視察

7/12-13、新議員による区外視察ということで、ベルデ武石、ベルデ軽井沢に行ってまいりました。

↑ベルデ軽井沢前。遠くに見える浅間山

そもそも、「ベルデ」って?

高口自身、こどもの頃に移動教室やスキー教室、大人になってから家族と出かけたこともあるベルデ。
思い入れもありつつ、議員として何をチェックし、区民にどう還元できるのか、悩むところでもありましたが……。

ベルデの正式名称は、「練馬区立少年自然の家」。「ベルデ」はスペイン語で「緑」を意味しますが、なぜ通称をベルデにしたのかは、不明とのこと。

もともとは、区内の小中学生の移動教室や林間学校、スキー教室や臨海教室のためにつくられた施設です。昭和55年(高口と同い年!)にできた武石本館は、生徒優先で、空き室があれば一般に貸し出し。武石別館(平成6年)は一般向けで、軽井沢(平成2年)は生徒と一般の両方が使えます。ちなみに一番古いのが、下田です。

このうち、武石のみ、天然温泉を汲み上げており、約20度を約40度まであたため、提供しています(平成元年、練馬区と旧武石村(現上田市)が共同で掘削)。

移動教室の歴史は、ベルデ建設より古く、当時は保護者の金銭的な負担が大きかったとのこと。区が宿泊施設を構えることで、安価に宿泊行事が行えるようになりました。他自治体をみると、数を減らしたり、手放したりといった時代の流れもあります。

武石本館は生徒優先施設

武石本館は、大食堂、体育館、飯ごう炊さん場、キャンプファイヤー場など、生徒向けの施設が充実。

冬のスキー教室では、スキー板、靴、ストック(あわせて約3万弱)を約400名分保管。4-5年で入れ替えが必要となります。

2階にエレベーターがなく、車椅子などは人海戦術で運んでいるとのこと。平成30年より、保健室を2階から1階に移し、けがをした生徒に対応しやすくしました。

余談ですが、高口が覚えているのは、押入れとロッカーの間、ハンガーがかかった狭いエリア。この狭いところにスポッとおさまって座っているのが、妙に心地よかった……という、どうでもいいことをよく覚えています(^_^;)。

武石別館は……バブリー!?

私たちが宿泊したのは、武石別館。平成6年開設ということで、バブルの名残を残す豪華な調度品や設計が印象的です。いまの事件つくったら、こんな豪華なものはできないかも……?

 

一方で、稼働率は42%。維持管理費は、本館・新館あわせ、約2億5千万円。収入は7千万円ほど。平成29年よりインターネット予約可にするなど工夫をしていますが、大きな課題といえます。

宿泊料金は、基本料金+個室利用料金+食事料金。

基本料金は、区内の方なら大人1,500円、65歳以上・障害者750円(介助者2名まで750円)、 75歳以上 無料と、格安!http://www.city.nerima.tokyo.jp/manabu/seishonen/seishonenshisetsu/shizennoie/ryokin.html

この施設を維持するため、税金でまかなっていくか、料金を値上げするか、それとも……? 何十年か後には、建て替えの時期もやってきます。いずれ議論にのぼらざるを得ないのではないでしょうか。

↑見晴らしの気持ちいい食堂は、「箸で食べられる洋食」がコンセプト。

 

↑大浴場は、手すりを追加し、階段で湯船に入れるように。

↑ウェルカムドリンクや、マッサージチェア4台も無料。

軽井沢は自然体験が魅力

地場のカラマツをふんだんに使い、木のぬくもりであふれたベルデ軽井沢。開設当時は白っぽく、今は赤に変わってきているのもまた風情があります。

移動教室用の大部屋は、週末は一般向けに貸し出しし、部屋代は無料! 生徒向けの図書コーナー、薪ストーブやキャンプファイヤー場なども。

↑体育館もカラマツで。うちの息子の体育館より立派……!?

↑浴室は6ヶ所。場所によっては階段や段差がありません。

↑武石に比べ、設計当時からバリアフリーの構想があり、スロープがついています。

↑砂入り人工芝コートも人気。8面もあり、当然手前が人気で、はげてきてしまうそう。

↑天然芝のグラウンドは広々! 浅間山がみえる絶景。ラグビーのゴールもありますが、使われたことがないとか……。

移動教室のメインイベントは、林業体験東京ドーム約7個分!という広大な国有林を「ベルデの森」として借用。クマや鹿、キツツキなど、動物の痕跡を感じながら、間伐(アカマツ)の端材を利用したネイチャークラフト教室を開催します。

↑シカがツノで傷をつけた跡

↑キツツキの巣穴が見えます

↑数年前まで、生徒自身が木を切り倒す体験をしていましたが、アカマツが育って難しくなり、見本を見せたのち、クラフト教室のみ行っているそう。

小学生の子どものいる高口としては、ぜひとも、他ではできない、ここだけの体験……間伐体験が再びできるようにしていただきたいと、ご要望しました。

他にも、トレッキングや星座観察会などを開催。高口がこどもの頃より、自然体験に重きが置かれているのも、時代の流れを感じました。

軽井沢の維持管理費は、約2億2千万円。うち、一般の利用料等での収入は約6600万円です(他、学生利用での収入もあり)。

議会では、一番古く、練馬からも遠いベルデ下田について、「老朽化した施設は、今後の建てかえ等を見据え、移動教室、臨海学校のあり方も含め、課題をまとめて検討していきたい」との議論が出たことも。

こどもたちの宿泊行事としての、また区民の福利厚生としての機能を残しつつ、どう維持管理を続けるか。今後の課題になると感じました。