新型コロナウイルスと保育園休園・学童休室問題/4/23文教児童青少年委員会レポ
4/23、文教児童青少年委員会レポートです。
新型コロナウイルス…なぜ練馬区は、保育園や学童を原則休止にしないのか?
はじめに:高口の考え
高口のもとにも、保育園休園・学童休室を求める声が、多数寄せられています。
「保育園が休園でないと、仕事が休めない」……会社と園との間で板挟みになる、苦しい立場の保護者。
最も問題なのは、子どもと保育士さんの感染リスクです。
>現場は悲鳴をあげています。感染させてしまうのではないか、感染してしまうのではないかと不安と恐怖の、日々。守るべき家族のために辞職を選択せざるを得ません。このままでは保育士不足に繋がります(*高口twitterへのレス)
…など、悲痛な訴えが、多数寄せられ、私も苦しくなります。
もちろん、一方で、「保育園に預けないと困る」というご家庭があることもよくわかります。職業や家庭のご事情、要支援家庭などへの配慮は不可欠です。
その配慮・対応をしたうえで、子どもと保育士さん達現場の命と健康を守るために、保育園も学童も、原則休園・休止とし、登園数を一気に下げるべきと思っています。
*本来なら、緊急事態宣言が出たときに休止にしておき、あいたリソースで支援体制を整え、自粛が長引くのにあわせ、在宅ワーク支援など、徐々に対応を拡充していく…という方式をとるべきだったと思います。残念ながら、すでに後手後手だと思うわけですが…。
以下、保育園休園問題に関わる、委員会の質疑をまとめました。
他議員と区の質疑
【Q】休園しない理由は?
【区A】
- 「保育園の考え方は様々だが、練馬区は原則開園」
- 「保育の必要な方を預かり」を行う
- 「社会機能を停滞させない」ため
- 「出勤しなければならない様々な職業」がある
- 「警察や医療だけでなく、コンビニやスーパー」なども
- 「感染拡大防止」の対策を講じたうえで開園する
- とはいえ、保育士は、「手をつなぎ、だっこ、さんぽ」などをする
- 「自粛をお願いする」など、「三密を避ける取り組み」をする
- 人数を少なくし、「ローテーション」するなどして、「リスクを減らしたい」
- 児童を減らし、保育士の出勤を減らし、感染リスクを減らすのが「基本線と考えている」
【Q】自粛要請により、どのくらい減っている?
【区A】
- 4/13時点で、保育園の「登園率は43.7%」「今日(4/23)40.6%」
【Q】登園する人が申請する方式に見直しを
【区A】
- 登園率は下がっているが、「さらなる取り組みが必要と強く認識」
- 登園が必要な方の「登園届け出制」のイメージ
- 「十分検討の余地」
- 「会社に証明書類の添付」を求めることも「考えられる」
- 「検討」する
【Q】勤務先への文書、HPにわかりやすい位置に+強い表現に
【区A】
- 「早急に、TOPページにリンクをはるなど工夫」
- 「届け出方式で自粛要請」するなど、「強いトーン必要」
- 「文言の修正も必要」
【Q】事業者への支援は
- 「事業者へ最大限フォロー」する
- 「保育士、保護者の不安承知」
- 「一層の支援に努める」
【Q】感染防止の取組みは?
【区A】
- 「開園が原則」
- 「感染拡大防止のため、可能な限り登園を控える取り組みが必要」
- 「登園に必要な方の手続きが考えられる」
- 「職種、実態に応じて、必要な方が(保育を)受けられるよう」配慮
*保育士支援について
- 「保育士の負担」
- 「保育園を開け続けるため、保育士」「ありがたいと思」っている
- 「感染は本意ではない」
- 「自粛を推し進める」
- 「ローテーションで軽減」「出勤を抑制」
- 「社会的な使命をふまえ、開園にご協力」「感染を防ぐ最大限努力する」
*物資について
- 「区独自にマスク、アルコールの配布を実施」
- 「マスク:3月に2回、4月に1回」
- 「アルコール:3月に1回」
*電話による巡回支援
- 「本日(4/23)開始」(*電話で)
- 「家庭のフォロー、衛生面、延長の保育士ストレス緩和」などを「助言」
- 「保育士」から「不満も寄せられている」
- 「出勤抑制→不公平感を生じないバランスを助言したい」
【Q】今、委託を進めるべきではない
【区A】
- 現場で引継ぎができないので、「書面等で可能な限り引き継ぎを対応」
- 「北町、石神井台の運営事業者を募集」
- 「今後のスケジュールは、最大限配慮して対応」
【Q】「真に必要な方」に限って認める制度にしては?
