高口質疑!性教育、性暴力対策、防災、外国人差別…/予算委員会2/19

2/19予算委員会<議会費、総務費>での高口による質疑です!

  • 性教育の重要性
  • 性暴力対策
  • 女性、母親目線での防災対策
  • *時間切れでしたが、外国人差別

をとりあげました。

「性教育」が重要!

「第5次男女共同参画推進計画」が今年度策定されます。
男女平等や人権問題など重要な課題にかかわる計画です。

そのうち「教育の場における男女平等の推進」のなかで、「区立学校への出前授業など性に関する知識の普及・啓発を図ります」という項目が盛り込まれました。

「性教育」は、単に、身体の発達や性感染症や避妊といった知識を学ぶだけでなく、人間関係や価値観、男女平等、人権意識等を養うためにも、大変重要です。

その基本は、

  • 自分と相手のからだを大切にすること、
  • そのための正しい知識を学ぶこと、
  • 性に関する知識を得ることは決して恥ずかしいことではなく、何かあったら隠さずに、相談していいこと。

これは予期せぬ妊娠や性被害と性加害、DV、二次被害などを防ぐためにも、大変重要です。

【Q1】「出前授業」→全校で実施を!

性教育は、学校教育でも重要ですが、一方で現状の学習指導要領では不足している部分も多々あって、この区の出前講座の事業化には大変期待をしています。ぜひ全小中学校で実施すべきと考えています。

その際は、子どもはもちろん、保護者も参加できる形の授業が望ましいと考えますが、区の見通しをお聞かせください。

*区回答

  • 教育委員会とも連携を図り、保護者の要望等も把握しながら、
  • 発達段階に応じた実施について検討を進めていく予定

★小4の保健体育では、遅い!

ぜひそれ(発達段階)に合わせて、全児童に実施してほしいと思います。

いま発達段階と話がでましたが、よく性教育で「寝た子を起こすな」とか、知識を教えると「ふしだらになるのではないか?」といった誤解が、結構あるかなと思います。

性教育が世界一進んでいると言われているオランダでは、幼児の段階から性教育が始まりますが、若者の性交渉などが他国と比べて高い・多いというデータはありません。

むしろ、きちんと教えるからこそ、自ら判断でき、不用意な性交渉や予期せぬ妊娠を防ぐことができます。

小学校では、小学校4年生の保健体育から性教育が始まると思いますが、正直、それでは遅すぎるなと感じています。小4の前に、性被害にあう子どもはたくさんいます。

私の友達でも、小さい頃に被害にあったという話を複数聞きますし、小さいと自分に起きたことが何かわからず、苦しさを抱えてしまうことも少なくありません。

発達に応じた教え方があって、特に小さいうちは、

  • 「プライベートゾーンは誰にも触れさせない」
  • 「嫌なことは嫌だとはっきり言う」
  • 「なにかあったら誰かに相談する」

ということを、はっきり教えることが大切です。このプライベートゾーンというのは、「水着ゾーン」ともいって、水着でかくれる場所をさします。

実際に今、保育園や幼稚園でも、自主的に性教育をする動きが広がっていまして、保護者の多くも必要性に気づきながら、自分は性教育をしっかり受けていない世代だからどうしていいかわからない、という現状で、性教育の講座に人気が集まっています。

11月にゆうゆうスクールで開催された性教育の講座は、募集開始からわずか3日で40名満席、キャンセル待ちも20名以上あったと。えーるで今度2月29日に開催予定の生理についての講座も、ご案内後すぐに満席と伺っておりまして、区民の性教育の関心の高さと重要性が明らかだと言えます。

【Q2】出前講座、もっと早い段階から。

「出前講座」は、小学校は低学年から行っていただくこと。

それからあわせて、家庭において、小さなころから繰り返し、性というものは「エッチなもの」「はずかしいもの」ととらえるのではなくて、大切なもの、守られるべきものであるという認識をつけていくために、

幼稚園や保育園の段階から子ども・保護者に広げていくべきと考えますが、いかがでしょうか?

