子どものための保育を!!!!!~谷原保育園存続の陳情に、賛成の討論

2022/10/14、練馬区議会最終日。

陳情第123号「谷原保育園の閉園計画の撤回」に賛成の立場で討論をしました。


 

「閉園は、子どものためか?」

それが、今回の最大の問題です。

 

練馬区は、閉園の第一目的を「行政課題」としています。

5月26日文教児童青少年委員会では「検討の視点」として、

「区民サービスの向上」
コスト削減や効率化
「担い手となる民間事業者があるか」

の3点を述べました。

 

これらに、子どもの視点はまったくありません

 

保育の質とは何か。

世界的な保育の質評価スケールの代表が、OECDの「Starting Strong」ですが、
最新の「Ⅵ」では「プロセスの質」が語られ、
延長保育や0歳児保育など出てきません。

保護者サービスと、子どものための保育の質は、厳密に分けるべきです。

 

そして谷原保育園の保護者は、自分たちのためのサービスよりもまず、
子どものための保育を求め、園存続を訴えている。

それこそが、真のニーズです。

 

陳情審査の際、
「谷原保育園廃園で、子どものためと言えることは何か?」
を尋ねると、

「子どものためは大前提」と答えましたが、

「子どものための廃園」とは、どのような施策なのか?
具体的な答弁は皆無でした。

 

新園で、保育士・看護師の人数が増えることはなく、
子どもとの人数比率など、保育基準が向上する説明もありませんでした。

 

本当に子どものためであれば、閉園などできるはずがありません。

 

また、今回の決算・こども家庭費で
「子どもに影響はない」
と答弁したことも、大問題です。

これまでの民間委託でも、登園渋り、不安定になるなど、
子どもへの影響が、委託園アンケート等で報告されてきました。

今回の場合、友達が転園していなくなったり、
下の子が入ってこず、お兄さんお姉さんとしての日々の成長の機会を失います。

転園すれば場所も変わり、親のように親しんだ先生がいなくなる等、
環境が激変します。

子どもに影響がないわけがないと、誰もが思います。

 

「子どもに影響はない」という一言だけでも、
「子どものこと、保育のことがわかっているのか?」
と、疑問です。

 

何も影響はないと言い切れる根拠は?
影響が出たらどう責任をとるのか?

と聞いても、

「新設園の転園は求めていない」
と、正面から答えませんでした。

しかし、これから入園する子どもは、転園が条件とされています。

区の施策の結果、子どもたちに影響が出ることへの
責任についてさえ、答えようとしません

 

また7月に、
「子どもたちに向けて、子どもたちにわかる言葉で説明してほしい」
と保護者が求めたところ、

区は
「子どもへの説明の言葉を持ち合わせていない」
と答えました。

こどもの権利、こどもの意見表明権を軽視する発言です。

3か月たった昨日、同じ質問をすると、

区は
「子どもに今回の件を説明する、それがいいのか悪いのか疑問に思っている
と答弁しました。

これが、まさに答えです。

子どもにとってよい施策なら、説明できるはずです。
子どもにとって「悪い」から、説明をためらう。

 

谷原保育園廃園は、子どものためにならない。
これが結論です。

 

保護者が納得できないのも当然です。
それが、11893名もの署名につながったのだと考えます。

 

しかも練馬区は、保護者がどんなに求めても個別説明会しか開催しません。

参加した保護者は、もとは反対ではなかったが
「その場しのぎのことしかいわない」「その場限りのひどい返答が多い」
と、そこで不信感を抱いたとのこと。

 

にもかかわらず、「保護者の理解が進んでいる印象」と、
区は決算で答弁しました。

 

在園児の保護者はこう訴えています。

「理解が進んだのではなく、日々仕事に育児に生活に忙しいママ達。
抗うのに疲れ、あきらめ始めている。

決して理解や納得ではなく、泣き寝入り。

勝手に決めて、反対意見を聞き入れず、泣き寝入りさせて
『理解が進んだ』というのは、
本当に暴力的です」

 

区民との協働を謳う練馬区ですが、
泣き寝入りさせられた保護者が、今後、練馬区に協力したいと思うでしょうか?
区にとっても、大きな損失です。

56年、信頼を培ってきた公立園がなくなることも、
地域の保育環境の悪化を招くと考えます。

さらにこのまま進めば、今後、転園か残るか等で、
保護者の分断を生むことも懸念されます。

将来にわたり地域に、子どもに与える意味も、重く考えるべきです。

 

今後練馬区が、同様の形で区立園廃園を進めるのではないか
という危惧もあります。

 

地域のため、保護者のため、何より子どものために、
谷原保育園は残すべきと強く訴え、討論とします。