【区A】
- 「真に」を限定する制度づくりを進めたい
【Q】認証保育所で感染が発生
【区A】
- 「濃厚接触者が発生」し、「臨時休園」に
- 「区内保育園の感染事例」「先だって2件」「計3件」
- 「感染した方以外濃厚接触者がいない」ので「一般公表しない」
- ↑プライバシー保護のため一般公表はせず、園の保護者のみにお知らせしている
- 「陽性・陰性かわからない→事前に周知」
- 「濃厚接触者の定義が改められ」たことと、「本人の希望」「プライバシー」
- 「本人には休んでいただく」+「周知、園内の情報共有」「十分検討したい」
【Q】自粛家庭への支援
【区A】
- 「登園を自粛する児童、保護者への支援必要」
- 「オンライン、ICTの活用が有効」
- 民間「ICT活用が最近進んでいる」
- 「一部の園で取り組みを開始」
- 「参考に行っていければ」
高口の質疑
★論点1:登園・登室率の効果
- 自粛では、「8割減」(登園率2割)にならない
- 原則休園とした中野や杉並では、登園率は1割を切っている
- 園によって、自粛要請の度合い、職員の出勤状況が、バラつきがある
★論点2:保護者の声にこたえるべき
- 「休園でないと会社を休めない、休ませてもらえない」との声が多数ある
- 保護者から区や区長あてに、要望書が出ていると聞いている→1週間で357人
★論点3:補償
- 「自粛」では、たとえば「罹災補償」の対象にならない→休園なら対象になる、という実例がある
- 「補償」という意味でも、休園が重要
★論点4:重要→現場が限界
- 保育士さんから、悲痛な声がたくさん届いている
- 休園にした区とそうでない区、どこが自分達を守るか、保育士さんはちゃんと見ている
- 今ここで、練馬区が、保育士を守る積極的な姿勢を見せないと、「練馬区で保育をしたい」という人材がいなくなるのではと危惧
★論点5:練馬区独自の支援を
- 練馬区独自の休業補償を
- 感染者が出て臨時休園になったときの体制を(他区ではセンターで預かり取組み)
- 今、この状況で、委託を進めてほしいのではない。貴重な職員を、命を守ることに使うべき
練馬区の回答
*以下「」は、区の回答そのままです
*正式な議事録は、後日練馬区議会HPにUPされます
【高口Q】どうしても預けなくては困る人への個別の対応に応じる前提で、原則休園の方針へ切り替えを
【区A】
- 「開園が原則」
- 「保育士の不安は重々承知」
- 「保育士の不安を取り除くのは当たり前」
- 「頑張ってる方、たくさんいる」(*)
- 「働く親の施設という点をふまえ、労働の方々の受け皿を確保」しなくてはいけない
- 「感染防止、負担軽減」のうえ、保育士が「休みをとりやすい対策を考えたい」
【高口Q】認証保育所で、感染者が出た。臨時休園への対応も考えるべき
【区A】
- 4/24にプレスリリース→臨時休園とした
- 臨時休園になり、保育がどうしても(必要という場合)、個別の事情に対応
- 渋谷区→一部開園し保育を行うのは、一つのやり方
- 普段預かっていない園の安全性もある
- コロナだからといって、その他の事故があっていいわけでない
- 慎重に対応
- 渋谷区とは、保育園の規模が約3倍
- 簡単ではない
- できる工夫をする
- ファミサポ→医療従事者等、必要な方にサービスを提供している
- 緊急時で、自粛している方もいる
- マッチングがいかない場合、区に相談があれば、丁寧に対応