*区回答

  • 学校教育の部分とも連携を図るところが第一に考えなければいけない
  • 第二に保護者の要望等も把握しながらその子どもの発達に応じた対応が必要
  • これから検討を進め、適切に対応

【Q3】教育委員会や、他部署とも連携を!

教育委員会の方では「練馬区子ども・子育て支援事業計画」が策定されます。

そこにも性教育に関する同じ項目をのせるとか、整合性をそろえつつ連携して進めていくべきではないでしょうか?

それから、興味がある人しか講座というのは行かないので、情報が届かない層に対しては、たとえば練馬まつりのブースやステージに出て、人の集まるところにアウトリーチして宣伝していくということが必要かなと思いますが、2点、ご所見をお聞かせください。

※区回答

  • 「男女共同参画計画」の中で位置付けて進めていきたい
  • 性教育に限らず、人権の課題はここ近年様々顕在化
  • 周知啓発は、セミナー等を開催→さらに広く周知をしていかなければいけない問題意識は持っている
  • 様々な区の事業も活用して、啓発を図っていく

性暴力~被害者支援のために

広く周知という点でなかなか啓発が届かない層がいるとの問題意識から、次に伺います。

「男女共同参画計画」の大きな「目標」として、「配偶者等暴力被害者への支援と、性暴力やハラスメントの防止」も掲げられています。

主な内容が啓発事業で、練馬庁舎での約2週間のパネル展示や、えーるでの講座や展示などを行っているということで、先ほども言いましたがもっとアウトリーチするような事業が必要ではないかなと感じております。

【Q4】犯罪被害者支援条例にあわせて

一方、東京都のほうでは、今言った性犯罪については「犯罪被害者支援条例」が可決の見込みと言われておりまして、区としても、身近な自治体として、もっとできる支援があるのではないかと思っております。

  1. 被害によって働けなくなることがあるので、そのための転居費用やお見舞金などの、経済的な支援。
  2. 配偶者暴力相談センターで、性被害の相談もしやすくするなどの、相談しやすい工夫の体制について。

以上2点について、区の支援の見通しなどお考えを。

*区回答

  • 「犯罪被害者支援条例」の中身については、区としては、一義的には東京都の支援の状況
  • 経済的な支援、相談支援が盛り込まれている
  • 転居費用については今現在は「ない」という状況
  • 今後東京都の方が条例の制定をしたうえでの推移は見ていきたい

★区としても犯罪被害者支援条例の制定を

区としてできることをもっとしっかり考えて頂きたいなと思います。

併せて練馬区の方でも犯罪被害者支援条例の策定を要望します。

女性、母親目線で……避難訓練や避難拠点のあり方

質疑にあたって、お母さんたちや、防災専門家にヒアリングをしました。

ひとつ気になると言われたことが、避難訓練についてです。

3.11では、日頃から本気で逃げる訓練をしていた「釜石の奇跡」という話がとても有名ですが、先日あったNHKの「首都直下地震」のドキュメンタリーのような、リアルな映像をみたり、小中学生対象に被災者の体験談をたくさん聞かせるなどしながら、本当に大地震が起きたことを想定した訓練をしっかり実施すべきだ…というお話を伺っていますが、区のご所見をお聞かせください。

*区回答

  • すべての訓練を本気で実施している

★性被害対策

もちろんそうだと思うのですけれども、例えば本当に火が止まったときを想定するなど、やっていないような訓練を、ぜひ他自治体の事例などをみながら、いろいろと訓練を工夫していただきたいと思います。

一番大事なのはまず命を守ることですが、命を守ったあとの対策避難拠点の問題です。子どもを持つ親としても気にかかるのが避難拠点での犯罪、特に性被害の対策です。

これについて区に伺ったところ

  • 男女別の更衣場所
  • 男女別のトイレ
  • 女性専用の物干し場
  • 授乳室の設置
  • 夜の巡回警備など、

すべての避難拠点で対策を検討しているとのことで、一定安堵はしました。

しかし、東日本の被災地で性暴力被害の予防啓発活動などに取り組んだNPO法人「しあわせなみだ」の代表の方は、「不特定多数が避難所に集まるなど、災害時は性暴力被害のリスクが高まる」と指摘されています。

