【練馬区議会・決算】コロナ禍の保育…現場支援&PCR検査&保育の質向上を!【高口質疑】

2021/10/6練馬区議会・決算特別委員会の「こども家庭費」を担当しました。

子どものことで質問したいことは山ほどありますが… その一つが保育園。
保育現場の支援、PCR検査の拡充、職員への給付金 そして保育の質向上の重要性を訴えました!

【Q1】コロナ対策→現場の負担

コロナにより保育園で増えた業務に、消毒作業があります。
臨時休園時の大量の消毒も、保育士が行っています。

他にも、行事を含めた保育の手順や書類の見直し、おたよりの増加など、負担が激増。

また、体調に不安があったとしても、人手が足りないので、余裕をもって休めない……という現場の状況もあります。

練馬区として、コロナ禍の保育現場の負担をどのように認識しているか伺います。

A:保育課長
  • 緊急事態宣言が明け、10月に入ってから本日までの間は、幸いにも臨時休園する園がゼロ
  • コロナに伴う負担は大分落ち着いている
  • しかしながら、とりわけ8月の中旬、お盆の頃は、保育士、また園児の感染者が急増
  • 区内の休園数が2桁に達した日も
  • 大変厳しい状況だった
  • 当時、各園では、日々の消毒や清掃に加え、感染者の行動履歴の調査、保護者対応に時間が割かれる中、ガイドライ
    ンに掲げた感染防止対策を、適切かつ丁寧に講じていただいたと認識
  • 区内約350の保育施設の皆様一人ひとりに、大変、心から感謝している

【Q2】補助金を活用し、現場の支援を

私も、もちろん感謝しています!
様々な負担がある中で、その感謝をどう支援の形にしていくか、伺いたいです。

練馬区は、昨年度、1園、上限50万円の感染対策の補助金を2回実施しています。

国の補助金を活用したもので、今年度も3回目の同補助金が出ましたが、
今回、練馬区は手を挙げませんでした

その理由を伺います。

A:保育課長
  • 保育所等における感染防止対策に係る支援として、国はこれまで、複数回、補正予算を編成
  • 制度の概略
    • 令和2年度分は、元年度分との合算
    • マスクや消毒液といった物品購入
    • 1施設当たり、最終的には合計100万円、国庫補助10分の10というスキーム
    • 今年度、令和3年度の分は、この物品購入に加え、かかり増し経費
    • 例えば勤務時間外に消毒等を行った際の超過勤務の手当などを含む
    • 1施設当たり30万円から50万円
    • 財源は国2分の1、区2分の1とスキームが変更に
  • 見送った理由、大きく2点。
    1. 現場では、消毒や清掃等、増加した業務もある一方、園の行事ができなくなったことで、その準備等が不要になるといったマイナスの業務もあったこと。
    2. 物品等は、令和2年度で予算額2億6千万円に対して、最終的な執行額は1億5千万円、執行率57.7%にとどまった
      →衛生用品は各施設で相当程度ストックが進んだかと考えたもの

保育園等子育て施設の職員へ、定期的なPCR検査や、自主検査への補助を!

実際に現場では「もう足りていない」という例もあると聞いています。

必要な経費補助や配給、職員増員への予算補助などを、改めてお願いしたいと思います。

※後日、保育園関係者に伺ったところ、
■アルコールが手に入らない時期だったので、使えなかった
■購入したいものは対象外だった
→執行率の低さ(予算があまった理由)は、こういった事情もあるのでは、とのこと。

また実際に、
■クリスマス用品でクリスマスプレゼント代を削った
…という話も聞いています。

また、こちらの国の補助金は、やむを得ず自費で検査を受けることになった場合の職員のPCR検査費用にも使えたそうです。

現在、介護施設や障害者施設では、東京都、日本財団、練馬区が職員への定期的なPCR検査を実施しています。

一方、保育園ではその動きは見られない上に、保育園児はマスクをしていないのに濃厚接触者にならないことがほとんど。

例えば8月のピーク時は、保育園の感染でプレスリリースが出た19回のうち、4園のクラスター以外は全て濃厚接触者なしで、検査は行われていません。

昨年から保育園の行動調査は保育課が行っていますが、その保育課にも保健所からは「濃厚接触者なし」としか情報が来ないと伺いました。

行政検査や庁内の連絡の課題もあるかと思っていますが、その結果、不安になるのは園や保護者です。

実際、区内の保育園からは、
「仕方なく自費で検査をした」
「必要なご家庭への預かりを整えた上で休園したいと申し出たが、保育課からとめられた」
といった話も開いています。

保育士が安心して働ける環境や、保護者、子どもを守るため、保育園等、子育て施設での自主検査への補助や定期検査を求めます

実際、葛飾区では、子育て施設の職員もPCR検査が受けられる仕組みを作っています。
ぜひ、練馬区もお願いしたいと思います。

【Q3】特別奨励金などの給付金を、今年度も!

また、昨年度、練馬区は「子育て施設等従事者特別奨励金」も独自で実施しました。

今年度は、昨年よりも感染者が急増し、第6波の可能性も指摘されています。

この現場の負担に応えるためにも、今年度も奨励金の実施を検討いただきたいと思います。

A:保育課長
  • 仮定のご質問にはお答えしづらいが…
  • その時々、必要性等を踏まえて施策を検討
  • 奨励金についても、同様に適切に判断してまいりたい

【Q4】保育基準の見直しを

昨年度よりも感染者が急増した中で、ぜひ、今年度も、前向きに検討をお願いしたいと思います。

一方、昨年、登園自粛で子どもが激減した時期がありましたが、子どもたちに目が行き届く理想の保育を実感した保育士も多くいたという声を伺っております。

密回避が叫ばれる中で、戦後70年以上変わらない面積基準も問題です。

練馬区内の保育園では、廊下と保育室をつなぐ通路、実質、部屋でないところまで基準に入れて、子ども一人分程度プラスしているところもあります。

本来、子どもが生活するスペースではないのにカウントしているわけです。

コロナ禍を経て、こういった日本の保育基準そのものの問題が明らかになりました。

練馬区としては、アフターコロナを見据え、人員体制の強化、私立保育園の財政支援など、保育基準の向上に向けた検討を始めるべきと思います。見解を伺います。

A:保育課長
  • 区では、これまで、例えば看護師の配置を始め、手厚い人的配置を図ってきた。
  • 加えて、独自の給付費加算等を通じて、各私立園等に対し、財政支援を行った
  • 日々、保育サービスの充実向上に努めたてきた
  • その時々の課題を捉えて解決を図っていく姿勢はコロナ禍であろうが、変わらない
  • 時宜にかなう施策展開が今後もできるように、引き続き、保育サービスの充実に努めてまいりたい

国の規制緩和をはねのけ、保育の質向上を!

コロナ禍だろうが変わらないのは、保育の基準を引き上げていく重要性だと思いますので、ぜひ、今後もお願いしたいと思います。

保育基準の低さは、3年前、練馬区の認可外保育園の死亡事故があったように、子どもの命に関わることだと思います。

にもかかわらず、政府が昨年末発表した「新子育て安心プラン」では、

「待機児童がある自治体では、常勤の保育士1名を短時間勤務2名に変えてもよい」

との規制緩和を打ち出し、安心どころか、不安でしかありません

練馬区は、この規制緩和に従うことなく、コロナの今こそ、保育基準の改善を求めます。