実際熊本地震での性被害は、把握されているだけで10件で、相談しづいことから、潜在化も指摘されています。

女性目線で防災アドバイザーをしている岡部梨恵子さんによれば、「ピンク色を身に着けないとか、一目で女性とわかる格好をしない」「女の子もニット帽をかぶせて、長い髪を隠す」「子どもだけで遊ばせない」など、具体的な例を推奨しております。

あるいは、避難拠点から帰ったあと被災地でもっとも危険な場所のひとつが、“被災後の家”だといっており、被災後に帰宅するときは、明るい時間帯で男性と一緒に行動するよう警告もしています。

こういった被害を防ぐ具体例を、ぜひ区の『避難拠点運営の手引き』などにもっと載せて周知徹底していただきたいと思うのが一点。

また、被害にあって、災害時という状況でみんながピリピリしていて、どうしても「自分が我慢すればいいんだ」と思いがちな正常バイアスがかかるかなと思っています。ぜひ被害にあった際の相談体制についても充実をしていただきたいと思いますが、2点、お聞かせください。

*区回答

  1. 避難拠点においておっしゃったような犯罪が発生しないようにするためには、女性の視点を含めた防止対策等の検討が必要
    • 各避難拠点で検討を進めており、実施
    • 避難拠点を運営する連絡会の皆様→女性の視点に配慮した拠点運営について周知し啓発
    • これらの対策により発災時にも犯罪が生じないように努めてまいります。
  2. 相談体制
    • 避難拠点の機能のひとつに、被災者のための相談所を設置がある
    • 生活の場として色々な課題がでてくる→ひとつずつ対処しながら対応していく

以下、時間切れですが、予定していた質問です。

★子どもの遊び場→「うるさい」と言われずに避難できる環境を

避難が長期化した場合、子どもにとって大切なのが、遊びの環境です。

都作成の「東京防災」や「東京くらし防災」には、「子どもは遊ぶことでストレスを発散するため、子どもが遊べる場所と時間を確保する工夫が必要」な旨記載してあり、

  • 避難拠点でも共有している、
  • 遊び場としては、校庭、武道場、体育館や図書室等を想定している、

とのことでした。

【Q2】避難者とも共有&手引きにも「子どもの遊び」の記述を

ただ、やはり、実際の避難のなかで、「子どもがうるさい」との声があがるのではないかと心配しています。

区が作成している『避難拠点運営の手引き』にも、子どもの遊びについて記述し、

  • 苦情が出たときの対応や、
  • 苦情が出ないよう、防災訓練の時から周知すること

…などが必要と思います。

★運営委員会に地域の新しい人、女性を入れるようにしてほしい

また、避難拠点の運営に関わる方の男女の比率のデータを頂きました。

おおよそ男性2:女性1。

思ったより多い印象ですが、地域の半数は女性ですから、女性をもっと増やすことが重要です。

また、やはり運営は高齢者が多いので、若い方をどう入れていくかも課題です。

子連れのお母さんや働く世代は、なかなか会議に出づらいこともあると思うので、会議の形態や時間などを工夫して、比率を増やして頂ければと思います。

外国人への差別問題

先日、外国人のお母さんに集まっていただき、子育ての悩みを伺う場を開きました。
そのなかで、やはり皆さんが、少なからず差別に直面している実態を聞きました。

お子さんが、「国に帰れ!」と、同じ学校の子どもから言われた、という話。

学校の先生から厳しく、冷たい対応をされ、重いストレスが原因で、心身に支障をきたし、帰国せざるをえなかったという話……。

大人の差別意識、大人のヘイトが、子どもを傷つけている現実。
子どもを守るのは、大人の責任です。

【Q1】学校への啓発を、区の責任で!

区と教育委員会が連携し、学校や先生への啓発を、もっと真剣に行っていくべきと考えます。

実効性ある対策として、ヘイトや差別の禁止条例の制定も要望し、終わります。

*正式な議事録は、後日UPされる練馬区議会議事録をご覧ください。